アイコン 韓国の出生率0.86%、少子化問題深刻 「経済的負担」が1位

Posted:[ 2022年6月13日 ]

ジェンダー対立、ジェネーションギャップ。
韓国の2021年の合計出産率は0.81でOECD34ヶ国中でダントツの最下位となっており、世銀の2020年版でも0.84で調査対象200ヶ国中最下位だった。今後、加速度的に少子高齢化が進むと懸念されている。(日本も低いが21年は1.30、2.0以上でなければ人口は減少する)

世論調査の韓国ギャラップ調査が11日発表した報告書によると、
1、少子化についての国民の認識
(1)「非常に深刻」66%、
うち男性74%
うち女性56%、⇒うち30代女性49%、うち20代女性40%、
(2)「ある程度深刻」30%、
(3)「あまり深刻でない」3%、「全く深刻ではない」1%

 



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2、少子化に至った要因(複数回答)
(1) 「養育の経済的負担」が58%
(2) 「就職・雇用の不安定など所得に対する不安」が44%、
(3) 「個人の人生を重視する風潮」が35%、
(4) 「過度な住居費用」が22%、
(5) 「女性のキャリア断絶」が17%
などが続いた。

3、国の支援について「1」
出産や育児に対する国の支援が不足しているとの回答は、
(1)「どちらかと言えば不足している」57%
(2)「非常に不足している」17%
 以上74%を占め
(3)「どちらかと言えば十分」21%、
(4)「極めて十分」5%。

4、国の支援について「2」
(1)「現在より支援を増やすべき」が80%
(2)「現在の内容が適切」は17%
(3)「減らすべき」は3%。

5、少子化問題の解決方法の意見については
(1)「出産・育児支援を十分にすれば少子化問題は解決する」との意見について81%が同意、
(2)「出産や育児に対する意識の改善で解決する」との主張にも74%が同意。
一方、
(3)「少子化は解決不可能であるため別の問題に取り組むべき」とする主張には42%が同意。
うち、男性は46%、女性は49%が同意し、特に20代女性は59%が「解決不可能」とした。

6、出生数の増加が期待できる国の支援に求めるもの、
(1)「保育のための住居の無償提供」が67%、
(2)「教育費」や「出産・医療費」、「職場での3年間の有給休職保障」などが60%を超えた。
(3)「出産時の1億ウォン(約1050万円)現金支給」は44%にとどまった。
以上、調査概要

韓国統計庁によると2021年の全体の出生数は26万500人で、前年(27万2300人)より▲4.3%減少、合計特殊出生率は0.81人となり過去最低を更新した。

1960年は6.16人、朝鮮戦争後のベビーブーム
1984年は1.74人、
1995年は1.50人、
2005年は1.09人
  その後第3次ベビーブームにより少し反騰、
2016年は1.16人、以降急激に減少。
2020年は0.84人
2021年は0.81人

人口も2020年の5,184万人をピークに減少に転じ、このままだと2045年までに
3,500万人まで減り、▲1,600万人減少することになるという。

<婚礼数>
統計庁によると、2021年の婚姻件数は19万2507件で前年より▲9.8%(▲2万995件)減少した(1983年の41万件から半減以下)。
減少理由は、
1、新コロナの影響、
2、少子化が進行し結婚する年齢層である30代の人口が減少していること、
3、未婚者の結婚に対する価値観が変わっている、非婚増加。
点があげられている。

<結婚年齢>
男性の平均初婚年齢は33.4歳で前年比0.1歳上昇、女性の初婚年齢は31.1歳で0.3歳上昇している。高齢結婚が進むほどに出生数にも大きく影響する。

<出産>
統計庁の「将来人口推計」によると、韓国の対婚姻比出生率は1.3、2025年1.23まで低くなるものと予測されている。2021年の第1子を出産した母の平均年齢は32.6歳、前年より0.3歳上がった。20年前の2001年と比べると4.6歳、10年前の2011年と比べると2.3歳上昇している。

<共稼ぎ夫婦の出産意向>
1、安定的な職業・地位を持ったり、マイホームを購入したりするまで出産先送り、
   マイホーム購入が財閥の大手企業にでも就職していなければ、購入できない価格まで価格が上昇している(大都市では中古マンションでも1億円以上)。
2、最初から子どもを産もうとしない
3、育児・教育の費用が増え、子育ての負担が大きい
  財閥系の大手企業に入社させるため、親の子に対する教育熱は尋常ではない。
と分析されている。

<結婚しない女性・結婚しない男性>
韓国女性家族部の「2021年性平等実態調査」では、20代女性の73.4%が構造的性差別を日常的に体で感じると答えた。職場では女性、特に若い女性に対して難しく面倒な仕事がすべて押しつけられる一方で、オンラインでは女性嫌悪の氾濫している。
今年4月の韓国国家人権委員会が実施した調査によると、韓国市民の67.2%が差別禁止法の制定に前向きに捉えているものの、国会でも過半数を握った左派政権でも制定されず、リーマンショック前の2007年から先送りされたままになっている。
ジェネレーションギャップ、性差別に対する民意=大衆的な人権感受性は経済発展とともに大きく変化してきている。
以上、

<ジェンダー対立/ジェネレーションギャップ>
朝鮮日報とソウル大学社会発展研究所の調査によると、
20代の43.4%は「旧世代が若い世代のチャンスを奪っている」と答えた。
うち、20代男性49.0%、女性の37.2%と男性が剥奪感が大きかく、30代でも34.3%だった。

<「青年と壮年層の賃金格差」>
20代の42.3%が「不公平だ」と回答し、30代の39.7%より高かった。
性別では、20代女性44.5%、30代女性47.3%が不公平だと回答している。
青年層は「40~50代を経済的にも文化的にも「最も運が良い世代」と指摘。
20代は、40代について32.6%、50代について20.7%を、
30代は、50代について26.4%、40代について24.9%が運が良い世代と指摘した、

<「最も不運な世代」>、
最も不運な世代として、20代の59.6%が自分たちの属している20代を挙げ、うち女性は62.3%に達し、男性は57.1%と女性が不運と答える率が多かった。

未来に対する展望にも暗雲が立ち込めている。
20代の青年の10人に7人(72.5%)が、「階層間で下降移動する可能性がある」と今後もこうした傾向は続くと答えた。

<政治と社会の構造問題>
こうした青年層の労働環境に対する不満は、「企業が、青年雇用を凍結・縮小する路線を敷き、コスト削減しているため、パイがより一層小さくなった労働市場で20代男女の対立が深刻化している」と分析した。正規雇用パイが小さくなっていることに起因している。

問題の根は、非正規雇用でも正規雇用並みに賃金が高く、非正規雇用が例え首を切られたとしても失業保険給付額が高ければ問題はないだろうが、非正規雇用は低賃金、労働コストダウンを前提に企業に導入されており、問題解決の糸口はない。
非正規や派遣の低賃金問題は30年・40年後の社会保険料の給付問題にも直結する由々しき問題でもある。
韓国の場合、大手企業と中堅企業・中小企業での賃金格差が大きく、大手企業に就職できなければ、左派の文政権下で2倍に跳ね上がった住宅価格を取得することは親が過半の資金を出さない限り、不可能に近い、出せる親は限られている。

500人以上の大手企業の平均年収は、2017年分の調査では、韓国は6,027ドル、米国4,736ドル、日本は4,079ドルと米国より3割多く、日本より5割も多い。
しかし、韓国の場合、その大企業を100とした場合、従業員数1~4人では32.6%、5~9人の場合48.3%、30~299人では65.0%・・・。
ましてや、最低賃金の大幅増加に支払えない自営業者・小規模事業者が多数発生しているが、文前政権下でほとんど摘発されていない。
マイホーム価格はソウルでは、新築は最低でも1.5億円以上、中古でも1億円以上する。光州市で建設途上に崩壊したマンションの販売価格も億ションとなっていた。地方の都市周辺の土地も異常に高くなっている。

そうしたことから若い世代は、不動産を購入したいため、多くが借金してまで一攫千金に夢見て、証券投資、仮想通貨投資に勤しんでいる。しかし、足元では株価は下がり、仮想通貨は暴落、救われない状況にある。

こうしたことから隣国での大企業の正規雇用者募集の関門は、ハードルが極めて高く、過度の教育熱が家計を圧迫している。

若い世代の正規採用されていない、ニートを含む不満分子=暇人があまりにも多く、SNSで政治家、芸能人、男女間に至るまで不満解消に攻撃を繰り広げ、そうした影響により多くの若者たちがSNSに感化されている。そのため、政治家、芸能人、反日、男女に対する攻撃の異常な言動のSNSが蔓延している。

文前政権は失業率減らしのため、大量の公務員増(15万人以上純増)を図っており、また、小手先の動きに終始し、高齢者の公的機関での週短時間雇用(70万人ともされる)や大学卒業予定者で就職が決まっていない人には国が助成し研究生扱いにさせたりして、体面だけを繕い、失業率を下げ、自己満足していたが、こうした膿を出さなければ、政府の政策にしても、企業にしても、将来的な労働問題の解決には至らない。
低成長で企業利益が乏しい中、最低賃金の大幅増、労時間が大幅短縮、大手を中心に非正規雇用者の正規雇用をはからせてきた文前政権により、労働コストが上昇し、一部の大企業を除き新規採用が大幅減少し、雇用機会そのものが減少している。(韓国の体面上の4月の失業率は2.7%、青年失業率は7.4%。/週に数時間働けば就業者扱い/分子には高齢者・長高齢者の就労者数も入っている。青年失業率には就職を諦めた人やニートは入っていない)
ただ、高齢者の多くが僅少な年金問題を抱え、こうした高齢者は生きるために働き続ける必要があり、高齢者が青年層の仕事を奪っているとの批判もあるが、簡単には解決できそうもない問題。

就職口を増加させるためには、国内景気を良くするしかないが、文政権下では朴政権下でも低成長だったにもかかわらず、所得主導経済成長論なる左派学者の論を強制執行、最低賃金を大幅に引き上げたため、労働コスト増に耐えられない中小企業さえ海外へ工場移転する企業が続出、雇用機会の喪失を招いてきた。

新大統領になり、財閥企業各社が軒並み、超大型投資と雇用計画を発表しているが、文政権下でも同じように発表をしており、この間、発表したほど雇用は増加していない。一方では不採算事業会社のリストラを加速させている。政治家向けに計画と目標とを混同しているようだ。

<前提>
  まずは仕事、給与、それが衣食住をある程度満足させない限り、結婚の増加は見込めないだろう。すでにキャリアウーマンも多く、結婚観も大きく変化してきている。

韓国では、#MeToo.運動も激しく、加害者男性が自殺するなど多くの問題を提起、女性も変わってきている(最後の#MeToo.運動の集会でのスローガンは「公衆女性トイレに隠しカメラを置くな」というものだった)。
しかし、現実は、儒教社会がいまだ色濃く残り、家父長制、世間体、格式、男女間など各種差別に蹂躙されている。法律そのものも性被害問題では男性優位にあり、裁判官の意識も低く、問題を多く抱えている。

問題は、男性の青年層ではなく、世を動かしている中年以上の男性・女性の意識が変わらない限り前に進まない。
第一義に韓国の政治家の意識改革が必要だが、本来、そうあるべき左派が過半数の国会議員たちは法制定に動かず、古い体質のままではどうしようもない。
特に左派の女性議員たちは、ソウル市長のセクハラ自殺事件(2020年7月)でも、自殺した市長を擁護し続け、被害者を冒涜し続けた経緯がある。国民の意識とはかけ離れた党利だけでは何一つ問題は解決しない。韓国の左派女性議員たちの実態が浮き彫りになっている。

2018年1月、検察官女性の#MeToo.告発でも、問題提起した女性を左遷させたセクハラ加害者で人事担当の上級検察官は、告発で起訴され、高裁まで懲役刑の有罪だったものの、左派本尊の文大統領と非常に近い大法院では、この上級職者は無罪となった。こうしてみると、性・セクハラについては、左派の方がよほど前時代的に思われる。左派の重鎮たちがこの間、何人もセクハラで有罪判決も受け、知事や市長を失職している。

そんなこんなで、韓国の若い女性の間では、意識の変化の中で「結婚しない女」化が進んでいる。

現代韓国人の性格からしても問題解決には時間がかかりそうだ。


スクロール→

現代韓国人の20の国民性格

(著者:李符永・ソウル大学教授)2015年発刊

1

依頼心が強い

2

すべきことをせず他人に期待し裏切られると恨んだり非難する

3

相手も自分と同じ考えだと思い「違う」と分かると裏切られたと思う

4

せっかちで待つことを知らず「今すぐ」とか「今日中」とよく言う

5

すぐ目に見える成果をあげようとし、効果が出ないと我慢せず別の事をやる

6

計画性がない

7

自分の主張ばかりで他人の事情を考えない

8

見栄っ張りで虚栄心が強い

9

大きなもの・派手なものを好む

10

物事を誇張する

11

約束を守らない

12

自分の言葉に責任をもたない

13

何でも出来るという自信を誇示するが出来なくても何とも思わない

14

物事は適当で声だけ大きくウヤムヤにする

15

綿密さがなく正確性に欠ける

16

物事を徹底してやろうとしない

17

「見てくれ」に神経を使う

18

「世界最高」とか「ブランド」に弱い

19

文書よりも言葉を信じる

20

原理・原則より人情を重んじ全てを情に訴えようとする

 

 


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