ファッション通販のフェリシモ/2月期決算 特損計上で大赤字だが・・・
中・長期購入予約型の通販で衣料品、住宅用品、美容関連などの生活関連品を扱うフェリシモグループが軸足をおく通信販売業界は、カテゴリーリーダーが運営するプラットフォームの成長、ニッチ市場をターゲットにした専門通販の成長に加え、C2C市場の拡大を背景に、緩やかながら拡大基調を持続させている。
このような状況下、同社グループは、主力事業である定期便(コレクション)事業の収益力改善と次代を担う新たな事業の育成に取り組んだ。
定期便(コレクション)事業では、ファッションアイテムについて、デザインを選んでいただける販売スタイルへ転換したことにより、商品購入の利便性が向上したことから返品率が前期に比べ低減したが、継続購入率は前期に比べて低下する結果となった。
結果、当連結会計年度における同社グループの売上高は、309億06百万円(前期比▲10.7%減)となった。売上高が減少したことで、返品調整引当金戻入額及び繰入額調整後の売上総利益は162億03百万円(前期比▲10.8%減)となった。
販売費及び一般管理費は、顧客数の減少により商品送料等の出荷関連コストが減少したことと、広告費効率の改善や人件費をはじめ業務活動全般でコスト削減に取り組んだことにより167億02百万円(前期比▲6.6%減)となったが、売上総利益の減少が大きく、営業損失は▲4億99百万円(前期は営業利益2億75百万円)となった。
営業外損益では、受取利息等の営業外収益が1億12百万円に対して、為替差損等の営業外費用1億06百万円となり、経常損失は▲4億93百万円(前期は経常利益3億74百万円)となった。
また、通信販売事業用の固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき回収可能性を検討した結果、有形固定資産及び無形固定資産について▲68億85百万円の減損損失を特別損失に計上した。
結果、税金等調整前当期純損失は▲74億95百万円(前期は税金等調整前当期純利益7億64百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は▲75億48百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益6億57百万円)となったとしている。
以上、
同社の業績推移を見ると、安定的に営業利益そのものを確保しておらず、抜本的な問題を内包しているように見える。消費不況の中、給与も少しは上がっている発表もなされており、今期の業績が鍵となろう。
フェリシモ
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連結/百万円
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売上高
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営業利益
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←率
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経常利益
|
当期利益
|
15/2期
|
40,726
|
-295
|
|
103
|
-35
|
15/2期
|
37,703
|
-631
|
|
-383
|
-1,921
|
16/2期
|
34,609
|
275
|
0.8%
|
374
|
657
|
17/2期
|
30,906
|
-499
|
|
-493
|
-7,548
|
17/16期比
|
-10.7%
|
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18/2期予想
|
30,197
|
631
|
2.1%
|
674
|
661
|
18予/17期比
|
-2.3%
|
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17年2月期
|
総資産
|
純資産
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自己資本率
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|
29,062
|
14,899
|
51.3%
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