アサヒフード破綻にみる「現場フード」ビジネスの限界
大規模工事現場や物流拠点向けに売店・食堂を展開していたアサヒフード(株)(宇都宮市)が10月末で事業を停止し、自己破産申請の見通しとなった。負債は約31億円。業容拡大のスピードに資金管理が追いつかず、わずか数年で急成長から破綻に転じた格好だ。
同社はゼネコン現場内の「売店・食堂空白地帯」にいち早く着目し、食事や日用品をワンストップで提供する独自モデルを確立。2020年の年商約10億円から、2025年には約76億円へと急拡大していた。背景には、建設ラッシュや物流現場の24時間稼働化による“現場内食”需要の増加があった。
だが、現場の契約単位で動くこのビジネスは、現場閉鎖や工期の変動に左右されやすい構造的リスクを抱える。出店と撤退のサイクルが早く、設備投資や人件費の固定負担が経営を圧迫。さらに、原価上昇と人手不足が追い打ちをかけた。アサヒフードは拡大局面で金融依存を深めたが、景気変動の波に耐えられる“資金クッション”を築けなかった。
同社の破綻は、建設・物流業界に根付く「現場支援フード」ビジネスが転換点を迎えていることを示す。現場食堂は単なる福利厚生ではなく、生産性を支える重要インフラだ。だが、現場ごとの契約制と短期稼働型の収益構造では、持続的な経営基盤を築くのは難しい。
今後は、ICTによる発注管理や共同運営モデルなど、現場の“食”を効率的に支える新たな仕組みづくりが不可欠だ。アサヒフードの破綻は、拡大だけでなく「持続可能な現場運営」のあり方を業界に問いかけている。





