アイコン 韓国統一地方選挙「国民の力」圧勝 ただ問題の京畿道は奪還ならず


6月1日に投開票された統一地方選挙で、保守系与党「国民の力」が圧勝した。

「国民の力」は3月、5年ぶりに尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の当選で政権交代を果たしたのに続き、全国の広域自治体の首長などを選ぶ地方選挙でも圧勝し、革新系野党の「共に民主党」が多数を占めるねじれ国会の中、今回の選挙結果が今後の政権運営に追い風になるものとみられる。

全国17の広域自治体の首長選(知事選)で、「国民の力」は、「共に民主党」の支持基盤である南西部の全羅道など一部を除く12ヶ所で勝利し、「共に民主党」は5ヶ所にとどまった。これまでは14ヶ所を「共に民主党」がおさえていた。

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「国民の力」は、最も注目されていた首都圏3ヶ所のうち、
1、ソウル特別市
2、仁川広域市
の2ヶ所で勝利(仁川で回復)
ほかでは
3、忠清南道、
4、忠清北道、
5、世宗市、
6、大田広域市、
7、江原道、
で勝利
もともと保守色の強い「国民の力」の票田である
8、釜山広域市、
9、大邱広域市、
10、蔚山広域市、
11、慶尚南道、
12、慶尚北道
で勝利した。

「共に民主党」は、
最後まで接戦となった京畿道で当選が確実視され、首都圏3ヶ所のうち1ヶ所を守ったほか、伝統的な支持基盤とされる
1、京畿道
伝統的な支持基盤
2、光州広域市、
3、全羅南道、
4、全羅北道、
5、済州島
の計5ヶ所で勝利した。

前回の2018年の地方選では、広域自治体首長選で「共に民主党」が14ヶ所で勝利して圧勝していたため、今回はその構図が完全に逆転した。

与党圧勝の結果は、発足したばかりの尹政権を後押ししようとする世論が強かったほか、大統領選で敗北したにもかかわらず党内部の分裂をきちんと解決できなかった「共に民主党」への批判的な世論が反映されたものとみられている。

京畿道は、
3月の大統領選で敗北し、今回、国会議員の補欠選挙で仁川から出馬して当選した李在明氏が、京畿道(ソウル市を取り囲む/ソウル市のベッドタウン)の城南市長や知事をし、問題が噴出していたにもかかわらず、「国民の力」候補が8000票差まで詰め寄ったものの勝利することができなかった。

仁川の国会議員補欠選挙では、
勝利した李在明氏にしても「国民の力」の候補が無名に近い存在であったにもかかわらず、数ポイント差でかろうじて勝利している。

「共に民主党」は国会では全300議席のうち172議席を持ち、大統領選の敗北を受け、文大統領と李在明氏をを守るため、検察から捜査権を取り上げる法案を緊急成立させるなどやりたい放題になったこと。

李在明氏の大統領選での選挙参謀だった朴志ヒョン(パク・チヒョン)氏が、現在「民主党」の共同非常対策委員長となっており、今回の選挙終盤に党内で内部対立を露見させ、選挙に不利に作用したと見られており、敗北の責任論が浮上している。
(若い朴志ヒョン女史は、大統領選で当時支持離れになっていた若い女性票を李在明氏に投票させる立役者となった人物として知られる。)

ほかの選挙
<7選挙区での国会議員補選では>
「国民の力」が5選挙区を獲得
「民主党」は2選挙区にとどまり、
「国民の力」が勝利。

<26人を選ぶ市長、郡守、区庁長(区長)選挙では>
「国民の力」候補が145ヶ所でリードし、
「民主党」候補のリードは63ヶ所にとどまり、
2倍近く「国民の力」がリードしている。
前回の統一地方選では民主党が151ヶ所で勝利し、全体の67%を占め、自由韓国党は53ヶ所ノ23%にとどまっていた。

<広域自治体議会選挙>
国民の力が482人
民主党の271人
をリードしている。

<ほかの地方自治体議会選挙では>
「民主党」が1184人
「国民の力」が1179人
と競り合っている。

「国民の力」が17の広域自治体首長の過半数を超える12ヶ所を制したのは、有権者が「政権安定論」を支持した結果と受け止められている。
「国民の力」は、地方権力の相当数を奪還し、議会権力での劣勢を補完。今後政局の主導権を握るための足がかりを得ている。
 「民主党」は、大統領選に続き、統一地方選でも敗れ、当面は敗北責任論、党の刷新方向を巡る後遺症に苦しむことになる。

[ 2022年6月 2日 ]

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