【倒産企業続報・北海道】八潮運輸に会社更生開始決定 負債11.17億円、DIP融資枠1億円で運送継続
北海道北斗市の貨物運送会社、八潮運輸(株)が、2026年10月1日に東京地裁から会社更生手続開始決定を受けた。負債総額は債権者約29名に対して約11億1,700万円。
同社は9月9日に会社更生手続開始を申し立て、保全管理命令などを受けていた。今回、正式に更生手続きが開始され、事業を継続しながら再建を進めることとなった。
更生管財人には三枝知央弁護士が選任された。事件番号は令和8年(ミ)第8号。
三井住友銀行と1億円のDIP融資枠を設定、商取引債務は期限通り弁済
八潮運輸は9月18日、三井住友銀行との間で極度額1億円の当座貸越契約を締結し、DIPファイナンスによって運転資金を確保できる体制を整えた。
DIPファイナンスは、法的再建手続き中の企業に対して事業継続に必要な資金を供給する仕組み。今回の1億円は融資枠の上限額であり、借入実行額を示すものではない。
更生管財人の説明では、金融債権やリース債権、公租公課などを弁済禁止の対象とする一方、仕入れ代金など一般の商取引債務については期限通りに弁済している。医薬品や食品などの運送業務も継続している。
同社の案件は、東京地裁が2025年4月から導入した小規模会社更生制度の適用事例で、北海道の企業としては初めてとされる。同制度は負債総額50億円未満の企業を対象としたDIP型の会社更生手続きで、比較的迅速な再建を図る仕組みとなっている。
年収入17.2億円から15.97億円に減少、物流センターの投資負担も重荷
同社は1963年6月創業、1978年3月法人化。北斗市の本社と石狩市の札幌支店を拠点に、北海道内で医薬品、医療機器、冷凍食品、建材、雑貨などの輸送を手掛けてきた。
常温・定温・冷蔵・冷凍に対応した温度管理輸送を強みとし、大手ドラッグストア向けの配送などで業容を拡大。2023年3月期には年収入高約17億2,000万円を計上していた。
しかし、函館地域での運送量減少に加え、燃料費や人件費の上昇が収益を圧迫。2022年に開設した物流センターでも想定していた受託量を確保できず、設備投資に伴う借入金などが負担となった。
2025年3月期の年収入高は約15億9,700万円に減少し、約1億5,400万円の最終赤字を計上した。
2026年3月期には社有不動産の売却によって約4億9,400万円の最終黒字を確保したものの、売却に伴う多額の税負担が発生。資金繰りの改善にはつながらず、会社更生による再建を選択した。
更生計画案の提出期限は2027年3月1日
更生債権などの届出期限は2026年11月2日。一般調査期間は2027年2月8日から同15日までと定められた。
更生会社、債権者、株主などによる更生計画案の提出期限は2027年2月22日で、更生管財人が計画案を提出する期限は同年3月1日となっている。
会社更生手続きの開始決定によって再建に向けた法的手続きは本格化したが、更生計画の認可が決まったわけではない。今後は債権調査や更生計画の策定を進めながら、運送事業の継続と財務再建を目指す。
会社概要
| 法人名 | 八潮運輸株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 北海道北斗市 |
| 法人番号 | 2440001002453 |
| 創業・設立 | 1963年6月創業、1978年3月法人化 |
| 資本金 | 2,060万円 |
| 主な事業 | 貨物自動車運送、倉庫、自動車整備など |
| 2025年3月期年収入高 | 約15億9,700万円 |
| 負債総額 | 約11億1,700万円(債権者約29名) |
| 更生手続開始決定 | 2026年10月1日・東京地裁 |
| 事件番号 | 令和8年(ミ)第8号 |
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