規制が相場を動かす段階へ シティが示す暗号資産「成熟相場」への転換点
米金融大手のシティグループが、ビットコインとイーサの12カ月先価格について強気の見通しを示した。背景にあるのは、米国を中心とした規制環境の変化だ。価格予測そのもの以上に注目されるのは、暗号資産市場が投機主導から制度・実需主導へと移行しつつあるとのメッセージである。
シティは、普及を後押しする規制整備が進むことで、機関投資家の参入が加速し、資金フローが拡大すると分析する。ドナルド・トランプ米大統領がデジタル資産支援を明確に打ち出す中、これまで最大のリスク要因だった「ルールの不透明さ」が薄れつつある。これは暗号資産を一時的な投機対象ではなく、金融資産として評価し直す動きを促す。
もっとも、楽観一色ではない。11月にはテック株高への警戒感からリスク回避が強まり、仮想通貨市場は急落した。ビットコインを戦略的財務資産として大量保有するストラテジーが、価格下落を理由に業績見通しを下方修正したことは、ボラティリティの高さを改めて印象付けた。
それでもシティは、最近の調整局面を「健全化」と捉える。価格が過度な期待から乖離し、ユーザー活動などの統計的価値指標に近づいていると指摘。投機色が後退し、ファンダメンタルズを反映する相場に移行しつつあるとの見方だ。強気・弱気シナリオの幅が大きい点は変わらないが、価格形成の軸が変化していることは確かだろう。
暗号資産市場は今、「上がるか下がるか」を競う段階から、「どの前提で評価される資産か」を問う段階に入った。規制と実需がどこまで相場を支えられるか。今後1年は、その成熟度が試される局面となりそうだ。





