アイコン 韓国GM 文政権を根底から揺るがす問題に発展する可能性 リストラか撤退か

 

 

韓国の文在寅大統領が窮地に立たされている。米GMが韓国事業を縮小・撤退問題は、文氏が政治的に失速する可能性を秘めている。
文氏は昨年5月、雇用創出を公約に掲げて大統領選に勝利した。その後、公的部門において数十万人の雇用を生むために約11兆ウォン(約1兆円)規模の補正予算案を編成した。
公務員の雇用増を計り、また、内需拡大に向け、今年から16.4%もアップさせた最低賃金、産業界の非正規雇用者の正規雇用への移行も主導してきた。

しかし、韓国GMに対して、救済のために税金を投入すれば、国民の反感に直面することになる。
GMは、韓国事業を再編し継続するために、韓国政府の支援を求めている。

GM韓国の株式17%を保有する韓国産業銀行には十分な財源があるものの、同社への資金援助は国民の反対に直面する可能性があり、政治的に難しいだろうと政府当局者は話している。

「税金を使って民間企業を支援することに対して、国民から反発が起きる可能性から逃れることはできない」と、ある政府当局者は匿名で語った。

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<文政権を誕生させ、支持基盤の労組>
加えて、韓国では若者が正規雇用の職を見つけることがますます困難になる中、貴族労働者と呼ばれ、年から年中事あるごとにストをし、好戦的で有名な自動車労働者組合に対する世論の支持は低下している。
しかし、一方で、自動車労組こそ文政権を誕生させたロウソク民心の重要なセクターの一つでもある。

<韓国GM救済に厳しい世論>
22日リアルメーターが実施した調査では、30%がGMに対するいかなる公的支援にも反対だと答え、56%は、同社が実現可能な再建計画を提示した場合のみ支援に賛成だと回答、雇用を守るために政府は無条件で公的資金を注入すべきと答えたのは僅か6%しかいない。

しかも、サムスン電子やロッテなど大企業の汚職スキャンダルが問題になる中、文大統領としても政府が韓国GMに融資介入することは、政府と企業の関係強化とみなされ批判を受けるどころか、格好の前例になってしまうおそれもある。


これまでの政府による民間企業への介入は、必ずしも成功してきたとは言い難い。
政府は、造船大手の大宇造船海洋f大宇財閥を解体時から、これまで軍需企業としての位置づけもあり売却できず産業銀行傘下に置いてきた。しかし、この間、安値受注がたたり巨額粉飾決算を露呈させ、2015年以降だけでも1企業に対する過去10年以上で最大となる7.1兆ウォン超の公的資金を注入して救済しているが、同社を含め韓国の造船セクターは依然低迷し続けている。

<組合と失業、サプライチェーンへの影響甚大>
大統領府は先週、GMが工場を閉鎖しようとしている群山市を、影響を受ける労働者が経済支援を受けられる「雇用危機地域」に指定することを明らかにした。
一方、GMは、韓国にいる全従業員約1万6000人に対し、依願退職プログラムの提供を始めた。

また、GMが韓国から完全撤退した場合、同社のサプライチェーンにもその衝撃は波及し、国内に14万人いるサプライヤーや下請け業者もリスクにさらされる恐れがある。
韓国自動車業界(5メーカー)は、日産車を生産するルノーサムスンを除き、マイナス成長となっている。
(現代▲6.5%減、起亜▲7.8%減、双龍▲7.8%減、韓国GM▲12.2%減、ルノーサムスン7.6%増/世界販売台数)
韓国GMのサプライヤーを吸収できる韓国の自動車メーカーはいないのが現実。

韓国GM富平工場で働くベテラン従業員は、「文在寅大統領が、この問題を適切に解決することができなければ、雪だるま式に悪化して、もっと大きな問題となって大統領自身に跳ね返ってくるだろう」、「文在寅政権は、雇用を創出するのと同じくらい、雇用を守るべきだ」と話している。

<自動車労組に対する韓国民の反感>
厳しい労働市場に苦しむ韓国民から「貴族労働者」と揶揄される大企業の自動車の労働組合のために雇用を救済することに、国民が同情的でないことも問題を複雑にしている。

多くの若者は、そのような労働組合について、年配の労働者が子どもの大学費用や車の購入費を賄えるよう寛大な条件を守るための団体と見ている。

若者の失業率は昨年、9.8%と過去最悪を記録。これは全国平均3.7%の約3倍に上り、また就職を諦めた人も含めると20%を超えてくる。

GM幹部側は、韓国の比較的高い賃金と頑固な労働組合が、韓国事業における問題の一因だとしている。
(因みに現代自動車の従業員の平均賃金はトヨタよりかなり高く、1台当たりの生産時間も落ちる)
だが、GM韓国の労組幹部は、欧州でシボレーブランドの販売終了後、韓国での生産を減らした会社側の判断を非難している。韓国は2011年からEUとの自由貿易協定を締結し、GMの国際戦略において主要な輸出拠点となっていた。

(昨年2月GMは傘下の独オペルをプジョー・シトロエングループ(PSA)に売却、昨年は引き続き韓国GM産車を約16万台販売してきたが、10工場を持つオペル再建のためPSAは、韓国GM産車の販売を止め、グループ生産車に切り替えるともいわれている)

保守政党である自由韓国党のHam Jin-gyu氏は、GM韓国と組合の両方が譲歩しない限り、どのような公的資金にも反対だと言う。

「GM本社に(韓国GMに対する貸付金につき、高金利による回収など)不透明な経営の責任を取らせることなしに、また、強硬姿勢を貫く貴族的な組合から痛みを分かち合うという約束を取り付けることなしに、(政府は)税金をつぎ込むべきではない」としている。

<長年の警告>
一部韓国民の間では、韓国愛が強すぎ、利益を海外移転する外資系企業への根深い不信感があり、GMのような米企業への支援はとりわけ論争の的となる。

米韓関係は現在、米トランプ大統領が両国間の自由貿易協定(FTA)の再交渉を主張、すでに
鉄鋼につき、高い関税を検討するなど難しい時期にある。
「トランプ氏がタカ派保護主義の姿勢を強める中、韓国政府が税金を投入したら国民は快く思わないだろう」と、対外経済政策研究院(KIEP)のエコノミストは指摘している。

GMは債務の株式化(貸付金約3000億円を株式化)と韓国事業への新たな投資を提案している。一方、韓国政府側は、支援するにはまず同社とその「不透明な経営」への監査を実施する必要があるとし、時間稼ぎの状態。

「非常に多くの職が危機的状況にあり、GM問題にどう対処するかは政府の政策に関わるものだ」と、韓国産業銀行の当局者は言う。
「それ故、政府と当行は、単に結論を急ぐわけにいかない。誰かが自分は病気だと言った場合、われわれはまず問題を見つけるためにその腹部を切開する必要がある」と。

ただ、韓国GMは資本主義社会の企業、親会社がどうであれ、経営が行き詰れば倒産するか、撤退するしかない。赤字を垂れ流し続け、親会社のGMが赤字で不足する資金を貸し続ければ、返済見込みなしとして減損処理するしかなく、GMの株主がそうした経営を許さない。

文政権にとって、ロウソク民心を喜ばせる政策を執行しても経済本体が良くならなければ、問題は解決できず、米・中との貿易問題の対応も難しく、貿易立国の韓国経済を失速させる可能性、さらに北朝鮮問題という軍事問題も抱え、難しい問題が山積している。

北朝鮮から提供された飴をしゃぶった政権与党のともに民主党議員や長老たちは、好き勝手な発言を繰り返しているが、文政権自体はだんだん野壷に嵌りつつある。

ロウソク民心教の信者たちに対する判断を誤れば、文政権から離反の動きが加速し、現在の高い支持率も失速する恐れが出てくる。
ブームはいつか過ぎ去り、繋ぎ止める薬もなくなるが、すべての良薬は内需経済の活況しかない。

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[ 2018年2月26日 ]

 

 

 

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