台湾では例年台風が襲い山間部に大量の雨をもたらし、それが乾季の冬場でも川を潤すという。しかし、昨夏は台風が来ず、乾季の冬に水枯れ現象に至っている。
過去56年で最も深刻な干ばつに見舞われている台湾中部の工業地帯で3月6日、100万以上の世帯と事業者を対象とした給水制限が始まった。
干ばつは、大量の水を必要とする半導体産業に特に大きな影響を与えるとみられている。
車から携帯電話、パソコンなどあらゆる製品に用いられる半導体は現在、世界的に不足している。
台湾では2月に厳格な給水制限が導入され、中部と南部の一部の工場や工業地帯は、水の使用量を最大15%減らした操業を強いられている。
公共水道会社は6日以降、台中市と苗栗市、彰化県北部で週に2日の断水を実施。さらに政府は同社に対し「最悪の事態に備える」べきだと警告している。
給水制限日には、美容院での洗髪やガソリンスタンドでの洗車の禁止など、さまざまな制限が課されている。
台湾では昨年、過去56年で初めて台風が一度も上陸せず、今年に入っても水不足が続いている。
台湾の半導体業界は世界最大規模と技術力を誇る。半導体不足に直面する欧米の自動車メーカーは、台湾政府に対し支援を要請しているが、当の台湾は大量の水を必要とする半導体生産工場も含め全国で水不足に悩まされている。