アイコン 倒産を追う (株)エム・テック 負債額250億円、一般債権だけでも160億円

 

 

<経営破綻>
1、2018年10月1日、東京地方裁判所へ民事再生法の適用申請、保全処分命令

2、負債額:約250億円
内訳:一般債権約160億円、金融債務約70億円、リース債務約20億円。
2、申請代理人:栃木義宏弁護士(栃木・柳澤・樋口法律事務所、電話03-3580-1331)。
3、監督委員:北秀昭弁護士(北秀昭法律事務所、電話03-6435-6802)
4、債権者説明会:10月4日開催
5、破綻原因:
(1)直接的には、
1、昨年12月26日、負債額約151億円を抱え民事再生を申請して経営破綻した(株)PROEARTH(神奈川県厚木市/今年2月28日破産開始決定)に約10億5千万円(申請書の基づく)の焦げ付きが発生し、資金繰りが急悪化したことによるもの。
 
PROEARTHは、今年1月30日負債額約24億円を抱え民事再生を申請した(有)大曲建機(秋田)や今年5月7日負債額計190億円を抱え自己破産申請した(株)ビバック、(株)ビバックレンタル(品川区)などとの間で循環取引が噂されていた(実際は不明)。エム・テックとの関係は不明。
2、金融支援が受けられなかったこと。
財務内容などに支援を受けられない理由があったと見られるなど。
東京地検による起訴の問題は、金融機関が嫌い致命傷にも繋がるが、内容は情状酌量の余地もある。
 
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(2)間接的には、
1、東日本大震災における高速道復旧、護岸工事などが一巡し、受注環境が悪化したこと。
2、東日本大震災の復旧工事一巡で既存の高速道工事の受注競争が激化したこと。
3、全国各地に営業所を設け、経費増に陥っていたこと。異業種への資金流出。
4、指名停止を受けたこと(下記説明)、
起訴されたことから全国の自治体に指名停止が波及。
など。
 
<会社概要>
1、会社名:(株)エム・テック
2、本社地:東京都中央区京橋1-18-1、八重洲宝町ビル5F
3、本店登記地:埼玉県さいたま市浦和区高砂3-7-2 浦和MTビル
4、代表:向山照愛(2015年9月就任、勝村建設の最後の社長/それまで外資系企業など)
5、設立:昭和63年10月
6、資本金:4億6637万5千円、
7、売上高:244億円(2017年9月期実績)
8、財務内容:下記参照
9、業種:PC土木工事(40%/うち半分は高速道上部工・下部工など)、土木工事(25%)、建築工事(30%)/2017年実績
  PC構造物の土木用橋梁桁や建築用柱、サイレントボイド床板など資材販売、スイミングスクール事業部「M-Tec・RSC富士」運営。
 
10、全国の営業所:
仙台支店、岩手支店、福島支店、郡山支店、水戸支店、千葉支店、長野支店、名古屋支店、近畿支店、四国支店、広島支店、九州支店、いわき営業所、川越営業所、新座営業所、本庄営業所、越谷営業所、茨城営業所、和歌山営業所、長崎営業所、熊本営業所、坂戸事務所、
 
11、受注先:国交省・NEXCOほか全国の官庁主体
特徴:どこの業者もしたがらない案件でも受注し、官庁や自治体など受注先を増加させる方策(松野社長時代/最近は不知)。

 

受注先
国交省
全国都道府県
東日本高速道路
埼玉県
中日本高速道路
東京都
西日本高速道路
宮城県
首都高速道路
各市町村
阪神高速道路
さいたま市
本州四国連絡高速道路
仙台市
農水省
大和ハウス工業
防衛省
神戸製鋼所
沖縄総合事務局開発建設部
他民間会社
 
12、取引銀行
埼玉りそな銀行、みずほ銀行、埼玉県信金、商工中金、三井住友銀行など(変更になっている可能性あり)
 
13、主要株主:
高砂管財3546株(埼玉本社ビル所有)、松野浩史氏558株、中塚氏492株、栗山氏454株、楠氏340株ほか計76名((変更になっている可能性あり)
 
14、実績:
2018年竣工:気仙沼・津本防潮堤、気仙沼・石浜防潮堤、石巻・相川沢川河川復旧、釜石・白浜防潮堤、宮城・高城川護岸工事、南三陸町・曙橋道路護岸工事など
2017年竣工:香川柿谷高架橋、国道492線・徳島木屋平上部工、高松自動車道・香川末高架橋、さいたま市子ども総合センター新築工事、つくば紫峰学園新築工事、埼玉・嵐山菅谷プール工事など
2016年竣工:気仙沼・後馬場海岸災害復旧工事、中部横断道・尾段山梨原高架橋、熊本・花園ランプ1号橋、さいたま市立病院エネルギー棟新築工事など
 
15、経歴:
1988年(昭和63年)10月、ピーシー橋梁の部長代理だった松野浩史氏が独立・設立。
2007年3月、アグリテック(株)と合併
2008年10月、興進建設(株)と合併
2009年10月、破綻した東証一部の勝村建設を吸収合併。
2015年9月、社長交代(それまでは松野浩史氏が社長、その後は代表権のない取締役会長)
2018年10月1日、負債額約250億円を抱え、民事再生法を申請して経営破たん。
 
16、特記事項:
起訴および指名停止/関東地方整備局:平成30年7月19日から平成30年8月18日まで(1ヶ月間)。
概要:東京都発注の「平成28年度中潮橋撤去工事」において、(工事が延び)京浜港長の許可を受けずに港内で工事を行った期間があったとして、平成30年3月14日、東京地方検察庁から港則法違反で法人及び使用人が起訴された。NEXCO西日本や全国の多くの自治体が同様な指名停止措置をとった。
 
同社は、こうした事例は初めてだとしている。受注先は東京都であったが、港湾管理を司る海上保安庁がよほど暇だったのか、起訴されたということは東京地検に告発していたことになる。(同社は政治力が中央政界にないのだろう)。規則は規則。
 
<財務内容>
(株)エム・テックの財務内容と業績 平成29年7月期/千円
流動資産
15,385,594
流動負債
13,626,357
 
 
固定負債
1,831,148
固定資産
5,437,357
自己資本
5,365,445
 
 
(資本金)
466,375
総資産
20,822,951
負債+資本
20,822,951
売上高
粗利益
経常利益
自己資本率
24,427,970
2,787,336
340,855
25.7%
 
追記、
民事再生の可能性:
一般債権が160億円と大きく、債権者しだいだろうが、債権者はこれまでにアベノミクスで多くが利を得ており、同社再建を支援するものと見られる。
ただ、民事再生では建設業界素人の人が経営者となっており、民事再生の配当金しだいで債権者によっては、会社更生法の働きかけがある可能性もある。
 
民事再生の鍵は受注残であり、再生は向こう民事再生計画が債権者会議で了承されることが前提となり、会議が開催されるまでの約1年間、官庁工事の受注は制約を受ける。(土木工事会社であり、受注残を多く抱えているものと見られる)
同社は、元請工事が多かっただけに、その間、大手ゼネコンから下請工事の受注ができるか不安材料もある。
当然、不採算の支店や営業所の多くは閉鎖され、異業種も売却することが前提となる(地方での受注が多く、営業所を地元に設置していなければ受注機会の喪失にもつながるが・・・)。
一般債権が大きいだけにスポンサーが付かなくても、自立再生はできるものと見られる。しかし、信用あるスポンサーが付けば、さらに再生の可能性は高くなるだろう。スポンサーには現社長の縁で再生ファンドが付く可能性もある。
以上、
 
↓ 受注高推移(同社HPより)
決算月は9月だが、受注高は官庁年度となっている。ちなみに最終は平成28年度(2017年3月までの1年間)の受注で350億円となっている。
 
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[ 2018年10月 2日 ]

 

 

 

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