佐賀県知事選が面白くなってきた
今月11日投開票の佐賀県知事選がガ然、面白くなってきた。
当初は自公が推薦する前武雄市長の樋渡啓祐氏(45)の圧勝とみられていたが、「年末には対抗馬の元総務省官僚、山口祥義氏(49)との差が数ポイントになり、完全に尻に火がついている」(地元の選挙関係者)といわれている。
この選挙を落とせば、滋賀、沖縄に続き、知事選3連敗になる安倍政権はもう必死。
菅官房長官、三原じゅん子女性局長、河野太郎衆院議員、佐藤正久参院議員、稲田朋美政調会長、谷垣禎一幹事長と、大物を次々に投入しようとしているが、引き離せない。というか、やればやるほど、地元の反発を買っているような状況。
「そもそも、候補者擁立からして、中央主導で地元無視。“佐賀をなめるな”と言われているんです。前知事の古川康氏が突然、知事職をぶん投げ、衆院選に出馬したうえ、樋渡氏は古川氏の総務省の後輩です。菅官房長官がポロッと口を滑らしていましたが、樋渡氏は古川氏の後継指名、禅譲のようなものなんです。 その古川前知事は辞める直前、佐賀空港へのオスプレイ受け入れに前向きな発言をした。 樋渡氏は、<前知事の発言を重く受け止める>と明言しています。これでは地元の反発も当然ですが、自民党は分かっていない。中央から大物を送り込めば勝てると思っている。とんだおごりであり、勘違いです」
■“敵”をブログで徹底攻撃
「地元の多くの首長」や「県議」、「農協」、「有明海漁協」などは、山口氏の支援を表明。山口氏は「中央対地方の戦いだ」と訴えている。
自民党は青ざめているが、もう一つ、樋渡氏が苦戦している理由がある。
「佐賀の橋下徹」と呼ばれるほど、攻撃的で、敵が多すぎるのである。「敵と味方を峻別し、敵には、ブログなどで徹底的に攻撃するのが特徴です。新聞記事に文句をつけ、朝日記者を名指しで批判したこともあります。そんな樋渡氏の実績は、最年少市長になると、市立の武雄図書館にTSUTAYAやスタバを入れて、来場者を100万人に増やしたことですが、そのために子供用スペースが潰された。公共性より商業主義の人物で、顔をしかめている行政関係者は大勢います」
以上、日刊現代
知事選では前武雄市長の樋渡啓祐氏(45)が出馬表明したものの、自民県連内には樋渡氏を推す声がある一方、一部幹部や業界団体には樋渡氏への反発があり、対立候補擁立の動きが出ていた。山口氏が立候補すれば自民の分裂選挙となる可能性が高い。
<樋渡氏はオスプレイ基地誘致容認派>
古川氏が、佐賀空港の地元の佐賀市長(オスプレイ慎重派)をさて置き、辞める直前の記者会見でオスプレイ容認と取られる発言を行うなど、既に県民からも嫌われ者となっている。
樋渡氏は結局武雄市より、県知事を選択したが、手柄は全部自分のもの的な人であり、目立つことをこよなく愛する人。しかし、フェイスが今二つ、感情的なところも気になる。
このまま樋渡氏が当選すれば、地元に関係なく、これまでの強引な性格丸出しで、オスプレイ基地を誘致することだろう。それが、古川知事の後継者樋渡啓祐への伝達だったからだ。
<山口祥義略歴>
現在、JTBへ官民交流派遣中。
平成23~24年度 総務省地域力創造グループ過疎対策室長。
内閣官房安全保障・危機管理室参事官補、
内閣府跡地対策促進室長(沖縄)、
消防庁広域応援対策官などを歴任。
また、その間、鳥取県観光物産課長・商工労働部長、
長崎県総務部長など地方経験も豊富。
平成23年度は、東京大学教授(地域政策)を併任。
地域活性化伝道師。
<著書・論文>
「集落活性化への3つのポイント」
「学校と地域の連携」
「図解 わかりやすい固定資産税」(著)
「危機管理の要諦」
「国の危機管理と地方公共団体」
など、論文、講義録等多数。
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