アイコン 成田空港/3月決算 好調持続 非空港部門の業績拡大続く

今や上得意客を羽田に取られ、国際ローカル線のようになってしまった成田、しかし、ローカル空港同様、活路をLCCに見出し、リテール事業にも力を入れ業績をアップさせている。

成田国際空港会社(NAA)が15日発表した2015年3月期連結決算は、訪日客の増加に伴う店舗収入の伸びで売上高に当たる営業収益が前期比1.8%増の2,031億円と、04年の民営化以来、初めて2千億円台に乗せた。
純利益は▲1.4%減の196億円で、最高益だった前期に次ぐ2番目の多さ。全収入に占める非航空系事業の割合は53%に上昇した。

空港運営事業の営業収益は▲4.3%減の1,023億円。航空機発着は微増したが、格安航空会社(LCC)などの近距離・小型機路線の比重が高まり、機体重量に連動する航空会社からの空港使用料収入が▲3.7%減で、国際線旅客からの施設使用料も、羽田空港への移行や円安による日本人旅客の落ち込みで▲5.1%減った。同事業の営業利益は▲40.4%減の47億円だった。
一方、店舗物販分野のリテール事業は、円安や訪日ビザの緩和を追い風に、購買意欲が旺盛な中華系をはじめとした外国人旅客の利用が増え、店の増床刷新効果も加わり、営業収益が14.3%増の669億円。営業利益は13.4%増の201億円と増加した。
 
成田空港によると、リテール事業などの非航空系収入の割合は04年度に34%だったが、年々上昇し、今回、航空系収入を逆転したと説明している。

 15年度の成田の航空取扱量見通しは、発着回数が14年度比2.8%増の23万5千回で、旅客数は1.8%増の3,595万人。うち、国際線旅客は日本人が4%程度の減少継続を想定する半面、外国人は9%程度の続伸になるとしている。

 16年3月期通期の連結業績予想は、訪日客による店舗売り上げが牽引を続けるとみて、営業収益が3.7%増の2,106億円。純利益は2.7%増の202億円と最高益を見込んでいる。
 NAAの夏目誠社長は、店舗分野の一層の強化とともに、就航希望の多い時間帯の発着処理能力向上に意欲。着陸機が迅速に滑走路を離れることで1時間の最大発着を今の68回から72回に増やす「高速離脱誘導路」の増強整備を、16、17年度の2ヶ年で完了する考えを示した。
以上、千葉日報参照

[ 2015年5月19日 ]
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