アイコン 日興による日産所有のルネサス株売却の波紋

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SMBC日興証券が仲介した日産自動車によるルネサスエレクトロニクス株式のブロックトレードが、市場に波紋を広げているとロイターが次のとおり報じている。

ルネサス筆頭株主の産業革新機構などによる売り出しが公表される直前の取引だったためで、「タイミングが悪すぎる」との批判も一部の投資家から出ている。
日興との取引を停止するヘッジファンドも出ており、日興が失ったものの代償は小さくなさそう。

<「グレーな取引」との不信感>
5月17日夕方、日産は保有するルネサス株(2400万株)を日興証券に売却、同証券はヘッジファンドを中心とする投資家に買いを打診した。
翌日朝、日興は買いに応じると回答した約10社の機関投資家に売却した。しかし、その日の午後3時、ルネサスが革新機構(69.15%所有)など主要株主による売り出しを発表した。

筆頭株主による売り出しの前に、他の株主が持分を処分しても、売り出しの重要事実を知らなければインサイダーの問題にはならない(革新機構のルネサス株売却の幹事証券に入っていない)。
しかし、今回のブロックトレードは、売り出し直前のタイミングで行われたため、「インサイダー取引を指摘されかねない、グレーな取引ではないか」(外資系ヘッジファンド)との不信感が投資家に広がっている。
革新機構のルネサス株売却については、4月下旬に一部メディアで5月にも実施されるとの報道があり、売り出しが近々決議されるとの認識は一定程度、市場に浸透していた。

日興による投資家への売却価格は934.08円だったのに対し、6月12日に決まった革新機構による売り出し価格は825円。売り出しの公表前にブロックトレードで買った機関投資家は、高い価格で支払いを行うことになった。
ただ、結果的には、機関投資家が所有し続けていれば、6月13日には1150円を付け、ルネサス株は利益を出したことになる。
しかし、地合いが悪く、株価が下がったとしたら、大問題になっていた可能性もある。
15日の同社株は960円、前日比▲92円の大幅安で取引されている(13時55分前後)。
日興関係が一生懸命、株価を底上げさせた可能性はないのだろうか。

日産はルネサス株を2500万株所有(6位、1.49%)所有していた。

<ルネサスの株価推移>
日付
終値
出来高
6月14日
1,052
8,348,700
6月13日
1,150
18,645,300
6月12日
1,037
2,909,200
6月9日
1,037
4,275,300
6月8日
1,016
3,851,200
6月7日
1,039
8,879,500
6月6日
937
2,336,800
6月5日
939
1,845,200
6月2日
950
4,762,000
6月1日
914
2,175,700
5月31日
895
2,585,500
5月30日
895
3,190,000
5月29日
903
3,905,700
5月26日
941
2,077,500
5月25日
961
2,855,100
5月24日
968
4,072,800
5月23日
939
3,321,100
5月22日
948
2,880,400
5月19日
944
18,113,000
5月18日
928
4,797,600
5月17日
973
4,102,100
5月16日
1,023
2,921,800
5月15日
1,029
4,713,600
5月12日
1,031
2,967,400
5月11日
1,122
875,500
5月10日
1,128
1,119,700
5月9日
1,108
1,299,700
5月8日
1,126
1,800,700
5月2日
1,101
1,461,300
5月1日
1,104
2,386,500

 

[ 2017年6月15日 ]
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