アイコン チョンセ=伝貰詐欺 競売物件急増 自己競落も


韓国では4月に入って、首都圏で伝貰(チョンセ/賃貸保証金)保証金を取られる危機に置かれた借家人が、保証金の回収のために暮らしていた家を競売申請する事例が先月より100件近く増えている。
伝貰詐欺などで、家主から保証金を返してもらえなかった被害が増えた影響と見られる。

 25日、競売情報会社ジジオークションによると、4月に首都圏で競売が行われている物件のうち、借家人が直接競売申請をしたケースが計230件で、3月の139に比べて65.5%増加している。
借家人は通常、伝貰保証保険に加入していない場合、家主が保証金を返さない時に住んでいた家に対して競売を申請する。保証金の回収方法は、競売を通じて回収するのが唯一の回収方法となっている。

 ソウルで借家人が競売を申請した件数は150件で、3月の75件の2倍に増えている。昨年12月の43件と比べると、4ヶ月間で3倍以上に増えている。
伝貰詐欺の被害が集中した建築王=ヴィラ王による仁川地区の詐欺事件、借家人3人が自殺に追いこまれた仁川では4月、借家人の競売申請件数が28件で3月の16件より急増している。

 

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<ソウル首都圏(ソウル+仁川+京畿道)の伝貰借家人の競売申請件数の推移>
2018年、375件
2019年、531件
2020年、637件
2021年、824件
2022年、978件
と2018年から4年間で2.6倍増加している。

今年に入ってからは4月までで、昨年の件数の半分を超える547件(55.9%)が申請されている。
もともとこうした問題はあったが対応してこなかった要因は、公約では国民の味方であっはずの文政権の権威主義への変質にあったものと見られる。
最近の住宅価格の下落により、借家人がいる競売物件はほとんど落札されず、やむを得ず借
家人が「自己落札」を受けるケースも増えている。
首都圏で借家人が住んでいた家を落札した自己落札件数は、2020年の45件から2021年は73件、昨年は105件で毎年増加している。

  金利高で不動産価格が下落しており、カントン伝貰(担保割れ住宅)やセルフ落札は、長期間続く見通しとなっている。
住宅価格と伝貰保証金が下落し、借家人を探すのが難しくなる「逆伝貰難」が随所で続出している。
家主が伝貰価格を下げると既存伝貰借家人が差額分を家主に請求、不動産価格が下がっても伝貰価格を下げ、差額分を支払うよう請求する。このまま、不動産価格が下がれば、伝貰市場が大きいため、家主の破綻、しいては家主に融資している金融機関にも影響が及び、大問題になる可能性がある。
当然、不動産価格が下がるだけでも経済には大きなマイナスとなる。

<不動産価格下落で伝貰も月払賃貸住宅も1/4で更新価格下落>
不動産仲介業者のジップトスは、国土交通部の実取引価格の公開システムを通じて全国住宅の伝貰・月貰(ウォルセ=月払家賃)取引を分析した結果、今年第1四半期(1~3月)に行われた更新契約の中で、直前契約より価格を下げて契約した割合は25%と集計されている。国土交通部が関連資料を公開し始めた2021年以降、最も高い。

 国土部の元喜龍長官は、5兆5000億ウォンの水準に策定された韓国土地住宅公社(LH)の買入賃貸住宅の予算について、「必要ならば、いくらでも再び増額できる。財政当局とは話がついている」と述べている。
以上、韓国紙参照

<不動産価格、下落スパイラルに陥る危険性>
韓国の不動産価格の下落は、日本のバブル崩壊がそうであったように急激な金利上昇にあった。文前政権下の昨年までの5年間で倍に跳ね上がったマンション価格が金利上昇により冷や水を浴びせられ下落している。
韓国の不動産取引で複雑なのは、借家人が不動産価格の7割以上を先に支払い月々の家賃の支払いがない伝貰制度、不動産価格の下落により、伝貰価格も下落していることにある。
下落分を伝貰価格に反映させ差額分の返還を求める借家人、
返せなければ退室するという借家人、
投資に失敗し伝貰の預かり金を返金できない家主が続出、
最悪はこうした借家人が、建築時に融資を受けた金融機関への元利返済ができなくなり、金融機関は担保の建物ごと競売にかけ回収しようとする。
伝貰借家人がいれば、なかなか落札者は現れず、さらに低下した落札価格は不動産価格を大幅に引き下げる作用を持ち、不動産価格下落のスパイラルの一要因にもなっている。

そうでなくとも韓国のGDPを上回る家計負債、その80%以上が不動産関係負債とされる。金利上昇は家計負債が大きく、消費に回る家計の可処分所得にも影響している。
22年末の家計負債は1,867兆ウォン、うち住宅担保貸付金は1,013兆ウォンで54.2%(韓銀資料に基づく中央日報/ほかの報道機関は不動産関係の借入が80%以上としておりギャップが大きい)。
 不動産開発等のPF私募債(残高11兆円以上)も不動産価格が下がれば危機に瀕し、不動産価格を下げる要因ともなる。

↓米国と韓国の金利
対ドルウォンでの為替安は金利差にある。それに加え輸出動向も反映する。為替安は輸入価格を押し上げ、景気に悪影響を及ぼす。
(黒田日銀さんは、「超円安は日本経済にとって良いことだ」と国民完全無視の金融政策を自己満足しながら超長の任期でやっと退任した。後始末不可能な金融緩和での資金垂れ流し)


スクロール→

米韓金利と為替

 

金利

対ドル

住宅

消費者

月末

米国

韓国

ウォン

価格指数

貸出金利

202012

0.25

0.50

-0.25

1,095

 

 

20216

0.25

0.50

-0.25

1,123

 

 

202112

0.25

0.75

-0.50

1,184

 

 

20223

0.50

1.50

-1.00

1,216

-0.06

3.50

20226

1.75

1.75

0.00

1,294

-0.10

3.90

20229

3.25

2.50

0.75

1,430

-0.76

4.71

202212

4.50

3.25

1.25

1,262

-2.91

5.56

20231

4.50

3.50

1.00

1,234

 

5.46

20232

4.75

3.50

1.25

1,323

 

5.32

20233

5.00

3.50

1.50

1,306

 

 

234/27

5.00

3.50

1.50

1,341

 

 

      韓国の住宅購入ローンの金利は最低3%台からとなっている。

 

[ 2023年4月28日 ]

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