アイコン 武漢パニック 発熱者 診察も受けられず 路上に死体も

 

 

新型コロナウイルスによる肺炎の発生地、中国・武漢で30日、マスクを着けた白髪の男性が、買い物袋を片手に提げたまま路上に倒れているのを、現地で取材に当たっているAFP記者らが目撃、男性は亡くなっていた。
人口1100万人の工業都市である武漢の通りは、普段は混雑している。しかし、現在交通が遮断されており、付近には数人の通行人しかおらず、倒れた男性のそばには誰も近寄ろうとしなかった。
AFP記者らが男性の遺体を目撃したのは30日朝。程なくして、全身防護服を身に着けた警察と医療関係者らを乗せた緊急車両が到着し、運んで行った。
60代と見られるこの男性がどのように亡くなったかは確認できず、死因は不明ながら、見守っていた住民は、武漢コロナウイルスに感染しての死亡ではないかと述べている。

現在の武漢の病院は、風邪なのか、感染者なのかも不明のまま発熱者の患者で溢れているにもかかわらず、病室は満杯、発熱患者の対応もできない有様。医療機器も、薬剤も、消毒薬も、医療用具(防護服、N95マスクなど)も不足し、検査キットなどは言うに及ばない。

医師も看護師たちも診察に追われパニック状態、数週間帰宅もせず、病院に寝泊りしながら、患者に対応している。

武漢には、すでに多くの医師が全国から召集され、中国軍の医療部隊も投入されているが、患者数に対する医療施設不足により対応できないのが実情。

2日には1000室の緊急病院が開設された。5日にも1000室が完成するという。しかし、武漢ウイルスは、すでに全国へ拡散しており、患者数の多い都市でもその対策に追われている。

23日に武漢は封鎖されたが、1100万都市からは、封鎖前にすでに500万人が離れたとされ、そうした人たちの中には、武漢の病院が満杯で入院することもできない病気の人たちも離れており、感染を拡大させているものと見られる。
ましてや感染者の中には発熱や肺炎を発症しない人たちもおり、そうした感染者も感染を拡大させているようだ。

大都市や工業都市は春節で帰郷していた人たちが職場に戻ることから、そうした地での感染拡大も危惧されている。

そのため中国政府は2日まで春節休暇を延長、さらに9日まで工場などの稼動を見合わせるよう企業に対して要請している。
ドイツでは、未発症の中国女性が中国からドイツ本社の会議に出席、会議に参加していた本社の男性が感染、その男性から同僚3人が感染するという事態に至っている。中国女性は会議を終え、帰国途中に発症したという。この女性の郷里の武漢の両親が、上海の娘の女性宅を2週間前に訪問していたといい、両親から感染したものと見られている。

初期対応、
地元医師たちによると、11月ころから患者が多くなり、医師たちの間では新型ウイルスが懸念されたという。しかし、市や当局、病院が隠蔽し、情報もコントロールされた。新型ウイルスの疑いがあるという、当局と病院などで情報が共有されたのは12月30日、通知メールが漏れ発覚、1月8日に年末までに新型と見られるウイルスに59人が感染していると、当局は初めて公式発表、10日には死亡者が出たと発表もされた。

ところが、市幹部たちは新年の共産党などの全国大会の準備に、ウイルスどころではなく、20日まで情報は途絶えた。20日になり、感染が拡大していることが公表され、その後は報道のとおり、爆発的な感染拡大を招いている。

武漢市は実質封鎖され、車も人通りも途絶えている。感染拡大の防止に当たっているが、病院の状態はパニック状態が続いている。当然、風邪などで発熱した人たちも病院に押し寄せ、感染者から病院で感染していることもあろうか。

↓武漢の大通りの路上に倒れていた死人(30日の朝)/右は病院内受付付近
武漢の大通りの路上に倒れていた死人(30日の朝)/右は病院内受付付近
 
↓人影まばらな武漢市内
人影まばらな武漢市内

 

<2月1日現在の感染者数>
中国の保健当局が発表した31日現在の感染者数は、1万4,380人、死亡者数は304人、重傷者数は2,110人。感染者が前日より2,590人増加した。
(なお、この中には、感染の有無が不明のまま死亡し、即日火葬された人たちは感染者数にも死亡者数にも含まれていない。死者数は数百人に及ぶ可能性がある)

<海外>
31日現在、感染が確認された中国以外の26ヶ国と地域で感染者数は156人。
●タイで19人
●日本で17人、
●シンガポールで16人
●香港で13人
●韓国で12人
●台湾で10人
●オーストラリアで9人
●マレーシアで8人
●アメリカで7人
●ドイツで7人
●マカオで7人
●フランスで6人
●ベトナムで5人
●UAEで4人
●カナダ、イタリア、イギリス、ロシアで各2人
●ネパール、カンボジア、スリランカ、フィンランド、インド、フィリピン、スウェーデン、スペインで各1人となっている。
以上、1月31日現在、
2月1日現在での海外感染者数は175人。フィリピンでは中国外で初の40代の中国人男性の死亡が確認されている

2月1日現在、チャーター機計3便で帰国した日本人の計565人のうち感染者は8人、感染確率1.3%。日本の感染者数は計20人となっている。
武漢の人口は1100万人、武漢では最低でも20万人あまりが感染していることになる。検査キットが大幅に不足し、検査も受けられず死亡している人たちが大勢いるが、感染者数には当然含まれていない。
武漢は主な交通は遮断されているが、ローカル道路は一部通行可能で、市外へ脱出している人たちも多いという。そうした人たちも感染者の可能性は捨てきれない。

中国政府は、春節休暇を2月2日(元々1月24日から30日)まで延長すると発表しているが、3日から動き出す。
感染が拡大しなければよいが・・・。
省や特別市によっては工場再開を9日まで稼動禁止を全企業に通達している。
特に湖北省の場合は13日午後12時まで工場稼動禁止措置を発表している。

各製造業のサプライチェーンもグローバル化した現在、今回の武漢ウイルス中国パニックは特に自動車産業に与える影響が大きい。工場再開時期も「現在のところの設定日」である。

<ワクチン>
ウイルスが分離され、ワクチン開発の可能性が出ているが、SARSでも中東コロナでも同じコロナウイルス族でもまだワクチンは開発されていない。
武漢ウイルスでは、感染しても発症しない人たちがおり、発症した人たちの遺伝子情報を照合すれば、ワクチンの道が開けるかもしれない。
そうしたワクチン開発のためにも、あらゆるシミュレーション情報が早期に取得できるAIと量子コンピュータを融合させた機器やソフトの開発が待たれる。

人や国家がいくら偉そうにしても、異常ではなくなった異常気象・大災害には無力、自然の中に潜んでいるウイルス一つ退治できないのが、奢り昂ぶる人や為政者たちの地球号であろうか。

[ 2020年2月 3日 ]

 

 

 


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