Switch 2絶好調でも株急落 任天堂決算に投資家が冷めた理由

任天堂決算に透ける「成長の壁」と市場の本音
2026年2月3日に発表された任天堂の2026年3月期第3四半期決算は、数字だけを見れば文句のつけようがない内容だった。売上高は前年同期比約2倍の1兆9,058億円、純利益は51.3%増の3,588億円。新型機「Nintendo Switch 2」が、同社の業績を一気に押し上げた形だ。
しかし、翌4日の株式市場では株価が一時9%超下落。好決算にもかかわらず、投資家は冷静、むしろ厳しい反応を示した。背景には、2つの明確な懸念がある。
上方修正なき決算が生んだ失望感
最大のポイントは、通期業績予想と販売計画が据え置かれたことだ。
Switch 2の通期販売目標は1,900万台。そのうち12月末時点で1,737万台を販売し、進捗率はすでに91%に達している。数字だけを見れば、上方修正があっても不思議ではない。
だが、会社側は慎重姿勢を崩さなかった。投資家の目にはこれが「会社自身が成長の持続性に慎重になっている」と映り、期待先行で積み上がっていた株価の調整を招いた。
利益率低下とコスト増という現実
もう一つの懸念は、収益構造の変化だ。売上総利益率は前年同期の59.1%から37.4%へと大きく低下した。
新型機発売初期は、ソフトよりもハード売上が先行し、利益率が下がるのはある意味で想定内だ。ただ、記者会見で言及された半導体メモリー価格の高騰は無視できない。高性能化が進んだSwitch 2では、部材コスト上昇が来期以降の収益を圧迫するリスクとして強く意識され始めている。
それでも揺るがない「任天堂の強さ」
一方で、悲観一色になる材料ではない。『マリオカート ワールド』は1,403万本を販売し、ソフトの牽引力は健在だ。さらに、年間配当予想は181円と大幅増配を維持し、株主還元姿勢も明確だ。
短期的には「材料出尽くし」と「コスト懸念」で調整局面に入った可能性が高い。ただ、Switch 2が過去最速ペースで普及している事実は変わらない。2~3月の新作ソフト投入、4月公開予定の映画『スーパーマリオ ギャラクシー』が、再び市場心理を好転させるかが次の焦点となる。





