東工大物質理工学院材料系の河村玲哉修士課程２年、宮内雅浩教授、筑波大の近藤剛弘准教授、Nguyen Thanh Cuong（ニュエン タン クオン）研究員、岡田晋教授、高知工科大の藤田武志教授、東大物性研究所の松田巌准教授らの共同研究グループは、ホウ素と水素の組成比が１：１のホウ化水素シート（＝ボロファン）が室温・大気圧下において光照射のみで水素を放出できることを見出した。

ホウ化水素シートはもともとボロファンという名で理論的に存在が予測されていた二次元物質で、２０１７年９月に本研究グループが初めて合成に成功していた。

ホウ化水素シートは、軽元素のホウ素と水素からなり、その質量水素密度は８%以上と極めて高く、爆発のリスクある水素ガスボンベに代わる軽量で安全な水素キャリア（水素を 貯蔵・輸送するための担体。高圧水素ガスボンベ、液化水素、アンモニア、有機ハイドライド、水素吸蔵合金など）としての応用が期待されていた。