アイコン 池田温泉、再出発へ──倒産した委託先の撤退で新レイアウト公募開始 再建なるか


岐阜県池田町の町営温泉「池田温泉」が、閉鎖中となっていた飲食店などの再開に向け動き出した。運営を委託されていた地元企業「たち川」が今年7月に突然営業を停止し、10月には岐阜地裁から破産開始決定を受けたことで施設の一部が使えない状態が続いていたが、同社が年内にも施設の使用中止を届け出る意向を示したため、町が来年1月以降にスペースを再び利用できる見通しとなった。

池田温泉はこのタイミングを捉え、新館の改修に向けたフロアレイアウト案の募集を今月1日から開始。日比良幸総支配人は「来場者が癒やされる空間をつくりたい。自由な発想で提案してほしい」と語る。

 

スポンサーリンク
 
 

背景には温泉施設の厳しい経営状況がある。池田温泉は2018年度以降、赤字が続き、町はプロジェクトチームを立ち上げて再建策を模索してきた。一方で、委託先のたち川は新型コロナ禍で一時苦境に立たされたものの、国の旅行支援策などで客足は回復していた。しかし、超円安政策に伴う物価高と旅行クーポン終了による観光需要の落ち込み、原材料費や光熱費の高騰が重なり採算が悪化。借入負担の増加もあって資金繰りが限界に達し、破産に至った。

町営温泉施設の直営と民間委託のバランスは全国の自治体が抱える課題だが、委託先の倒産によって町が直接影響を受ける構図が浮き彫りになった。ただ、スペースが町に戻ることで新たな手を打てるようになった点は、再建にとって好機とも言える。

今回のレイアウト変更は単なる模様替えではなく、温泉館内に新たな消費や回遊性を生み出せるかが問われる。町が掲げる黒字化の実現には、温泉単体の魅力だけでなく、地域の特産品販売や観光導線づくりなど、広い視野での再設計が求められる。

地方観光の回復はまだら模様が続く。コスト高と需要変動の波に揺れる中、池田温泉の再出発は、自治体運営の観光施設が持続可能な形を模索するうえで一つの試金石となりそうだ。

 

倒産当時の記事
追報:(株)たち川/破産手続き開始決定 <岐阜>

[ 2025年12月10日 ]
スポンサーリンク
  

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧