LG化学が今年上半期の石油化学事業で上げた営業利益は約12億ウォン(約1.2億円)。上半期の会社の利益全体の0.2%に過ぎない。2022年には同事業利益は約1兆ウォン(約1060億円)だったが、事業環境が一変している。
こうした韓国企業の事例は日増しに多くなってきている。
原因は、中国が政府の大号令(「中国製造2025」/国産国消)の下、補助金を出して生めや増やせやの生産拡大により、米中貿易戦争(中国製のほとんどが25%まの高関税)、欧州はじめ世界経済の低迷、自国経済も不動産政策の失敗から内需不振、消費不況、失業率の増加と低迷している中、生産品は国内では消化できず、勢い海外へ雪崩れを打って出て行き、安価に輸出を拡大させ、世界の商品市場を価格破壊している。
その産業領域は、①鉄鋼・②石油化学・③太陽光セル・④ディスプレイ・⑤電気自動車(EV)・⑥二次電池など現在の韓国の基盤産業領域と一致する。
二次電池のサムスンSDIは10日、偏光フィルム事業を中国メーカーに1兆1210億ウォン(約1190億円)で売却することにした。中国企業の攻撃的な低価格競争で収益性が悪化し、事業売却を決めた。
ポスコの子会社であるポスコフューチャーMも先日、中国企業のOCIと合弁で設立した二次電池の素材企業である「P&Oケミカル」の持分をすべてOCI側に売却することを決定した。
ポスコは、中国の供給過剰などによって本業である鉄鋼と二次電池の業況に影が差し、経営を引き締めることにした。
韓国経済の中枢を支える「重厚長大」産業が一斉に危機に直面しているという警告音が大きくなっている。
中国企業の生産過剰および輸出拡大で、韓国の相当数の製造業種にネガティブな影響が及んでいる。
このような中国の供給過剰は外部の構造的な問題であるため、その衝撃も長期化しうるという懸念も大きい。
中国の供給過剰が続き、韓国の主要事業の環境も厳しくなるものと見通されている。具体的に、上記6大産業の需要と供給が韓国企業に不利だと予想されている。
中国製を含めた製品の過剰供給が需要を大幅に上回り、価格下落など企業の実績に悪影響を及ぼしている。
特定の要因が国内の製造業全般に衝撃を与えるという懸念が提起されている。
中国は、2024年に入り半導体、自動車、造船、太陽光発電セルなど主要品目の価格をさらに引き下げたことで、当該品目の輸出量が前年同期比で40~60%急増している。
多くが韓国の輸出品目と重複しており、韓国が最も大きな打撃を受けるものと予想されている。
中国の最近の内需は崩壊しており、中国政府は内需浮揚の代わりに製造業育成に政策焦点を合わせ、過剰供給がますます激しくなっており、すでに中国製品の品質がかなり高くなっているため、相当数の品目で韓国製との競争が避けられない状況となっている。
実際、LG化学やロッテケミカルなど石油化学企業の実績悪化を招いたのは、中国が「自給率の向上」を掲げて自国製品の生産を大きく増やし、韓国製品の輸入が減ったことが大きく影響した。ここでも安価なロシア産原油の調達により、コストを大幅に低下させており、韓国企業に付け入る隙を与えていない。
この5年間、中国の石油化学の基礎原料であるエチレンの増設規模は約2600万トン、韓国の生産能力の2倍に達している。
以上、
中国政府の補助金のおかげで高速成長した太陽光セルとディスプレイの生産規模は、内需の消費規模の2倍余りにのぼり、EVバッテリーの余剰生産量などもグローバルな価格下落を招き、韓火ソリューション、LGディスプレイなど韓国企業の業績悪化につながっている。
今9月、国内の自動車工場の閉鎖を伴う構造調整に着手したドイツのフォルクスワーゲングループとは異なり、実績好調を見せている現代自動車・起亜など韓国の自動車部門も「安全地帯」ではない。
内燃機関車の電動化が加速し、中国車のグローバルシェアが高くなれば、新興国を中心にEV部門の競争が激しくなることは必至、長期的に原価競争力を備えた中国製のEVが世界を制覇することになる。すでにBYDは中国内で8万元台からEVもPHVも販売しており、海外で販売しても相当な競争力を持つことは間違いない。内燃車が逆に高価格となっており、中国市場における日本車の販売衰退がそれを物語っている。
スクロール→
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中国の自動車輸出
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千台
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前年比
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19年
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1,024
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-1.6
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20年
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995
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-2.9
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21年
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2,015
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101.1
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22年
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3,111
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54.4
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23年
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4,910
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57.9
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2024年
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24/1.
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443
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47.4
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24/2.
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377
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14.7
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24/3.
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502
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37.9
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24/4.
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504
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34.0
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24/5.
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481
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23.9
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24/6.
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485
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26.9
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上期
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2,793
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30.5
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24/7.
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469
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19.6
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24/8.
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511
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25.4
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24/1~8
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3,773
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28.3
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・22/3月の露制裁により自動車の露市場は輸出も踏め、ほぼ、中国勢が独占。
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