アイコン トランプ オルタナ右翼バノン解任 元選対本部長・功労者 対立の構図

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8月12日、KKKや白人至上主義者の集会、集会批判派との衝突、白人至上主義者の暴走車による殺人事件にまで発展したシャーロッツビル事件。
「双方に責任がある」としたトランプの言動が批判に晒される中、政権内の白人至上主義者に近いオルタナ右翼のバノンが18日更迭された。

<次の火種もトランプ自身>
政権内部はバノン更迭で乗りきろうとしているが、トランプの問題言動は収まっていない。
トランプは8月22日、アリゾナ州フェニックス市を訪問し、先に、拘束した不法移民に対する極端に厳しい扱いが問題視され、職務停止命令期間中、巡回を続けた元保安官に対し、有罪が宣告されたが元保安官に対し、恩赦を発表する予定。
トランプは、有罪判決を受けた元保安官に「不法移民の摘発で彼以上の仕事をした治安要員がいない」と称えている。
フェニックス市の市長は、シャーロッツビル事件のトランプの言動を受け、「市に訪問するな」とけん制している。

<政権内抗争に終止符>
トランプは、ホワイトハウスの内紛に終止符を打たせるため、元海軍大将のケリー氏を首席補佐官に任命し、前後して3人が自ら去ったり罷免されたりして去り、政権内の権力争いに終止符、リーク防止、報道統制を行ってきた。
(既に、政権スタッフの間では、トランプ政権に残った場合、経歴に汚点となると将来を案じ、辞任する動きも出ている)

ケリー氏の政権内の規制により、これまでトランプに忠言してきた娘イバンカも大統領執務室に入れなくなり、変わりにバノンが台頭、ケリー氏はホワイトハウスからの発信は大統領だけだとしたものの、バノンはその掟を破り、「中国とは経済戦争だ」「朝鮮戦争はない」と発言、トランプ政策を歪めていた。

<シャーロッツビル事件に対するトランプ言動についての反応>
1、共和党の重鎮らが挙ってトランプ批判発言。
2、ユダヤ人協会からも批判。
3、政権の企業経営者らによる2つの諮問機関の経営者らの脱会者が相次ぎ、トランプ自ら諮問機関を解散。
4、政権に忠誠であるべき軍の最高幹部の将校らが異例中の異例としてトランプ批判
するに至り、弾劾(下院過半数・上院は2/3)も現実のものになりつつあった。

シャーロッツビル事件に対するトランプの言動・それ対する批判では、
7月下旬に採用された軍人上がりのケリー主席補佐官が状況を打破するため、トランプ氏にバノンを取るか、自分を取るか迫ったものと見られるが、イバンカ夫婦もバノンを切らなければ、政権は持たないと進言したものと見られる。

その上で、ケリー主席補佐官とバノンが直接話し合い、ケリー氏がバノンに引導を渡したと見られる。

<バノン>(ハーバードMBAの経歴)
1、シャーロッツビル殺人事件を引き起こした白人至上主義者とオルタナ右翼(=バノン)が非常に近い関係にあること。

2、ケリー氏に逆らい、また表面的にはトランプ政策とも異なった中国政策・北朝鮮政策につき、自己主張を展開し公表させたこと(左翼誌の取材に応じた発言)。

3、4月バノンは、マクマスター安保担当大統領補佐官(陸軍大幹部)から、国家安全保障会議の常設メンバーを外され、対立してきた。(中国政策のほか、ロシアゲート問題に対する方針の違いも裏にあるとされる)

4、内紛禁止のケリー氏の統率に対して、バノンはコ-ンNEC長官(コールドマンサックス元社長、イバンカ娘婿のクシュナーに近く、ユダヤ人)に対して、執拗に攻撃をし続け、元会長だったネット右翼放送局「ブライトバート」からも名指しでコリー氏をタタかせていた。(中国政策の方針相違がある)

ことなどが上げられよう。

ただ、バノンは、これまでのトランプの公約や経済政策を推進してきたことも事実、ここにきて、これまで燻ってきた中国に対する政策において、アメリカ№1、保護主義を唱え中国に対して強硬派のバノンと、穏健派のコーン氏および娘婿クシュナー氏との対立が表面化していたものと見られる。

娘イバンカとクシュナー夫婦は、中国の習近平から今秋の中国訪問を招待されている。
クシュナー家(ユダヤ人・ユダヤ教)は不動産業を営み、中国の富裕層に売り付けていることで知られる。

大統領選挙で財務を担当したスカラムッチ(元投資ファンド創業者)が、7月下旬に広報部長に任命されたものの、酒に酔ったまま深夜、報道機関の電話取材に応じ、プリーバス大統領首席補佐官を名指して批判、報道され、辞職に追い込んだ。しかし、直後に任命されたケリー主席補佐官によりスカラムッチは就任後秒速で首になった。

今回はバノン、大統領選の選対本部長、トランプが大統領になった立役者であったが、シャーロッツビル事件で、トランプの発言は批判に晒され、政権内の重鎮となっていた白人至上主義者に近いオルタナ右翼のバノンが批判の的にされ、さらにバノンは左翼誌の取材に応じ、「中国とは経済戦争だ」「朝鮮に攻め入ることはない」と述べたことが報道され、トランプの中国政策・北朝鮮政策と一線を画す言動が、再び政権内での対立と見られた。

<バノンの対立>
バノンは、中国政策では実業家のクシュナーやーコーン氏と対立、
中国軍事政策やロシア問題で、軍閥のマクマスター氏と対立
政権内の指揮系統では、軍閥のケリー氏と対立

バノンは、右翼的な考え方や経済政策は、トランプをリードしていたものの、シャーロッツビル事件で、ここまでトランプ自身の言動が批判に晒されたことから、トランプ陣営は、その収拾を図るため、今回のバノン更迭に動いたものと見られる。
バノン自身は、シャーロッツビル事件について、特段コメントしていない。

ただ、人種問題で批判されるようなトランプの言動はまだ続いており、ケリー氏なりイバンカなりが、「少し静かにせい」とトランプに進言できるかどうかにより、与党の共和党重鎮らの動きも変わってくるものと見られる(トランプは共和党重鎮の個人批判も展開し、与党内に敵を増加させ続けている)。

<バノンの言動>
「ヨーロッパでイスラム教徒による侵略が起きている。キリスト教徒は滅びつつある」
「アメリカは、5年後、10年後に南シナ海で中国と戦争に突入する」
「メキシコとの国境に壁を建設する」
そして今回の「中国とは経済戦争中」、「北朝鮮に攻め入ることはない」

<オルタナ右翼ネット放送局「ブライトバート」の報道>
バノンがオーナーだったオルタナ右翼のネット放送局である「ブライトバート」は、バノン氏の解任について、
「トランプ政権の終焉の始まりとなる可能性がある」。
「バノンは、トランプの選挙公約の実現に向けて最も力を注いできた人物だ」と紹介したうえで、
「バノンが去ったあと、トランプ大統領が選挙公約を守るかどうか保証がない」
「俳優から政治家に転身しカリフォルニア州の知事を務めたシュワルツェネッガーが、当選後、保身のために保守的な支持者を捨てリベラルな政策に走ったと指摘したうえで、トランプも第2のシュワルツェネッガーになりかねない」
と痛烈に批判。

<保守強硬派はバノン更迭に失望>
共和党のフィクサーであるコーク兄弟も深く関与する保守派の市民運動「ティーパーティー」のリーダーの1人が、「バノン首席戦略官の解任に落胆している。支持者への裏切りだ」と述べるなど保守強硬派の間では失望や反発が広がっている。

コーク兄弟は、トランプ政権自体を嫌っている。共和党内のフリーダム・コーカス(自由議員連盟)グループの国会議員40人前後を操っている。トランプケアの議案提出を封じ込めさせたグループだ。
コーク兄弟は選挙のたびに毎回100億円規模で共和党の関係議員たちや大統領選で寄付している(先の大統領選では金を出さなかった)。
対して、トランプは、南部に多くの石油精製所を持つコーク兄弟に対し、公約どおり内陸部へのパイプライン敷設を認可し喜ばせている。


 

[ 2017年8月19日 ]
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