中国 主要15都市新築住宅価格落ち着く 70都市では52都市がまだ上昇続く
中国国家統計局が発表した8月の中国主要70都市の新築住宅価格は、前月比で平均0.2%上昇し、7月の0.4%から伸びが小幅に鈍化した。
投機的な需要を抑制すべく当局が規制を強化する中、価格が下落あるいは安定化する都市が増えた一方、大幅な調整や経済に打撃を与える兆候は見られておらず、住宅価格の底堅さが浮き彫りになった。
主要70都市の過半数では依然として新築住宅価格が前月比で上昇したものの、その数は7月の61都市から52都市に減少した。
深センの新築住宅価格は前年比▲1.9%下落し、2015年3月以来のマイナス。前月比では▲0.4%の下落で、マイナス幅が前月の▲0.2%から拡大した。
一方、上海は前年比で2.8%上昇、北京も5.2%上昇となった。前月比では、両都市とも変わらなかった。
国家統計局が住宅市場の過熱を指摘している15都市すべてで3年ぶりに月間ベースの価格上昇がとまった。
今後も、こうした大票田の主要大都市価格は、前月比では落ち着いた動きになるものと見られる。しかし、不動産開発は中国経済の最大の牽引役の一つ、全体的に下がれば、政府や地方都市において、規制緩和措置が取られ、景気浮揚策に利用される。
中国では、株価も国により抑えられ、ビットコインも大規模規制されるなど、投機対象が少なく、その資金が向かうところは不動産投機しかなく、規制緩和されれば、すぐ過熱化する関係。
中国国家統計局の発表によると、1月~8月の不動産開発投資額は、前年同期間比7.9%増の6兆9,494億元(約117兆3,028億円)となっている。
8月の中国主要15都市の新築住宅価格指数
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|||||
城市
|
前年比
|
前月比
|
8月
|
||
8月
|
7月
|
8月
|
7月
|
2015基
|
|
北京
|
105.6
|
109.6
|
100.0
|
99.9
|
132.2
|
天津
|
106.2
|
110.1
|
99.9
|
99.8
|
127.1
|
上海
|
103.2
|
108.4
|
100.0
|
100.0
|
137.2
|
南京
|
105.0
|
109.6
|
99.8
|
99.9
|
144.2
|
無錫
|
113.7
|
119.7
|
99.7
|
100.0
|
134.4
|
杭州
|
108.2
|
111.9
|
99.8
|
100.0
|
133.2
|
合肥
|
105.8
|
111.0
|
99.9
|
100.3
|
148.4
|
福州
|
107.1
|
112.0
|
99.7
|
99.8
|
128.5
|
アモイ
|
105.7
|
109.8
|
100.0
|
100.2
|
151.6
|
済南
|
111.2
|
115.1
|
99.7
|
100.1
|
122.3
|
鄭州
|
111.1
|
117.7
|
99.7
|
99.9
|
129.7
|
武漢
|
109.0
|
112.7
|
99.8
|
100.2
|
128.4
|
広州
|
113.3
|
116.9
|
99.3
|
100.4
|
139.1
|
深圳
|
98.0
|
100.5
|
99.6
|
99.8
|
145.6
|
成都
|
99.7
|
101.0
|
99.6
|
99.9
|
104.7
|
<中国不動産開発投資額の前年同期間比推移>
それまでの8%超の上昇により鉄鋼生産量が(月間)過去最大を更新し続けていた。
こうした中国の鉄鋼需要の動向は、世界の資源価格、鉄鋼価格、石炭価格に大きく影響している。