アイコン 韓国へ工場進出する日本企業 政府5月月例経済報告2ヶ月ぶり下方修正  

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政府は23日、5月の月例経済報告で、企業収益についての景気判断を2ヶ月ぶりに下方修正した。
円高の影響で、好調だった企業業績が悪化するとの懸念が出ていることによる。景気全体の判断は「緩やかな回復基調が続いている」として、前月から据え置いた。

4月の輸出額は、前年同月比▲10.1%減の5兆8892億円、為替は前年同月比7.2%円高に振れ、111.2円/ドルとなっている。

輸出が、ボディブローのように減り続けるのは、下記に記載のとおり、日本の製造大手企業が国内に工場を造らず、また中国・東南アジアどころか韓国にまで進出していることによるもの。
輸出額が為替で水膨れしていたが、最近は円高で縮んでいることもある。ところが、数量ベースでは減り続けている現実がある。4月の輸出数量は2010年を100とした場合、90.2ポイント、対前年同月比▲4.6%減となっている。

月例報告では、企業収益について、「非製造業を中心に改善傾向にある」から「改善傾向にあるが、そのテンポは緩やかになっている」に表現を変えている。
原油や天然ガスといった資源価格の低迷で、商社などエネルギー関連企業を中心に業績が悪化している影響も大きい。

一方、住宅建設は「おおむね横ばい」から「持ち直しの動きがみられる」へと、景気判断を9ヶ月ぶりに引き上げた。
マイナス金利政策による金利低下の影響もあり、住宅展示場への来場も活発だという。ただ、将来の需要を先取りしている影響が大きく、今後は停滞気味に推移するとの見方もある。

しかし、不動産経済研究所によると、4月の首都圏の分譲マンションは、
発売は▲13.5%減の1,978戸、5ヶ月連続の減少。契約率は66.4%(昨年4月75.5%、今年3月は67.6%)。
 戸当り価格は平均5,751 万円、m2当たり平均単価は82.6万円と11ヶ月連続の上昇している。

一方、首都圏の4月の建売住宅は、
新規発売戸数は256戸。対前年同月(420戸)比▲39.0%減、対前月(292戸)比▲12.3%減。
契約率は27.3%で、前月の42.1%に比べ▲14.8ポイントダウン、前年同月の39.8%に比べて▲12.5ポイントダウンしている。
・・・これが現実。
以上、

分譲マンション価格は、20東京五輪まで否応なしに上がる。値上がることを政府は物価上昇と喜んでいることから、価格は崩れようがない。しかし、20東京五輪後は、五輪関係の施設建設需要と大型再開発などが一巡し、必然的に値崩れとなる。公共投資も国の借金から絞り込まれることになる。この景気を国の隅々までという建設景気(=大型公共投資)をいつまでも続ける財源はない。
円安で儲けた製造企業が、今も国内で工場などの設備投資をしないのは、日本では人口減少が保証されており、総需要が減退する市場においそれ耐用年数30年・40年の工場を建設できるものではないことによる。設備投資が増えたたりしているのは、利益が出ていることから、機械の更新需要を早めたりしているに過ぎない。

<東南アジアどころか、韓国へ進出した日本の製造企業>
1、自動車のエアバッグ部品やシートベルトなどを製造する芦森工業(大阪市)は5月23日に江原道、同道原州市と投資覚書(MOU)を締結した。原州市内に工場を建設した。芦森工業は、隣接した約9000平方メートルを新工場用地として購入している。

2、トリケミカル研究所(本社・山梨県)は5月16日、韓国のSKマテリアルズと半導体向けに使用されるプリカーサーなどの生産、開発を行う合弁会社を韓国に設立。6月に韓国中部・世宗市の産業団地内に製造工場を建設し、来年初めから生産開始。

3、クラレ(東京都千代田区)は、韓国南東部の蔚山市の蔚山尾浦国家産業団地内でポリビニルブチラール(PVB)フィルム工場の増設に乗り出す。増設の新工場は来年初めから生産に入る。

4、日本パーカラインジング(東京)は、韓国西部、忠清南道の天安市にある産業団地の外国人投資地域内の敷地1万5000平方メートルに金属の防錆油剤と洗浄剤工場を建設。

5、工業用部品メーカーの日本バルカー工業(東京都品川区)は、韓国西部の京畿道・平沢にある梧城産業団地の工場を増設。工場の敷地面積は約5724平方メートル)で、半導体装置用のエラストマーシール(半導体装置の密閉性を維持する部品)を生産。

6、ベアリング日本最大手の日本精工は、韓国西部、忠清南道天安市内にある外国人投資地域の敷地に工場建設、ベアリングを生産。

7、カーエアコン用制御機器などで世界的シェアを誇る自動車部品メーカー、テージーケー(東京都八王子市)は、同じく韓国西部、忠清南道天安市内にある外国人投資地域の敷地に工場建設、自動車用圧縮バルブを生産。

8、自動車部品大手のデンソーは、韓国南部の慶尚南道昌原市の産業団地(8万2845平方メートル)を買い入れ、自動車電子部品の生産工場と研究施設を建設新工場を建設、

9、東レ尖端素材は、全羅北道群山市のセマングム産業団地に、2018年までにポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、PPSコンパウンド(成型前材料)、主原料を一貫生産する工場を建設。

[ 2016年5月24日 ]
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