全工程止まる
浦項製鉄所の全工程が止まったのは１９７３年に銑鉄を生産し始めて以来初めて。
大雨による浸水被害は熱延生産ラインに集中、地上４～５階の高さで生産する製鋼とは異なり、熱延ラインは地上１階以下の低層に位置し被害が大きかった。
全体工程を調整する中核装備である設備自動制御装置（PLC）も浸水被害を受けたという。

関係者は「コンピュータのように精密な装置であるPLCは、緊急に修理したとしても１００%復旧させることは難しい」とし、「地下施設まで押し寄せてきた土砂を全て取り除くには相当な時間がかかると見られる」と説明しているという。

ポスコグループの持株会社であるポスコHDは１１日午前、公示を通じて前日水害を受けた浦項製鉄所の早期正常化に向けて努力すると明らかにしたが、再生産開始日には言及していない。

ポスコホールディングスは「製鉄所の核心設備である高炉３基は被害がなかったが休風中であり、電気供給回復時に正常稼動予定」とし「浸水被害に遭った熱延ラインなど製品生産工程の復旧時点は未定だが供給支障最小化のために努力する」と明らかにし、「浦項製鉄所生産スラブの一部を光陽製鉄所に切り替え加工する計画」と付け加えた。

浦項製鉄所は、発電・送配電施設が浸水被害を直接受けており、最悪の場合、再び正常稼動するまでに1ヶ月以上かかる可能性もあるという見通しも出ている。
ポスコは、製鉄所の大部分の電力を自家発電を通じて充当している。現在の構造上、浦項製鉄所が韓国電力の電気を引いて製鉄所を再び正常稼動するには限界があるという。

浦項製鉄所の稼動中断による被害額は天文学的に増えかねない。今回稼動が中断された浦項製鉄所の昨年の売上規模は約１８兆５０００億ウォン(１．９兆円)に達する。これを一日単位で単純計算すれば、稼動中断にともなう売上損失は1日に約５００億ウォンとなる。
以上、

新コロナ、国際商品高・インフレ、ドル高で今後、世界経済がどうなるか分からない状態に突入しつつある。足元では新コロナ下、落ち込んだ経済が浮揚が続いているがお先は暗い。

ポスコは韓国以外にインドネシアで高炉、ベトナムに電炉を持っており、韓国工場は中国からの安価な鋼材輸入もあり、輸出を主力としている。

今後懸念されている世界経済の悪化では、輸出先の需要が減少することを意味し、工場の再稼動が遅れれば、儲かるチャンスを失する可能性もある。
自然災害であり、仕方ない面はあるだろうが、経営とは別問題。

韓国の人件費もかなり高くなっている。しかし、日本の鋼材より安価に製造する韓国のポスコ、何が高くなっているのだろうか、生産効率だろうか。日本では高く販売しても売れ殿様商売の新日鉄はボロ儲かりのようだ。

一方、日本の新日鉄は世界一の製鉄会社に復活すると宣言していたが、不可能と見たのか、今では日本企業に高く売りつけ、世界一高収益の鉄鋼メーカーを目指しているようだ。

↓６日のポスコ浦項製鉄所