福井県は2026年10月27日、県が発注した公共工事376件で設計額の算定に誤りがあったと発表した。県の積算システムの保守運用を受託する富士通Japan(株)(神奈川県川崎市幸区、法人番号5010001006767)が、積算基準の改訂に伴うデータ更新作業で誤った数値を入力したことが原因という。
ダンプトラックの運搬に関する施工単価が本来より高く算定され、契約済み310件、完成済み16件、入札中止50件に影響した。県は契約中の工事を継続するとともに、今回の影響により生じた損害について富士通Japanと対応を協議する方針を示している。
ダンプトラックの機械損料を誤入力、施工単価が過大に
福井県によると、問題があったのは公共工事の設計額を算定する積算システム。2026年度の積算基準改訂に伴い、富士通Japanが実施したデータ更新作業で、ダンプトラックの機械損料に関する誤ったデータを入力した。
このため、ダンプトラックによる資材などの運搬に係る施工単価が本来より高く計算され、県が発注する工事の設計額に影響した。
影響期間は2026年7月15日から10月22日まで。福井テレビによると、道路拡幅工事や河川改修工事などが対象となっている。
今回の問題は工事そのものの施工不良ではなく、発注段階で使用する積算データの設定に起因するものとなっている。
376件に影響、契約済み310件・完成済み16件
県が公表した影響件数は376件。このうち契約済みが310件、すでに完成した工事が16件、入札を中止したものが50件となっている。
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区分 |
件数 |
確認状況 |
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契約済み |
310件 |
契約中の工事は継続 |
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完成済み |
16件 |
積算額に誤り |
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入札中止 |
50件 |
予定価格を修正 |
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合計 |
376件 |
県が影響を精査中 |
福井テレビは、県が受注業者に対し、工事1件当たり数万円程度多く支払っていたと見込んでいると報道している。ただし、対象工事全体の過大算定額や損害総額は確定していない。
完成済みの16件については工事品質への影響はないとされ、入札手続き中だった50件は予定価格を修正した上で入札を再開しているという。
外部からの問い合わせで発覚、翌日にデータ修正
県によると、10月20日に外部からダンプトラックの施工単価について問い合わせがあり、翌21日に積算システムのデータを確認したところ、誤りが判明した。
県は22日にシステムのデータ修正作業を実施。その後、影響のあった工事件数などを調査し、27日に公表した。
県は、県民生活を支えるインフラ整備や補修に遅れが生じることを避けるため、契約中の工事については継続する方針としている。
県は富士通Japanと損害対応を協議へ
福井県は今回の問題について、システムの保守運用委託先である富士通Japanと損害への対応を協議する。
再発防止策として、同社に対し再発防止の徹底を求めるとともに、県側も新たなチェック体制を構築するとしている。
ただし、現時点で損害賠償の請求額や支払いの合意、委託契約上の責任分担などは明らかになっていない。
また、誤って入力された数値や正しい設定値、各工事で生じた差額についても公表されていない。
自治体向けシステムを手がける富士通Japan
富士通Japanは富士通グループのITサービス会社。自治体、医療、教育機関などを対象に、システムの開発から導入、運用までを手がけている。
同社の公式情報によると、資本金は122億2,000万円、2025年度の連結売上高は4,610億円、2026年4月時点の連結従業員数は6,700人となっている。
今回の福井県の問題は、システム障害による停止ではなく、積算基準改訂時のデータ入力作業で生じた誤りが、複数の公共工事の設計額に波及した事例となった。
公共工事の積算額は、入札予定価格や契約金額に関係する重要な基礎情報であり、今後は差額の確定と契約済み工事の処理方法、再発防止策の具体化が焦点となる。
富士通Japanの企業概要
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企業名 |
富士通Japan(株) |
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本社所在地 |
神奈川県川崎市幸区 |
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法人番号 |
5010001006767 |
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資本金 |
122億2,000万円 |
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連結売上高 |
4,610億円(2025年度) |
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連結従業員数 |
6,700人(2026年4月時点) |
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事業内容 |
情報システム開発、導入、運用など |
【参考資料】
福井県「県が発注した公共工事における設計額の誤りについて」
福井テレビ・FNNプライムオンライン(2026年10月27日)
富士通Japan・企業情報
経済産業省Gビズインフォ・法人情報
※影響件数は福井県の2026年10月27日時点の公表値。県は現在精査中としており、今後変更される可能性がある。損害総額や賠償額は未確定。