アイコン 経済自画自賛の文大統領の問題点 「経済は正しい方向にあり、雇用は明確に改善」と

 

 

経済音痴の文在寅大統領は16日、「我々の経済は困難の中でも正しい方向に向かっている」と述べ、「2年間にわたり雇用政策を着実に進め、雇用状況が量と質の両面で明確に改善している」と自画自賛した。
しかし、現実は、家計・企業など主要経済主体が苦痛で悲鳴をあげ、国内外の大半の経済分析機関も「韓国経済の暗い未来」を予告している。

韓国開発研究院(KDI)は韓国経済を、6ヶ月連続で「対内外の需要が委縮して全般的に経済状況が不振」と診断した。
ここで需要とは、①企業の投資、②家計の消費、そして③輸出。
輸出は、すでに半導体と石油類を中心に9ヶ月連続で前年比マイナスとなっている。
設備投資も今年に入って▲4.7%減少している。
消費者心理指数(CSI)も92.5(8月)に下がり、家計の消費までが冷え込む兆候が表れている。

今年の経済成長率(GDP)予測値の平均は2.5%(1~3月期)→2.2%(4~6月期)→2.0%(7-9月期)と、3ヶ月ごとに下方修正されている。

成長・消費・投資・輸出のどれ一つ良いものはない。四方に不吉な兆しも見られる。
昨年は第4四半期に政府支出を非生産分野に対し大幅に増やし、昨年の年間のGDPを押し上げて意図的に経済成長させた現実もある。

特に8月の消費者物価は前年同月比0.04%下落し、緊張感は高まった。1965年以降初めてマイナスになった。
政府は「原油安と農産物出荷増加など供給要因による一時的な現象」とし「需要不振で誘発されるデフレーション状況でない」と主張し、問題の根本を見ようともしない。

しかし、すでに世界的に低成長と物価安が「ニューノーマル」になっている。
韓国経済も例外ではない。しかも韓国は米中貿易戦争、輸出規制の日韓貿易戦争という大型貿易戦争の悪材料を露出させている。

いつのまにか
「R(リセッション=景気後退)の恐怖」
「D(デフレーション=物価下落)の恐怖」
が普通名詞化している。
韓国銀行(韓銀)の李柱烈総裁が、「最悪の状況」を想定した非常対策(コンティンジェンシープラン)の準備を指示したのも、こうした危機感のためとみられる。
経済疲弊下、18年19年と続いている最低賃金の大幅上昇や労働時間の短縮による生産コストの大幅上昇、ウォン安による輸入価格の上昇による生産コスト増の2つの大きな物価上昇圧力がありながら、物価の上昇が抑えられており、デフレ傾向を強み、消費の落ち込みは経済指数よりも現実は大きなものになっているようだ。

<<4つの理由ではるかな危険な兆候>>
専門家らは「今回の経済危機は、過去に比べて4つの理由で、はるかに危険な兆候」と口をそろえる。

1、<慢性無気力症+複合骨折>
今回の低成長と物価安は単なる景気循環型サイクルによる調整ではない。
第4次産業革命、
高齢化と生産人口減少、
世界的な供給過剰、
過去最大の家計負債・政府債務
などが複合的に絡んだ構造的な問題。
すなわち、経済成長板が閉じて慢性無気力症が始まったということ。
長くみて60年近く膨張してきた韓国経済が初めて収縮局面に入ったと見られている。

さらに過去の経済危機が、外部の衝撃による打撲傷だったとすれば、今回は内部で起きた複合骨折までが重なった。
低成長、投資減少、消費委縮など全般的な経済エネルギーが枯渇の様相。
政府が過去最大の財政投入をする状況でこうした全方向的な収縮が起きたというのは尋常でない。
韓国が「日本病」に伝染したのではという懸念が強まっている。
すでに、韓国は20年の遅れの差を置いて日本の経済成長率急落、急速な高齢化をたどりつつある。

日本は「失われた20年」の間、低成長・低金利・低物価の「3重苦」を経験した。
低成長よりも怖いのが物価安の恐怖。物価が下がれば、投資をしても利益が残らないため、いくら金利が低くてもお金を借りない。
このため、投資不振→企業の業績低下→雇用不振→賃金減少→家計の消費委縮→低成長というデフレの悪循環に陥る。
日本の経験からみて、ひとまず3低の泥沼に落ちてしまえば「百薬無効」となる。
政府がいくら短期景気浮揚策を出しても大きな効果は得られない。

2、他力本願経済<頼れる国はない>自力更正のみ
1997年の通貨危機当時は米国、日本、欧州、中国の経済が支えた。実際、「金集め運動」は内部のイベントにすぎなかった。
韓国が2年ぶりに通貨危機から抜け出せた本当の原動力は、ウォン安で対米・対中・対欧州輸出が急増した。
2008年のグローバル金融危機当時も同じ。
米経済はふらついて、欧州は財政危機で不安定だった。しかし、中国が経済回復のため中央政府が4兆元(800兆ウォン)、地方政府も合わせ計18兆元(3600兆ウォン)を投入した超大型景気浮揚策で持ちこたえたのが決定的だった。
李明博政権は、米韓通貨スワップ締結を自慢するが、基本的に中国特需で韓国経済はグローバル金融危機を乗り越えることができた。
今回は当時のように頼れるところがない。
世界経済が減速している。
米国と通商紛争中の中国は李克強首相が「もう6%台の高速成長を持続するのは容易でない」と公式的に認めている。

ポール・クルーグマン米ニューヨーク市立大教授は「米中貿易戦争が深刻になれば、中国経済が危機を迎えるティッピングポイントになるかもしれない」と警告している。
欧州経済もフランスだけが一時的な好況を迎えているだけで、ブレグジット(英国のEU離脱)を控えて委縮している。
米国も完全雇用による賃金上昇→家計の所得増加→消費増加→高成長の好循環が途切れる兆しが表れている。
さらに、長短金利の逆転で景気低迷までが予告されると、前例のない異端児のトランプ大統領は米連邦準備制度理事会(FRB)に対して、圧力を加え「政策金利を1%引き下げるべき」とし、「私にはパウエルFRB議長を解任する権限がある」と脅迫している。

保護貿易が強まり、グローバル経済の柱だった世界貿易機関(WTO)と国際通貨基金(IMF)は機能不全に陥っている。
通貨安戦争にも火がつきやすくなっている。
このように生存競争をするジャングルに変わるほど、小規模開放経済の韓国は現実的な接近で生き残りを図る必要がある。
にもかかわらず「二度と負けない」と言って、日本との全面的通商戦争に入っている。

3、企業・労働政策<反対に進む韓国政府>
文大統領は2年以上にわたり所得主導成長と勤労時間短縮、脱原発など反市場・反企業政策を進めている。
しかし、所得主導成長は二極化の深刻化と雇用の減少という副作用をもたらし、革新成長と規制緩和はまともに作動せず、韓国経済は内部からも低迷している。
それでも文大統領は、
「経済体質転換過程の陣痛」
「韓国経済は正しい方向に進んでいる」
「我々の経済は全体的に成功に向かっている」
「フェイクニュースで市場の不安を煽るべきでない」
と述べ、変えようともしない。経済の失敗をメディアによる失敗だと居直る姿を垣間見る。

文大統領が最後かつ唯一の手段として信じているのが財政。超スーパー予算で財政投入を乱発している。しかし、財政支出効果は急減している。
国会予算処は、財政投入を1兆ウォン拡大する時、国内総生産(GDP)が増える規模が2014年の8000億ウォンから2017年には5600億ウォンに減少したと警告している。経済波及効果をもたらさない非生産的な分野への支出が増加していることにある。

就業者増加数も30%ほど減少。
こうした現象について専門家らは「過去には財政を投入すれば、その資金は国内市場で動いたが、今は開放度が高まり多くが海外に逃げるため」と分析する。
日本も失われた20年の間、構造改革と体質改善は進められず、財政投入という政策ばかりを乱発し続けて大失敗し、巨額財政赤字を演出している。

4、雇用<解決法はあるが実行は難しい>雇用増判断は知能的詐欺
文大統領は「8月の雇用率が最高」と自慢、増えた就業者45万人のうち60歳以上の高齢者が39万人で86%を占めている。税金で高齢者のアルバイトを量産し、失業率の低下、雇用増を政府が作り出したもの。それで量も質も明確に改善されたと自画自賛している。
韓国マスコミにはフェイクニュースだとタタキ、トランプ米大統領の手法を真似たのか自らはフェイクニュースを流し続けている。

雇用が最悪だった昨年8月のベース効果による錯視現象も無視できない。
金広斗西江大名誉教授は「政府が、統計を選別的に利用して国民向け広報用として活用するのは、知能的詐欺ともいえる」と警告した。

危機意識さえあれば経済危機はないという言葉があるが、韓国の文政権は自画自賛し、自ら危機意識を解除させているのが問題。
今からでも現実をありのままに冷静に見つめなければいけない。政策当局が市場の信頼を一度失えば、後に経済危機が迫った時に打つ手がない。

5、経済<経済危機に対処する解決法はすでに出ている>
KDIと韓銀は報告書で、
「成長潜在力を拡充するには、経済全般の構造改革を通じて生産性を向上させる必要がある」
「各種規制と参入障壁を緩和し、労働改革と先制的な構造改革で資源の効率的配分を誘導しなければいけない」
と促した。
韓国経済学会は「反市場・反企業政策から画期的に転換し、市場と自由競争を信じるべき」と指摘し、容易な解決法だが、(文政権では)実行が難しいのが問題としている。

大韓商工会議所の朴会頭は9月18日、
「国民の暮らしそのものである経済が下降しているというのに、それよりもっと重要な政治・社会問題などあるのか」。
「自由な市場の力を復元するには、企業のプラットホームを改革すべきだが、角逐戦になっていくグローバル環境下、企業は旧時代的法と制度に手足を縛られ身動きが取れずにいる。企業の未来のための投資活動も不振であるのは閉鎖的な規制環境のため」と批判した。
以上、

今日の経済は「正しいほうに向かっている」という認識を示し自画自賛し、国民経済の現状から離れるばかりの文在寅大統領、過去の清算に政権をかけ、国内の積弊清算では「民心は法の上に存在し唯一無二の力なり」として力で実現させたろうが、対日の歴史清算では「国際法を遵守せよ」と反撃に遭い、文政権はここでも「民心」を総動員させているものの、国内とは異なり、力でねじ伏せられるものではなく、その限界に直面している。

文大統領自らが「(戦前の)親日派の残滓清算」を国民に対して呼びかけ扇動、文政権自身が日本企業284社に対して戦犯企業だとレッテルを貼り、それに呼応する形で、与党の共に民主党の道知事や市長が率先し、共に民主党が圧倒する地方議会の決議により、戦犯企業からの購入制限、戦犯企業だとする庁舎の製品に対して戦犯シールを貼るなど、自己満足の手段を講じさせ問題をエスカレートさせ続けている。
それも7月からは、日本の3品規制を最大のチャンスだとして、傘下の市民団体や労組を使い韓国民を煽り、ボイコットジャパンに結実させ、議会の動きも加速させた。
しかし、感情そのものである民心、操れる民心、相手の日本政府からは「国際法遵守を求められ、相手にされなく」なっている文大統領は、その先に何を描いているのだろうか。

そこに登場させたのが「検察清算」、「検察改革」と美名を冠し、実態は「検察の『捜査権』剥奪」。文大統領の側近(慶尚南道の金慶洙知事/実刑判決/控訴中)や与党重鎮(忠清南道の安熙正前知事/実刑判決確定)、文在寅氏の妻のお友達の孫惠園議員の不動産買占め事件(離党/捜査中)、つい最近では、文大統領が側近のチョ・グク前民情首席秘書官を法務長官に指名、ところが不正疑惑が山のごとく噴出、妻が起訴される中、文大統領は長官任命を強行、さっそく文-チョ氏は「検察改革」に取り組む姿勢を強調した。

チョ氏は自らへの疑惑追及を即中止させるべく、検察から捜査権剥奪の法改正を早期に実現させるべく、すでに与党と協議に入っている。

文大統領は、本来あるべき法支配の司法の検察・裁判から、民心司法に切り返させ民心裁判、さらに、駒を進め私的司法機関に変身させる動きをしている。
それこそが疑いようのない権力の独裁。
邪魔者は消し、その先に実現可能な韓国の姿として何を設定しているのだろうか。

 

[ 2019年9月20日 ]

 

 

 


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