クルーズ船隔離の問題点 ダイヤモンド・プリンセス号 武漢コロナ
横浜発着の3711人乗りのクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号、
1、乗組員に感染者が出ていること。
香港当局1日深夜に香港下船の香港人の感染確認発表、2~5日、厚労省当局がクルーズ船に対して5日防疫体制強化を勧告するまで、船客は通常通りの船内行動、イベント開催やビュッフェスタイルの食事であったこと。
感染者の乗組員が料理作ったり、配膳したりしていた可能性も否定できない。
現在でも同じだが、食事は直接接触はなくしているものの、部屋の前に置く配膳係が感染していない保証もない。
売店やクリーニング等各種サービスは乗組員を活用して行われている。その乗組員が感染していれば、感染者を拡大させた可能性もある。
未発症の感染者が会話や食事、トングなど食器類での感染させた可能性
防疫体制強化でも、
冊子や壁、手摺、ドアノブ、共同トイレなどウイルス付着を全部消毒除去するのは不可能。
手摺などでどのくらいウイルスが生存できるかも分かっておらず、生息環境によっては長期間に及ぶこともありえる(韓国MERSは初夏、病院のダクト内に1ヶ月ほど生息していたことが判明していた)。
感染者がこれほど多いという前提が日本当局になかったこと。後手後手の対応がこれを如実にあらわしている。感染判明者40人を船内から病院へ運び出すのに8時間もかかっている。
感染者がさらに感染することも感染させることもなく、一度に多くの人を搬出できなかったのかの疑問。
検査は熱が出なければ、咳などの症状があっても今だ受けられないこと(16日現在)。
まだ検査を受けていない熱が出ていない感染した乗組員が<いる可能性も否定できない。
厚労省の検査体制の脆弱性を世界へ露見。
夫に熱が出て陽性と判断されたものの、24時間共にしている妻は熱が出ていないことから検査さえ受けられない現実(16日現在)。妻が感染していた場合、第3者を感染させるリスクも否定できない。
少しでも咳や倦怠感など発症していれば、熱がなくとも検査の上、早期隔離・早期治療が何より大事だろうが、16日に至ってもそうした大量の検査を行える態勢にない。
中には症状も出ず感染させている人たちもいる。
検査体制もないのに、船内隔離を考えることの方が傲慢で恐ろしい。
以上、まだ船内には感染を拡大させるウイルスが山ほどある。そうした中で隔離である。
ウイルスは見えないことから、最悪のケースを常に検討事項に入れておくのが当然だろう。
船内隔離をするならば、間では乗組員の全員調査が必要ではなかったのだろうか。
<コンサートは危険>
今だコンサートなど開催されているが、咳や倦怠感の症状はないのか、熱がないのかのアンケート調査のうえ会場に入れているのか、主催者側はお客に対してセンサーで熱検査をしているのか、・・・すべてノーであろう。
感染者1人でも入っていたら、確実に感染を急拡大させることだろう。
開催を自粛させるのが一番だが、そうしたことを政府や自治体が行わせることでも少しはリスクが減るだろう。
スポーツも同じことが言える。狭い空間のスポーツ会場ならばなおさらだ。
当然、発生している都道府県とそうでないところでは、対応は異なる。
ダイヤモンド・プリンセス号 乗船客国籍 2月16日現在
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国籍
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乗客数
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備考
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日本
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1,281
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←厚労省公表
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米国
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425
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チャーター便で17日帰国へ
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香港
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470
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チャーター便計画
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英国+カナダ
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255
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カナダ・チャーター便計画
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ロシア
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24
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←ロシアの報道
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台湾
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20
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イスラエル
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15
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ニュージーランド
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14
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韓国
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14
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←韓国の報道
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その他
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148
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以上、乗客数計
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2,666
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乗組員計
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1,045
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国籍不明
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合計
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3,711
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感染者(上陸・指定病院)
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355
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2月15日現在
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80歳以上下船
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11
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現在の乗船者数
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3,345
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・台湾・韓国・ロシア報道等参考
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・2月17日、米国はチャーター機を派遣して17日帰国させた。発熱者などはチャーター便で帰国させず日本で治療させる。425人の米国人、44人は感染入院中、検査前で症状の出ている人約30人はチャーター機に乗れなかった。結果約340人で帰国した。
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・イタリアもチャーター機を飛ばすという。
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日本が断ったクルーズ船の寄港をカンボジアは認め、カンボジア国内にはとどまらせず、全員を通常便の国際線飛行機で帰国させた。早速、当該船から帰国した米国人の感染が米国で確認されている。
日本もカンボジア並みの検査体制しかなく、発熱者以外、クルーズ船客を出身国にチャーター便を出させて帰国させることもあったのではなかろうか。
[ 2020年2月17日 ]