アイコン 米上院 民主党候補勝利、 少女猥褻疑惑候補敗退 政権の今後の行方

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アラバマ州は共和党の強い支持地盤、12日上院議員の補欠選挙が行われ、民主党候補のダグ・ジョーンズ氏が勝利した。

米議会では、下院は共和党が圧倒しているものの、上院ではこれまで52対48と拮抗していた。
今回の補欠選挙は、共和党上院議員のセッションズ議員が司法長官に就任したことから、行われた選挙であった。

そうした共和党の地盤で、共和党候補ロイ・ムーア候補(元判事)の敗因は、40年前の30歳代だったころ、複数の少女たち(当時)に対する複数のわいせつ強姦疑惑の浮上だった。マスコミが一斉に取り上げた。

当然、ムーア候補は否定したが、この報道で世論調査では支持率が大きく逆転し、10ポイント差以上で民主党候補がリードした。 
しかし、時間の経過とともに、ムーア候補が巻き返し、1週間前の世論調査では、49対43(CBS)でリードしていた。
ところが、トランプ大統領が唯一フェイクニュース社ではないとするFOXニュース社が7日行った世論調査では、50対40と10ポイント差で民主党候補がリードしていると11日に発表した。

トランプ大統領は、自らがセクハラ疑惑にさいなまれる中、ムーア支援のツイッター砲を炸裂させ、わいせつ疑惑や自らのセクハラ疑惑は民主党の陰謀だ、フェイクニュースだといつもの調子で口撃していた。

結果、蓋を開ければ、FOXニュースのとおり、女性票が大きく民主党候補へ傾き、民主党候補が勝利した。
出口調査では、女性の投票行動は、57%が民主党候補に、共和党候補は42%にとどまり、また、18歳未満の子供を持つ夫婦の投票行動でも56%が民主党候補に投票した。

そもそも、共和党候補の予備選では、トランプ大統領が支援したストレンジ元同州司法長官が、超保守のバノン氏(元トランプ大統領の首席外交補佐官兼上級顧問)が支援した保守強硬派のムーア氏に敗れる大波乱が生じていた。

その後、勝利したムーア候補に、複数の少女わいせつ疑惑(40年前)が報道され、トランプ大統領も、少女わいせつ疑惑が事実だったら、候補を辞退すべきだとムーア氏に呼びかけていた。当然、ムーア氏はそうした疑惑を強く否定し、選挙に挑んでいた。

今回の選挙では、共和党地盤での敗退も痛いが、トランプ政権にとっては、上院では51対49となり、大きな痛手となる。
大統領選挙当時から、トランプ氏を嫌う上院議員も多く、あの手この手でそうした議員をトランプ大統領に靡かせてきていた。
共和党を支配する石油資源会社のコーク兄弟(ユダヤ人兄弟)のフリーダム・コーカス一派(トランプケアを否認した共和党の議員集団・ティーパーティ派)も、トランプは、コーク兄弟向けにパイプラインの敷設を認可し、ましてやエルサレムの首都承認により、完全にトランプ派に組み入れている。

<トランプによる希少価値の共和党上院議員タタキ>
そうした中でも、共和党上院のジェフ・フレーク議員は、トランプ大統領のツイッター砲で何でもかんでも晒され、何回も批判された。頭に来たフレーク議員は、次の選挙には出馬しないと捨て台詞を吐き、ホワイトハウスは今や「大人の保育所 」だとツイートするなど、トランプに決別宣言を行っている。
こうしたジェフ・フレーク議員も51の共和党議員に含まれている。
共和党重鎮で上院軍事委員長のジョン・マケイン議員もトランプには批判的だ。

<減税案の行方>
目下、トランプ政策の大きな目玉である減税案は、下院案と上院案がそれぞれ可決されている。今後、上院と下院とで調整が必要であるが、両案の決定的な違いは、上院案では実施時期を1年後としているところだ。
共和党が圧倒している下院では、トランプの思惑通りの法案が可決されたが、こうした選挙の結果を見て、上院が下院と妥協することは難しくなる。

<中間選挙への影響>
それに加え、来年11月に行われる中間選挙、上下院それぞれの選挙が行われるが、共和党議員が、このままトランプと付き合っていれば、選挙民に批判され、選挙で負ける可能性もあり、トランプ離れが雪崩現象を起こし加速する可能性があると指摘されている。

<米・上下院の選挙制度>
上院・任期は6年、2年ごとの選挙で1/3が入れ替わる。定数100/現行 共51:民49

下院・任期は2年、2回に一回は大統領選挙に平行して行われる。大統領選と重ならない選挙を中間選挙という。定数435/現行 共240:民193・欠2

<証券・為替市場>
ただ、こうした上院補欠選挙の結果を受けても、NY株式市場はびくともせず上昇している。すでに証券バブルの領域に入っているものと見られる。
FRBは利上げ(1.25⇒1.50)を決定(1.25⇒1.50)したが、予想されていたこともあり、円高も1円前後と112円50銭前後止まりとなっている。

 

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[ 2017年12月14日 ]

 

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