アイコン 【山口】周南工業用水道の自主節水50%に強化 菅野ダム貯水率55.5%、製造業集積地で再び渇水


山口県企業局は2026年10月8日、周南工業用水道の自主節水を強化した。周南地区では少雨による水源ダムの貯水量低下が問題となっており、工業用水の自主節水率は50%となった。

周南市が10月6日時点で公表した水源状況では、菅野ダムの貯水率は55.5%、向道ダムは36.7%となっている。周南地区は化学・素材産業などが集積する工業地域で、工業用水の安定確保は地域の生産活動を支える重要な課題となっている。

なお、今回の50%は工業用水の自主節水率を示すもので、工場への給水が一律に50%停止されたことを意味するものではない。個別企業の減産や操業停止については、現時点で確認されていない。

 

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2026年初頭にも最大60%の自主節水

周南地区の工業用水不足は今回が初めてではない。2025年12月1日に始まった前回の自主節水では、当初30%だった工業用水の節水率が段階的に引き上げられ、2026年1月13日に50%、2月9日に55%、2月18日には60%に達した。

その後、降雨によるダム貯水量の回復を受けて節水率は段階的に緩和され、4月14日に自主節水が解除された。今回の10月8日の強化は、解除から約半年後の新たな節水措置となる。

実施日 工業用水の自主節水率
2025年12月1日 30%
2026年1月13日 50%
2026年2月9日 55%
2026年2月18日 60%
2026年4月14日 解除
2026年10月8日 50%(今回の強化)

化学・素材産業を支える工業用水、慢性的な不足が課題

周南地区には化学・素材関連の工場が集積している。工業用水は製造設備の冷却や洗浄など、生産工程を支える重要なインフラであり、安定した供給体制の確保が求められている。

山口県企業局は第4次経営計画の改定版で、周南地区や宇部・山陽小野田地区では少雨による渇水が繰り返し発生し、水不足が慢性化していると指摘している。

周南地区では過去にも厳しい自主節水が実施されている。2023年11月には菅野系工業用水の自主節水率が65%に引き上げられ、県企業局が利水運用対策周南支部を設置した。2024年2月にはダム貯水量の回復を受けて節水率が緩和されている。

今回の節水強化について、対象企業ごとの具体的な使用水量や生産調整の状況は明らかになっていない。

老朽化・耐震化対策も産業インフラの課題

工業用水を巡っては、渇水への対応に加えて、既存施設の老朽化や耐震化も課題となっている。

山口県企業局は工業用水道施設の更新需要が増加することを踏まえ、計画的な施設整備と長期的に安定した経営基盤の確保を進める方針を示している。

県はこれまで国に対し、周南工業用水道の拡張事業に必要な予算措置や、工業用水道施設の老朽化・耐震化対策への支援を要望してきた。

県内では周南地区だけでなく、宇部・山陽小野田地区でも工業用水不足が発生している。2026年9月8日には厚東川工業用水道でも自主節水率が50%に強化された。

工業用水の供給体制は、既存工場の生産活動に加え、設備投資や新規企業立地を支える産業基盤でもある。繰り返される渇水への対応と、施設更新を含む安定供給体制の整備が引き続き課題となっている。

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