世界の企業は金利高に投資を抑制しており、GAFAM等ICTスーパー企業も人員削減を優先し、データセンター等新規投資を大幅に減少させている。
欧米の金利高の影響は金利の安い中国にも影響し輸出が停滞している。中国の輸出の停滞は韓国の中国向け輸出が低迷し、欧米向け輸出が多く、韓国企業が大量進出して生産基地化させているベトナムへも、韓国からの部品部材の輸出が低迷し、総じて大きな影響を受けている。
メモリ半導体はまだ単価下落が続き底割れしているが、システム半導体は発注するファブレスメーカーが全量買い取ることから、価格の上下動は少ない分、売上高は維持され、受注量で上下する。
眼下、ChatGPTなど生成AI(=GA)の台頭によりNVIDIA社のGPUが必須アイテムとなっており、新規分野として、景気に関係なく、市場が拡大すると見られている。SOX指数が急上昇しているのもGAに関係している。GA分野のシステム半導体のニーズは高まり続けると見られる。
完全自動運転車の開発も、一歩手前で身動き取れなくなっており、すでにこれまでの膨大なデータやセンサーに基づく車両コントロールさせるだけではなく、GAに瞬時に判断させ、制御させる研究が進んでいる。双方の利点を採用することにより実用開発が高かまる。
莫大な金余り現象、その資金が仮想通過や先物市場、株式市場を博打相場に化かしている。株式の世界ではIT銘柄が急伸しており、中でも生成AIの必須アイテムとされるNVIDIAのGPUが金星、同社株はすっ飛び、こうした半導体メーカーや製造装置会社30社(米市場上場の半導体メーカー、半導体ファブレス・ファンドリーメーカー、半導体製造装置メーカーなどで構成)の株価指数=SOX指数は、昨年10月の2162ポイントを底に今年6月15日には3703ポイントまで71.2%も上昇している。
メモリ半導体も在庫増に(サムスン電子さえ)稼働率6割の生産調整に入っており、連れて数ヶ月後にはメモリ半導体の需給バランスも回復して値戻しの動きに入ると見られる。
また、Chips法に基づく2025年に向けて米国では半導体の巨大工場がいくつも完成してくる(インテル+TSMC+サムスン電子+・・・)。
半導体 SOX指数
|
IT関連製造企業30社の株価指数
|
21/9.
|
3,261
|
21/12.
|
3,946
|
22/3.
|
3,366
|
22/6.
|
2,458
|
22/.9.
|
2,306
|
2022/10/10
|
2,162
|
22/12.
|
2,532
|
23/1.
|
2,921
|
23/2.
|
2,958
|
23/3.
|
3,230
|
23/4.
|
2,994
|
23/5.
|
3,453
|
6/15日.
|
3,703
|
スクロール→
韓国
|
輸出
|
輸入
|
貿易収支
|
/百万ドル
|
前年比
|
/百万ドル
|
前年比
|
/百万ドル
|
21/10月
|
55,662
|
|
53,841
|
|
1,821
|
21/11月
|
59,650
|
27.1
|
53,700
|
45.3
|
5,950
|
21/12月
|
60,740
|
18.3
|
61,320
|
37.4
|
-580
|
2021年計
|
644,439
|
25.7
|
615,037
|
31.5
|
29,402
|
22/1月
|
55,458
|
19.8
|
60,399
|
34.4
|
-4,941
|
22/2月
|
54,156
|
19.1
|
53,357
|
25.9
|
799
|
22/3月
|
63,480
|
18.2
|
63,620
|
27.9
|
-140
|
22/4月
|
57,850
|
11.2
|
60,326
|
37.8
|
-2,476
|
22/5月
|
61,586
|
20.5
|
63,192
|
32.4
|
-1,606
|
22/6月
|
57,683
|
9.1
|
60,180
|
18.9
|
-2,497
|
22/7月
|
60,251
|
6.9
|
65,340
|
35.5
|
-5,089
|
22/8月
|
56,673
|
6.6
|
66,067
|
28.2
|
-9,394
|
22/9月
|
57,447
|
2.8
|
61,226
|
18.6
|
-3,779
|
22/10月
|
52,482
|
-5.7
|
59,178
|
9.9
|
-6,696
|
22/11月
|
51,910
|
-13
|
58,925
|
9.7
|
-7,015
|
22/12月
|
54,990
|
-8.8
|
59,676
|
1.9
|
-4,686
|
22年計
|
683,966
|
6.2
|
731,486
|
18.9
|
-47,520
|
23/1月
|
46,270
|
-16.6
|
58,960
|
-2.4
|
-12,690
|
23/2月
|
50,100
|
-7.5
|
55,404
|
3.8
|
-5,304
|
23/3月
|
55,130
|
-13.6
|
59,750
|
-6.4
|
-4,620
|
23/4月
|
49,620
|
-14.2
|
52,230
|
-13.3
|
-2,610
|
23/5月
|
52,240
|
-15.2
|
54,343
|
-14
|
-2,103
|
|
|
|
|
|
|
1~5月
|
253,360
|
-13.4
|
280,687
|
-6.8
|
-27,327
|
22年
|
292,530
|
|
300,894
|
|
-8,364
|
ピーク時には韓国の輸出の20%を占めた半導体の輸出だが・・・
|
韓国、5月のICT輸出額と内容 /億ドル
|
ICT輸出総額
|
144.5
|
-28.5%
|
マイナスは11ヶ月連続
|
うちメモリ半導体
|
34.1
|
-53.1%
|
マイナスは11ヶ月連続
|
うちシステム半導体
|
36.4
|
-4.9%
|
1桁台は5ヶ月ぶり
|
半導体の小計
|
70.5
|
-35.7%
|
マイナスは11ヶ月連続
|
うちディスプレイ
|
13.9
|
-12.0%
|
|
(うち有機EL)
|
10.6
|
+
|
7ヶ月ぶりプラス
|
うちスマホ製品
|
3.2
|
|
新製品効果剥落
|
うちスマホ部品
|
6.0
|
|
スマホの小計
|
9.2
|
-17.2%
|
うちPC+周辺機器
|
|
-53.1%
|
|
うち通信装備
|
|
-11.1%
|
|
|
ICT輸出相手国
|
ICT輸入額/億ドル
|
中国
|
-31.6%
|
|
112
|
-11.2%
|
|
ベトナム
|
-14.6%
|
|
ICT貿易収支/億ドル
|
米国
|
-36.0%
|
|
32.5
|
-51.0%
|
黒字
|
EU
|
-30.7%
|
|
|
|
|
日本
|
-10.9%
|
|
|
|
|
中国経済はご法度の3期目を目指した習近平政権が、3期目を正当化するため、不動産デベロッパーも、多くのIT企業も強引殺法で押さえ込みグチャグチャしてしまい、そうしたところに新コロナロックダウン策も影響、昨年12月ウィズコロナ策に舵を切ったものの、今や中国を牽引する企業はなくなっている。
リーマンショックからの中国経済の急回復は強力なインフラ投資にあったが、今や経済規模が当時から倍以上大きくなり、インフラ投資をしても経済を支えるだけで上昇機運はない。経済波及効果の高い不動産開発は経営者に対する政治的制裁を優先させ、民間の不動産テべロッパーはほとんど潰れ、今になって不動産に対する規制をいくら緩和したところで、(引渡し前に支払う)購入者たちや投資家たちも被害にあっており、政府がいくら笛を吹いても中国民は踊らなくなっている。
上記のように外需も低迷し、それに加え米日蘭の対中貿易制裁もあり、中国政府当局はその経済政策において、四面楚歌状態に置かれている。
中国の現状
昨年4月・5月は上海ロックダウンで輸出は落ち込んでいた。今年は1~5月でそうした昨年に比べ0.2%しか輸出額が増加していない。
米国のエンティティリストによる中国企業制裁、さらに今年からの米日蘭の最先端半導体や製造技術品の対中輸出規制は中国に大きな影響をもたらしている。
中華思想の習近平主席の中国におけるIT事業の過信が、今日の経済状況をもたらしているともいえる。対中制裁は2018年のZTE制裁からすでに始まっていた。
中国は千人計画でいくら老朽化した優秀な人材を集めても一定レベルまで。米国の最新技術は新しい若い人材により開発されており、米国の先を制することはできない。
白黒猫の中国にあり、習政権は共同富裕論をいきなり持ち出してIT企業の成功者をことごとく潰しており、そうした人材が育つ環境になく、輝星のスタートアップ人材が育つには政権交代が前提となろうか。
そうした中国の電子製品メーカーの多くも米メーカーの中国工場や中国受託生産工場、そうした工場の生産が減少すれば、自ずと韓国の電子製品の部品・部材メーカーも中国への輸出が減少するのは必然であろうか。
中国へはNVIDIA-GPU(A100および最先端のH100)が輸出規制対象となっており、中国はAI用のコンピュータ製造もできない(AMD-GPU「MI250」も規制対象)。また組み込んだ電子製品の製造も中国ではできなくなり、ゲーム機など中国以外でそうした製品は製造されることになる。南シナ海でもやりたい放題の中国が今になってヒステリックになっても遅すぎる。
アリババ・テンセント・百度もクラウド用データセンターAI化の構築は輸出規制で難しくなっている。
中国習政権主導で、2015年ウクライナ停戦合意線で停戦を実現させない限り、中国が欧州であっても信用を回復させることは困難だろう、。チンケなマクロンはドゴールではない。
スクロール→
中国 貿易 ドルベース /10億ドル
|
|
輸出
|
輸入
|
貿易収支
|
20年 億ドル
|
25,903
|
20,667
|
523
|
21年 億ドル
|
33,571
|
26,867
|
675
|
前年比
|
29.6%
|
30.0%
|
29.1%
|
22/5.
|
308
|
229
|
78
|
22/6.
|
328
|
228
|
97
|
22/7.
|
332
|
231
|
103
|
22/8.
|
315
|
230
|
81
|
22/9.
|
321
|
234
|
84
|
22/10.
|
298
|
237
|
85
|
22/11.
|
295
|
213
|
69
|
22/12.
|
306
|
226
|
77
|
22年 億ドル※
|
35,936
|
27,160
|
8,776
|
前年比
|
7.0%
|
1.1%
|
30.0%
|
22年 億元
|
239,700
|
181,000
|
|
前年比
|
10.5%
|
4.3%
|
|
23/1.
|
292
|
228
|
100
|
23/2.
|
214
|
192
|
17
|
23/3.
|
316
|
197
|
88
|
23/4.
|
295
|
227
|
90
|
23/5.
|
284
|
205
|
66
|
23/1~5
|
1,401
|
1,051
|
361
|
22/1~5
|
1,398
|
1,117
|
281
|
前年比
|
0.2%
|
-5.9%
|
28.4%
|