【教育】オンライン家庭教師「メガスタ」運営のバンザンが破産 売上30億円規模でも資金繰り悪化
オンライン家庭教師サービス「メガスタ」を展開していたバンザンが破産した。売上高は約30億円規模に達していたとされるが、急拡大路線の歪みが表面化し、資金繰りが行き詰まった。教育業界、とりわけオンライン塾市場に与える影響は小さくない。

■ 売上拡大の裏で膨張したコスト
オンライン指導は教室賃料などの固定費を抑えやすいモデルとされる。しかし同社は上場を視野に事業拡大を急ぎ、広告宣伝費を積み増した。少子化で生徒獲得競争が激化する中、Web広告の顧客獲得単価(CPA)は上昇。売上は伸びても利益が残りにくい構造に陥った。
さらに、リモート主体の事業でありながら都心のオフィス拡張を進めるなど、固定費負担も拡大。成長戦略と収益体質のバランスを欠いたことが重荷となった。
■ 前受金依存が資金繰りを圧迫
2023年から2024年にかけて前受金が急増したとされる。授業料の長期一括前払いは、短期的にはキャッシュを確保できるが、新規契約が鈍化すれば一気に資金が枯渇するリスクを抱える。将来の売上を前借りする形で資金を回していた可能性があり、典型的な自転車操業の様相を呈していた。
■ SNS時代の「信用崩壊」
講師への報酬未払い問題がSNS上で拡散したことも痛手となった。オンライン型ビジネスでは口コミの影響力が大きく、信用低下が即座に新規契約減少へ直結する。資金繰り悪化と信用不安が同時進行し、再建余地を狭めたとみられる。
■ 業界全体の構造課題
オンライン塾は全国規模で競争が発生するため、集客コストが高騰しやすい。加えて、優秀な講師確保のための報酬引き上げ圧力も強い。仲介型モデルでは「授業料と講師報酬の差」が可視化されやすく、社会的な批判リスクも高まっている。
過去の英会話業界でも問題となった長期前払い制度については、消費者保護の観点から再び議論が強まる可能性がある。
■ 今後の視点
今回の破産は、規模や知名度だけでは経営の持続性を保証できないことを示した。利用者側は財務の健全性や支払い条件を慎重に確認する必要がある。一方、事業者側も過度な拡張より収益構造の安定化が求められる。
オンライン教育市場は成長余地を残す一方、競争と信用リスクが交錯する局面に入っている。今回の事例は、その転換点を象徴する出来事といえる。





