【福岡】宗像リゾートホテルが事業停止 世界遺産・宗像大社近く、多額の家賃未払いで閉館
福岡県宗像市で「宗像リゾートホテル」を運営する(株)宗像リゾートホテルが9月24日、事業を停止し、ホテルを閉館したことが分かった。
同ホテルは玄界灘を望む神湊地区にあり、世界文化遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を構成する宗像大社辺津宮から車で約5分、大島への渡船場からも約3分という観光立地で営業してきた。
東京商工リサーチの情報をもとにした報道によると、施設の賃料支払いが滞り、未払い家賃は約7490万円に達していた。不動産所有者側から建物・土地の引き渡しを求める民事執行が申し立てられ、9月25日に強制執行されたという。
なお、現時点で自己破産申請や破産手続開始決定などの法的整理は確認できていない。7490万円についても同社全体の負債総額ではなく、報道で明らかになった未払い家賃の金額となる。
宗像大社から車で約5分、全60室のリゾートホテル
運営法人の(株)宗像リゾートホテルは2018年11月設立。本店を福岡県宗像市に置き、法人番号は3290001083260。
福岡県が公表している旅館業営業許可一覧でも、宗像市神湊の「宗像リゾートホテル」の営業者として同法人が確認できる。
ホテルは禁煙59室と特別室1室の計60室を備え、宴会場、会議室、温浴施設、屋外プールなどを設置。玄界灘を望む立地に加え、宗像大社辺津宮や大島、道の駅むなかたなどへの観光拠点として宿泊客を取り込んできた。
現在の建物は以前からホテルとして利用されており、2018年に運営法人が設立された後、「宗像リゾートホテル」として営業が行われてきた。
コロナ禍で大幅縮小、一時は閉業寸前に
ホテル経営は新型コロナウイルス禍で大きな影響を受けた。
ホテル側の公開情報によると、コロナ禍では大幅な業務縮小と人員削減を実施。宿泊・観光需要が落ち込んだだけでなく、海辺特有の潮害などによる施設の老朽化も重なり、一時は営業継続が難しい状況に陥ったとしている。
その後、2023年9月ごろから経営立て直しに向けて業務改善や施設修繕を進め、営業の正常化を図っていた。
ホテル公式サイトでも、閉館直前まで「経営復活に向けて」業務改善や施設修繕を進めていることを説明していた。
600万円かけ大浴場を再建、経営再建を模索
再建への取り組みの象徴となったのが、大浴場「なごみの湯」の復活だった。
コロナ禍で営業を休止したことで、老朽化していたボイラーなどが故障。ホテルは2024年、大浴場再建に向けたクラウドファンディングを実施し、約600万円をかけてポンプ、ボイラー、配管などを修繕した。
同年9月には「なごみの湯」の営業を再開。宿泊客だけでなく地域住民も利用できる温浴施設として再スタートしていた。
さらに2026年3月には、ホテル2階に「アンディー食堂」がオープンするなど館内の飲食機能も拡充されていた。
ただし、「アンディー食堂」は宗像リゾートホテルの直営店ではなく、食品卸やイベント出店などを手がける「安藤屋」の運営による店舗。ホテル運営法人とは別の事業者となる。
家賃滞納続き、建物・土地の引き渡しへ
こうした再建策を進める一方、施設の家賃支払いをめぐる問題が深刻化していた。
東京商工リサーチの情報をもとにした報道によると、家賃の未払いが続き、2026年7月には不動産所有者側が建物と土地の引き渡しを求めて民事執行を申し立てた。
未払い家賃は約7490万円に達していたとされる。
ホテル側は9月24日、公式サイトなどに「閉館のお知らせ」を掲示。同日をもってホテルを閉館するとともに、立ち寄り湯やレストランについても営業を停止した。
翌25日には建物・土地の引き渡しに伴う強制執行が行われ、ホテル事業は停止することとなった。
公式サイトも9月24日閉館を告知
宗像リゾートホテルの公式サイトには現在も「閉館のお知らせ」が掲載されている。
ホテル側は「諸般の事情」としたうえで、2026年9月24日をもって閉館したと案内。ホテル閉館に伴い、立ち寄り湯とレストランについても営業を停止したとしている。
コロナ禍からの回復を目指し、施設修繕や温浴施設の再開などを進めてきたが、施設賃料をめぐる問題を解消できず、事業停止に至った形となった。
なお、9月28日時点では、(株)宗像リゾートホテルについて自己破産申請や破産手続開始決定などの法的整理に入ったことを確認できる公表情報は見当たらない。今後、法的整理など新たな動きが明らかになった場合には続報となる。
| 法人名 | 株式会社宗像リゾートホテル |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県宗像市 |
| 法人番号 | 3290001083260 |
| 法人設立 | 2018年11月 |
| 運営施設 | 宗像リゾートホテル |
| 客室 | 60室 |
| 事業停止・閉館 | 2026年9月24日 |
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