アイコン 韓国経済 年初から試練の2018年

 

 

韓国経済が年初から試練を迎えていると中央日報が次のとおり掲載している。
韓国産鉄鋼の米国輸出が塞がる危機に直面し、韓国GM事態と最低賃金上昇で雇用状況がさらに悪化するという懸念が強まっている。
回復傾向だった景気は勢いが弱まるという声が聞かれ、2030年には潜在成長率が1%台に落ちるという予想までが出てきた。

<米国が韓国製鉄鋼製品への高関税設定の動き>
米商務省は、旧正月連休中だった16日(現地時間)、鉄鋼・アルミニウムに対する高関税またはクオータ(割当)賦課を提案する内容の報告書をホワイトハウスに提出した。通商拡大法232条は国家安保に脅威を与えると判断されれば輸入制限ができるよう規定している。すなわち、輸入される鉄鋼とアルミニウムが米国の安保を脅かすだけに規制を加えてもよいという論理だ。

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このうち韓国に関係があるのは鉄鋼
米商務省は、
▼すべての国に一律24%関税
▼韓国・ブラジル・中国・コスタリカ・エジプト・インド・マレーシア・ロシア・南アフリカ・タイ・トルコ・ベトナムの12カ国に53%関税
▼国別に対米輸出額を昨年の63%に制限
などの案を提示している。

鉄鋼業界の関係者は「53%の関税が追加で賦課される場合、米国への輸出は事実上ふさがることになる」と話した。
すでに韓国の鉄鋼輸出業界は非常に良くない状況。鉄鋼協会によると、昨年米国に輸出した鉄鋼材は355万338トン(11.2%)と、前年(374万358トン)比で20万トン近く減り、ピークだった2014年に比べると半減している。
(韓国からの輸出は減っても、海外工場からの米輸出が増加している可能性もある。トランプは見過ごさない)

米国は、すでに洗濯機と太陽光パネルにセーフガード(緊急輸入制限措置)を発動し、韓国企業に打撃を与えている。各種韓国産製品に対する反ダンピング調査も次々と進行している。

内需回復ペースが予想より遅い状況で米国の相次ぐ保護貿易措置で韓国の輸出が悪影響を受ける場合、経済全般に相当な打撃を受けるしかない。

 韓国政府は韓国の鉄鋼製品に対して米国が通商拡大法232条を適用し、高い関税を賦課するならば、WTOに訴えるとしているが、審査からは審判まで3年はかかり、審判が出るころには時代が変わっている。
こうしたことから中国は、米国が自国産鉄鋼製品に232条を適用し、高い関税を適用するならば、報復関税を課すと態度を硬化させている。

<韓国の失業率>
雇用問題はさらに深刻。経済協力開発機構(OECD)によると、韓国は33加盟国のうち唯一、4年連続で失業率が悪化した国となった。
韓国の失業率は2013年3.13%、14年3.54%、15年3.64%、16年3.71%、17年3.73%と上昇している。(韓国は就職のための食いつなぎの超短期のバイトなども就労者計算にカウント)
  韓国では高齢者=65歳以上の就業者率が2015年15.1%に達している。

一方、2010年に8.34%まで上がったOECD33加盟国の平均失業率は7年連続で低下し、昨年は5.78%となった。世界金融危機前の2007年(5.63%)水準をほぼ回復した。

 

韓国の2016年の年齢層別構成
人口5,100万人
 
年齢層
割合
人口/万人
年少人口
0~14
14.1%
720
生産人口
15~24
13.5%
690
25~64
59.7%
3,040
高齢者人口
65歳以上
12.7%
650
・高齢者の就労率は30.6%で約200万人。
 


2018年1月の若年層(15~29歳)の失業率は0.1ポイント悪化し8.1%、雇用の逆風が続いている。
若年層の「体感失業率」は21.8%で、前年同月より0.8ポイント改善。これは失業率の統計には表れないアルバイトをしながら就職活動をする人や入社試験に備え留年した学生などを含めた雇用補助指標。

<赤字続きのGM 韓国から撤退の可能性>
韓国は今年に入っても1月の失業者数がまた100万人を超えるなど、雇用状況が好転する兆しが見えない。こうした状況で韓国GMが韓国撤収を公式宣言すれば、大量失業事態が発生し、雇用指標が深刻な水準になると予想される。
韓国GM関連の雇用人材は職員1万6000人、協力会社14万人など15万人を超える。さらに関連会社や家族を加えると30万人が韓国GMに依存して暮らしている。

GMは、撤収を武器に政府に支援を要求している。政府と2大株主の産業銀行は「韓国GMの実態を把握してこそ資金支援を議論できる」という立場。GMが「重大決定」のデッドラインとして今月末を提示した状況であり、時間は迫っている。

<最低賃金の急上昇>
最低賃金の上昇(今年16.4%上昇)が、雇用に悪影響を及ぼすという懸念もまた提起された。
国際通貨基金(IMF)は18日、「最低賃金の追加引き上げは失業率を高める」と警告した。
IMFは「今年の最低賃金引き上げは低所得労働者の所得を増やし、全般的な消費を増やして経済成長を後押しするだろう」とし、「しかし、最低賃金の追加引き上げは最低賃金を平均賃金に近づけ、失業率を高めるなど、経済に打撃を与える可能性がある」と指摘した。

このため「追加引き上げをする前に今回の引き上げによる影響を徹底的に評価する必要がある」とIMFは勧告した。(文大統領は1万ウォンにすると公約、毎年15%以上3年間上昇させることになる)

またIMFは「フランスが1970年代に急激な最低賃金引き上げで賃金不平等を縮小させたが、低熟練労働者と青年が労働市場の外に押し出され、失業率が急激に上昇する副作用を経験した」と例示した。

景気回復傾向も弱まる兆候が表れている。
KDIは今月初めに発表した経済動向2月号で「生産と投資の増加傾向が鈍っている」と指摘した。
実際、全体産業生産は昨年7~9月期の3.9%増から10~12月期には0.5%減となった。
設備投資も昨年1~3月期18.1%、4~6月期17.7%、7~9月期20.6%と高い増加率が続いたが、10~12月期には1.9%に急落した。
(そのほとんどが半導体や有機EL工場の設備投資)

キム・ヒョンウクKDIマクロ経済研究部長は「今すぐに景気が悪化するわけではないが、このような傾向が3、4ヶ月ほど続けば景気改善傾向の余力が弱まるだろう」と述べている。

生産と投資のほかにも懸念される指標が次々と出ている。
OECDが1月発表した韓国の昨年11月基準の景気先行指数(CLI)は99.9と、2014年9月以来38ヶ月ぶりに100を下回った。OECD景気先行指数は6~9ヶ月後の景気の流れを予測する指標。100を基準にそれ以上なら景気拡張局面、以下なら景気下降局面を意味する。
昨年の韓国の製造業平均稼働率は71.9%と、通貨危機以降の最低水準となった。
(昨年のGDPは3.0%と前年より拡大。しかし、中身はサムスンとSK・LGの電子御三家の輸出によるものだった)

韓国銀行(韓銀)が発表した1月の企業の景況判断指数(BSI)では中小製造業と内需企業の体感景気が13ヶ月ぶりの最低水準となった。
韓国経済研究院の600大企業BSIの2月の予測値は21ヶ月連続で100を下回った。季節的変動が大きい要因を除いたコア物価(農産物および石油類除外指数)上昇率も先月1.1%にとどまり、通貨危機直後だった1999年12月の0.5%以来18年ぶりの最低水準となった。
物価が落ちることは経済活力が低下していることを意味する。

韓国経済が以前から課題とする長期潜在成長率低下に対する警告もまた出ている。
IMFが2月18日に発表した韓国政府との年次協議結果報告書によると、IMFは「韓国経済の潜在成長率が2030年代になれば年平均1%台に落ちる」と予想した。
労働人口が減り、雇用増加傾向が弱まり、2020年代に2.2%に下落した後、2030年代は1.9%、2040年代は1.5%、2050年代には1.2%まで落ちるとIMFは見ている。
韓国政府は、潜在成長率を高めるために各種政策を出しているが、IMFは悲観的に眺めている。
韓銀によると、1990年代まで7%だった韓国の潜在成長率は昨年初めて3%台を下回り、2.8~2.9%水準に低下した。
IMFは、
▼急速な高齢化
▼サービス部門の低い生産性
▼労働・生産市場歪曲など構造的問題
を潜在成長率下落の原因に挙げた。
これと共に社会保障制度の拡大、生産性向上と労働市場参加拡大のための構造改革が急がれると勧告した。

IMFは、生産市場規制と雇用保護の緩和、税収のうち消費税と財産税の比率拡大、保育手当引き上げ、積極的な労働市場政策拡大などの政策パッケージを導入し、韓国が10年以内に必要な構造改革を施行すれば、10年間年平均潜在成長率0.6%ポイント上昇効果を得ることができると見ている。
以上、韓国紙数紙参照

韓国経済を牽引しているサムスンの有機ELと半導体、iPhoneXのディスプレイ向け有機ELを全量納品しているサムスン電子は2月20日、iPhoneXの販売失速から、有機ELを当初計画から4割ダウンに変更したと報じられている。当然、半導体の販売にも影響する。当然、販売価格も落ちる。

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[ 2018年2月20日 ]

 

 

 

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