【続報・山口】三菱重工、下関に1000億円投資 国が最大400億円支援、長州出島に新工場
三菱重工業株式会社(法人番号:8010401050387)は10月2日、山口県下関市の人工島「長州出島」の産業振興用地を取得する契約を同市と締結したと発表した。グループの三菱造船株式会社(法人番号:7020001122958)が同用地を活用し、下関造船所の建造能力を拡大する。
計画する投資額は約1,000億円。このうち国から最大約400億円の助成を受ける予定で、企業の大型設備投資と政府の造船業再生政策が直結する大型案件となる。
江浦工場の一部機能を移管、船体ブロック工場を新設
三菱造船は、現在の下関造船所江浦工場が担う機能の一部を長州出島へ移管するとともに、船体を構成する船体ブロックの製造工場を新設する。三菱重工は、建造能力を拡大し、中長期的な競争力と船舶の安定供給体制を強化するとしている。
下関造船所は1914年に操業を開始した。現在は船舶部門の江浦工場と、機械・航空機部門の大和町工場の2工場体制で、江浦工場ではフェリー、自動車運搬船、海洋研究船、ケーブル敷設船などを建造している。
長州出島の取得用地は約14.5ヘクタール。下関市議会に提出された財産処分議案では売却額は約30億4,000万円とされていた。市側が市議会で説明した計画では、2027年4月の着工、2030年3月の操業開始が予定されている。
1000億円投資に最大400億円を国が支援
今回の計画は、経済安全保障推進法に基づく「船舶の部品(船体)」の供給確保計画として9月11日に国土交通省の認定を受けた。約1,000億円の投資に対し、最大約400億円の助成が予定されている。
国土交通省は造船能力を抜本的に強化する「造船業再生基金」を設けており、9月4日と11日に認定した8件だけで官民投資は総額約9,000億円、国の支援額は最大約3,110億円に上る。このうち三菱造船の計画が投資額約1,000億円、最大助成額約400億円を占める。
政府は2035年の国内船舶建造能力を1,800万総トンとし、2024年実績の907万総トンからほぼ倍増させる目標を掲げている。今回の下関への大型投資も、その政策の一環に位置付けられる。
下関では2025年にも約65億円の設備投資
三菱造船は2025年1月にも、国の「ゼロエミッション船等の建造促進事業」に下関造船所の設備整備計画が採択されている。
同計画では約65億円を投じ、2028年度中にゼロエミッション船の建造に対応する生産体制を構築し、建造能力を25%向上させるとしていた。
今回発表された約1,000億円の投資計画と、この約65億円の設備投資との包含・重複関係は公表資料では確認できない。このため単純合算はできないものの、下関造船所では脱炭素船対応に続き、船体そのものの生産能力拡大へ大型投資が続くことになる。
三菱重工は9月まで長州出島の取得と生産機能移管を検討している段階だったが、今回、土地取得契約に加えて新工場、投資規模、国の支援額まで具体化した。下関の造船拠点は、政府の造船業再生策を背景に新たな増強局面へ入る。
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