アイコン 次世代半導体技術は先端パッケージ技術が鍵・・・韓国勢の弱点


半導体は製造し、その性能・品質に問題がないか瞬時に計測し、問題ありを除外する後工程技術が必須条件、その範囲は発熱や電力消費など多岐にわたり検証される。その歩留まり率が利益を左右する。

韓国の第一人者のサムスン電子の発熱・消費電力問題もそうした検証問題からきている。過去、クアルコムのスナップドラゴンを同社のファンドリー事業部が受注し生産納品、しかし、発熱問題から1年たらずで元の台湾のTSMCに生産委託を変更した。同じくNVIDIAのGPUも同じ経過をたどった。
そして、今回、NVIDIA製AI半導体にセットするHBMの認証試験、再び、同様の問題を発生させ、サムスン製HBMはまだNIVIDIAの認証を得られず、NVIDIAで先行したSKハイニックス製HBMの独壇場となり、SKは業績も急回復させている。

韓国でパッケージング技術が低迷しているのは、文政権下の30%の賃上げにある。そのため、電子製品や電化製品メーカーは韓国製半導体を駆動させるためのパッケージリング技術を企業ごとにバラバラに確立、それも国内では労務コスト問題から製造せず、ベトナムで製造、電子部材のパッケージ化を進めた。それは家電やスマホのサムスンでもLGでも同じであった。

 

スポンサーリンク

一方、台湾勢は中国へ展開していたが、米中対立から、国内やベトナムでパッケージ製品を受注し制作している。台湾勢は海外の多くの顧客を抱え、パッケージ技術者たちもそれぞれの顧客ニーズに応えたパッケージ製品を製造し、提供しており、その対応力が大きく異なってきている。

今般は、最先端半導体をいくつも組み込むパッケージ技術が求められ、TSMCでは自社でそれを構築している。当然、これまでの人海戦術のパッケージ化から、ライン化により自動パッケージ製造。ただ、まだ先端パッケージ技術は確立しておらず、試行錯誤段階でもある。

<韓国素材企業の嘆き>
「長く日本製品を使い続けた半導体エンジニアが、『価格が少し安い』からとリスクを甘受して韓国の素材を使いますか。韓国製素材がどうにか半導体部品表に登録されても、検証が十分でないという理由で無視され死蔵される悪循環が繰り返されます」。・・・韓国の素材企業役員の訴えである。

6月末に台湾経済部は台湾の中小企業が半導体パッケージング装備13種を国産化しTSMCなどから76台の注文を確保したと明らかにした。台湾の半導体大企業TSMCやUMCにどのようなパッケージング装備が必要なのかを中小企業に教え、開発した装備をTSMCの検証を受けられるよう政府補助金で支援した研究開発事業の成果だ。

韓国の半導体素材・部品・装備業界は三重苦に置かれている。人工知能(AI)半導体のカギであり次世代高付加価値産業という先端パッケージング素材・部品・装備を開発したくても「顧客が何が必要かわからず、作ってもこれが正しいのかわからず、検証されないためだれも買わない」もどかしい境遇だ。韓国の半導体生態系が先端パッケージングの絶壁の前に立った理由だ。

AIサーバー半導体用フリップチップ(FC)、広帯域メモリー(HBM)に使われるシリコン貫通電極(TSV)のような先端パッケージングは、半導体の核心材料である円形のシリコン原板のウエハー段階で適用される技術。

ところが、韓国の素材・部品・装備業界では「われわれはウエハーを見ることもできないのにどのように未来技術を開発するのか」という嘆きが出ている。
先端半導体用12インチウエハーの価格が上がっている上に、大量購入するメーカー以外にはウエハーを確保しにくい。


 

[ 2024年9月 5日 ]

スポンサーリンク
  

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧