アイコン ふくおかFGと十八銀行の統合に難問 20店超を譲渡せよ/公取委 急浮上の長崎銀行

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公取委が、経営統合を審査しているふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)と十八銀行(長崎市)に対し、長崎県内の店舗20店超について競合する他の金融機関に譲渡するよう求めていることが24日分かったと報道されている。

公取委は統合後の長崎県内での高いシェアが独占状態に当たると判断し、独禁法に抵触する恐れを指摘したもよう。
関係者によると、店舗は地域に偏りなく譲渡することを求めており、FFGと十八銀行は「顧客の理解を得られない」と反発しているという。
ただ、公取委は現状のままでは統合を認めない方針で、両社は重要な経営判断を迫られる可能性がある。
以上、東京新聞参照

<西日本フィナンシャルホールディングスとの関係>
福岡銀行グループの持株会社であるふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)、これまでにバブルの後遺症から実質破綻した佐世保市の九州銀行(旧九州相互銀行)を同郷の親和銀行が吸収合併、その親和銀行も実質経営破綻して、福岡銀行が傘下に納めた。その後、熊本銀行も含め持株会社のふくおかFGを形成している。

長崎県は、第一地銀として経済圏の異なる長崎市の十八銀行と佐世保市の親和銀行がある。長崎市には第2地銀の長崎銀行があるが、過去の親和銀行の長崎市での活動強化から育たず、現在は小さな信金並みの総資産が2676億円しかない。その親和銀行も今やふくおかFGである。

 
ふくおかFGと十八銀行の統合の行方
/億円
総資産
備考
十八銀行
28,072
ふくおかFGと統合へ
 
 
 
親和銀行
25,957
ふくおかFG傘下
 
 
 
長崎銀行
2,676
西日本FH傘下
 
 
 
ふくおかFG
164,061
熊本銀行も傘下
 
 
 
西日本FH
90,903
豊和銀行傘下予定
・2016年3月期の数値
・ふくおかFGは旧日銀系、現独立系
・西日本FHは大蔵(現財務省)系
 

上記表で、十八銀行をふくおかFGが統合すれば、いかに長崎県の金融機関の寡占化となるかが判然とする。(但し、十八銀行と親和銀行はそれぞれ県外にも支店を有している一方、福岡銀行は長崎市に支店を有している)

3番手の長崎銀行へ十八銀行の20店舗超が移行することになれば、長崎銀行を傘下に持つ西日本フィナンシャルホールディングス(西日本FH)は大喜びだろうが、ふくおかFGにとっては地元福岡で最大のライバルであり、面白くないという現実がある。

ふくおかFGと十八銀行の統合には、経産省が支援しているが、屁のツッパリにもならない。金融行政は、昔から日銀と大蔵省(現、財務省)が司っており、領域を越えることから経産省の出る幕はない。

ふくおかFGは過去、日銀人脈を断ち切っており、公取委も含め財務省や日銀を動かす力は限られている。逆に西日本FHは財務省の流れであり、財務省しか公取委を動かすことはできないだろうが、適わぬことのようだ。

結果、長崎銀行へ十八銀行の20店舗超が移行すれば、財務省からの西日本FHへのプレゼントになるのかもしれない。因みに西日本FHの会長も社長も大蔵省OBだ。

ふくおかFGは最後の抵抗として、20店舗超を譲渡するにしても長崎銀行およびその親会社の西日本FHには譲渡しない可能性が高い。しかし、財務省を敵に回すことにもなる。谷さんがいる間はよいが、もうお歳、谷さん以外に財務省に対し睨み返す力はない。

[ 2017年3月25日 ]
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