アイコン イラン外相 韓国がイラン人の食物と薬を買うお金を奪ったと


イラン外相が韓国内のイラン凍結資産問題に対し、「韓国がイラン人の食べ物と薬を買うのに使うお金を奪った」と批判した。

イラン政府ホームページによると、同国のザリフ外相は20日、「韓国が米国の命令によりイランの資産を差し押さえた」と主張した。

ザリフ外相は続けて、「韓国の役人らに『あなたたちがイラン国民の食べ物と薬を買うのに使うべき資金を凍結した。これは米国の命令によりイラン国民の食べ物と薬を奪ったもの』と話した」と付け加えた。

ザリフ外相は「韓国は今回のことが今後韓国に対するイラン国民の態度に影響を及ぼすことをわからなければならない。結局このゲームで敗者は韓国と韓国の産業になるだろう」と話した。

米国の制裁により韓国で凍結したイランの原油代金は70億ドルと推定されるほかに韓銀供託の輸入準備金10億ドルも別途ある。
米トランプ政権は2018年5月にイラン中央銀行を制裁リストに上げ、韓国の銀行口座を通じた取引が中断された。イラン政府はこの凍結資金を解除するよう要求してきた。
以上、

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オバマ政権時代にイラン制裁が発動されたとき、ドルでの輸出入禁止に対し、韓国が抜け駆けとして編み出した原油代金の韓国内でのプール、その資金から相殺することによって韓国はイランに輸出をし続けた。その後、オバマ政権時の2016年1月、欧米主要6ヶ国でイラン核合意に達し、制裁は解除されたものの、韓国資金はそのままプールされ運用されてきた。

しかし、2017年1月トランプ政権になり、イラン制裁をする動きがあったにもかかわらず、韓国は資金をイランに返さず、2018年5月に米制裁が執行され、韓国内でイラン資金が凍結され今日の問題となっている。
イラン側は米制裁自体を認めておらずイラン側から動くこともなかった。韓国内のイラン資金は米制裁による凍結資金としては最大とされている。

今回の問題もトランプ政権でさえ、イランの新コロナワクチン購入(WHOの共同購入機構からの購入)に一部当てることで韓国側に承認を与えている。
しかし、その決済につき、ドル資金に転換するため共同購入機構への支払いが米銀経由となる過程があり、韓国政府は米銀による差し押さえも含めて、当然承認をもらうべきであるが、それをせず、イラン資金の預金がある韓国の銀行も差し押さえられたときの保障をしないとしているため、ワクチン購入もままならなくなっているもの。

バイデン政権になり、今後、ワクチン購入に対しては、人道的に制裁措置を解除しようが、70億ドルのうち10~15億ドルしかならず、残り50億ドル以上は韓国に残ったままとなる。

イランは核合意で濃縮ウランの製造を中断していたが、トランプ制裁を受け、再び製造に動き出し、年初には20%の濃縮ウランを製造するとIAEAに通告している(一応、医療用アイソトープ用としている。核爆弾には純度を増し続け90%以上の濃縮ウランが必要)。

バイデン米大統領もそうしたウラン濃縮をすべてイラン側が止め、放棄しなければ制裁解除は難しいなか、韓国とイランとの問題は、再びイランが核合意に達しなければ解決しない。

また、イランはバイデン政権の対イラン政策も見えず、再びトランプ政権が誕生すれば合意したとしても破棄されることから、トランプ弾劾などの様子を見るものと見られる。

韓国籍タンカーの拿捕事件はその延長線上にあり、バイデン政権となったとしても50億ドル以上の凍結解除は当面難しい。

イランは革命防衛隊の司令官(昨年1月)と核開発の筆頭科学者を暗殺(昨年11月)されており、それに対する米国への反発も強く、イラン側も軟化できない国内事情もある。

韓国は、バイデン大統領によるイランのワクチン購入の米銀含めた特別認可する際、拿捕タンカーの開放を条件にするしかない。

韓国とイランは貿易面で強いつながりを有していたが、文大統領はトランプ政権がイラン制裁する前に中東歴訪を行ったものの、イランへは訪問していなかった。そうしたことからもイランは韓国に何も望めようもなく、米貿易制裁と新コロナで打撃を受けている財政事情に加え、イラン国民向けに韓国に対して銭返せと強度を増し主張しているものと見られる。

 なお、韓国籍タンカーの拿捕事件はイランの革命防衛隊が実行している。
イラン政府軍とは異なり、シーア派原理主義のハメネイ最高指導者の直属部隊の革命防衛隊である。
オバマ政権は、イラクにおける最後で最大のIS拠点モスル(イラク第2の都市)のイラク政府軍の攻撃では、米軍は空からの攻撃はするものの陸軍部隊を送らず、イラク政府軍は非力であるため、イランに協力要請し、代わってイランの革命防衛隊が参戦してモスルを陥落させていた。
トランプ政権はそうした経緯はまったく関係なく、イスラエルの敵は米国の敵としてイラン核合意を一方的に破棄し、強力な米制裁を執行して今日に至っている。

[ 2021年1月21日 ]

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