韓国の中国に対する貿易黒字額の主を占めていた半導体に陰りが出ている。
原因は、汎用性の高いメモリ半導体の輸出額の減少、単価下落も伴っている。
一方、台湾は用途が限られるシステム半導体の輸出が主を占めている。欧米の半導体のファブレスメーカーから受託しての台湾メーカーの生産であり、パソコンやスマホなど通信端末、ゲーム機用など中国では受託生産企業はなく輸入するしかない。
パソコン、スマホ、タブレット、ゲーム機などその製品の多くが中国で生産されており、中国企業は、組み込むシステム半導体を輸入するしかない。
韓国勢のメモリ半導体はDRAMとNANDがあり、サムスン西安工場、SK無錫工場では最近、大規模設備投資して増産しており、また「中国製造2025」の国家計画に基づき、中国企業もメモリ半導体の工場設備を新設拡充させ増産しており、韓国からのこうした半導体の輸入が減少している。
韓国は対中貿易が4ヶ月連続して赤字なるという貿易激変事態が生じている。
韓国の貿易にとっては一大事ではあるが、新分野のEVバッテリーも米政権の要請や合弁事業により米国で大規模工場を何ヶ所も建設しており、また、米政権はインフレ抑制策と称してEV向け補助金に国産化率を提示、中国どころか米国への輸出も、サムスンの半導体工場の米進出も含め減少することになる。
ならば、日本のように経常収支で帳尻を合わせるには、まだ海外進出度合いが限られている。
米金利に合わせて金利を上げても、為替介入しても、こうしたことも含めウォン安進行の一因になっている。
アジアでの為替不安はフィリピンのペソ、タイのバーツ、それに韓国のウォンだと外紙も指摘している。
韓国の報道では、半導体・バッテリーの次は新薬製造に駒を進めよとしている。しかし、ジェネリック医薬品企業や医薬品の受託生産企業は多いものの、短気であるため基礎研究のベースに乏しく、打ち上げ花火の医薬品は発出できるだろうが、大輪の花火を打ち上げ続けるのは無理だろう。
今や世界のスーパー医薬品業界は、欧米の医薬品開発のベンチャー企業で注目される製品開発で評価を受けているベンチャー企業の高額買収などにより、新製品開発不足や特許期間の喪失による売上高の減少に対応させている。そうした高額買収は韓国勢にあり一部の財閥企業にしか力はなく、専門家も不足し難しいといわざるを得ない。
造船の受注ではLNG船で圧倒しているものの、その箱型の設備特許はフランスが有しており、おいしい利益を持っていかれている。
一度、韓国の経済構造を破壊し再構築しなければ、中小企業から収奪した大企業の利益構造では内需拡大も何れ限界が来る。
これまでに韓国の10大産業を中国は駆逐し続けており、今や中国より競争力のある分野はLNG造船やメモリ半導体などに限られている。
韓国や日本は、近い将来、巨大市場を形成するオリジナル商品開発やシステムの開発が求められている。
資金的には冒険的投資を行う財閥企業を抱える韓国が有利だが、成果を求めすぎ、短気な性格からなかなか成就していない。日本は政府挙げて3無状態、中国への頭脳流出が懸念されている。
選挙は勝たなければならないとして統一と手を組む政権政治家たち、票につながらない科学分野の投資を拡大することなどありえようもない。
スクロール→
対中国貿易収支 韓国・台湾
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/億ドル
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韓国
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台湾
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対中輸出
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対中輸出
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8月
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▲3.7
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34.5
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7月
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▲5.9
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30.8
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6月
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▲12.2
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16.0
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5月
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▲10.9
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18.4
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1~8月半導体輸出
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430
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↑51.8%
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1~8月半導体黒字
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223
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1~8月貿易黒字額
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▲79.8%減の32
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241
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2021年半導体輸出
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574
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2021年対中輸出
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1,259
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・中国の半導体国産化率は昨年21%⇒今年上半期32%
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・中国半導体企業の増産+韓国勢中国工場の増産
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・台湾はシステム半導体中心、韓国はメモリ半導体中心
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