アイコン 森友一周年/財務省「書き換え」事件はなぜ起きたのだろうか

 

 

朝から各局森友報道、まさか一年も引っ張るとは誰が想像できただろうか。

まあ、それ以外に野党がなにもないことの証左でもあろう。

政権の初期対応のまずさもあるが、陳情が悪だという風潮にもってこれたマスコミ・野党の粘り勝ちである。

きょうも、(農と島のありんくりん)を読んでみてください。

 

農と島のありんくりん:財務省「書き換え」事件はなぜ起きたのだろうか

レックス・ティラーソンが解任され、CIA長官だったマイク・ポンペオが就任したようです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-13/P5J5PI6S972A01

ポンペオは強硬派として知られており、この人事は米朝会談が決して安直な直線上にはなく、米国は会談に向けていっそう北を万力で締めつけける決意であることを示しています。

これについては米朝会談の評価とともに、今週中のどこかで記事としてまとめるつもりです。

さて、春一番も吹かない前から、日本の政局は大嵐のようです。

    「学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書の書き換え問題で、安倍政権への信頼が揺らぎ始めた。野党は麻生太郎副総理・財務相の辞任を要求し、安倍晋三首相への追及も強めている。官邸は事態の沈静化をめざすものの求心力が低下すれば、9月の自民党総裁選での首相の3選が不透明になる。各派閥も影響を見極めようとしている」
    書き換え問題で安倍1強失墜 野党、内閣総辞職迫る 日本経済新聞
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28030240S8A310C1EA2000/

この記事はメディアの誘導方向がよく現れています。

野党とメディアは、連日「書き換え祭り」に興じているようですが、マーケットは至って冷静で、「書き換え」の内容を見て、政局にならないとみているようです。

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Http___o_aolcdn_com_hss_storage_midhttps://www.huffingtonpost.jp/2018/03/12/taro-aso_...

今回の「書き換え」事件は悪質そのものでした。弁解の余地はまったくありません。

おそらく今後、統合されてひとつになるでしょうが、公文書変造、公務員倫理規定違反、国会法違反、情報公開法違反などで、司直の手が入る可能性があります。

ただし、決済価格の書き換えのような重大文言ではなかったために、微妙な部分もあるようです。

さて国民としては、政局にのみに眼を奪われるのではなく、何が問題の本質だったのか立ち止まって見るべきです。

さもないと、麻生・安倍の首は獲ったが、主犯の財務省はなにひとつ変わらなかったで終わってしまいます。

では、いったいどうしてこの事件が起きたのか、現時点で分かる範囲で整理してみましょう。

佐川前理財局長はこんなことを国会答弁していました。

    「適正な取引だった」
    「書類は全て廃棄した」
    「新たに事実確認をするつもりはない」
    「システムを変更すれば、データは全て消去される」
    「メールは一定日数が経過すれば自動消去されるシステムになっている」(後に撤回)
    「学園側からの要望を受けて土地価格について事前交渉した事実は一切ない」
    「事前交渉はなく、また記録も残っていない」

全部嘘です。

当初、財務省は知らぬ存ぜぬ、ございませんで通ると甘く見ていました。

麻生氏はこの財務省の言い分を、そのまま国会で答弁してしまいます。重大な失敗でした。

このことについては、財務省浄化のめどをついたら責任をとってもらわねばなりません。

それはさておき、政府もやがて佐川答弁の異常さに気がつくことになります。

それは国会議員に提出された文書が複数あり、その内容に違いがあることが明らかになってきたからです。

政府は法務省を動かして、大阪地検が押収していた財務局のPCのHD内に書き換え前文書が残っていたことを見つけ出します。

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Oyt78esi財務省「決済文書についての調査結果」(2017年3月12日)
www5.sdp.or.jp/policy/policy/data/180312.pdf …

ま、もっとも自動消去されるというのは半分は事実で、去年夏に財務省はシステム変更を行い一定時間たったデータは自動消去するようなシステム変更をしていました。

それにしてもなんと非常識な文書管理システムでしょうか。そもそも、後に問題が生じたためにデータは保管しておくのが常識です。

このような脱税常習犯がやるようなことを、こともあろうに現職の国税庁長官がやり、それをマルサの得意技のはずのHD洗い出しでバレるというみっともなさの極み。

結局、お気の毒なことには、上書きしてもHDに残るという初歩的コンピュータ知識がなっかために暴露されることになります。それも別官庁によって、という二重の恥さらしです。

また、この近畿財務局の「書き換え」は14ありましたが、そのうちひとつは去年あった情報開示法による開示後にされていました。

情報開示後に書き換えてしまっては、情報開示法が無意味になります。

では、どうして去年夏にデータの自動廃棄を決めたのでしょう。

0314_08.jpg

この理由もわかりきっています。佐川局長のデタラメ答弁の尻拭いをするためです。

たとえば佐川局長は、「「学園側からの要望を受けて土地価格について事前交渉した事実は一切ない。記録も残っていない」と答弁してしまいましたが、もちろん事前交渉もしていましたし、交渉記録も残っていました。

このへんの経過はかなり細かく書きましたので、そちらを参照ください。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/post-18ed.html

近畿財務局はあんなボロ土地は産廃置き場ていどにしか使えなかったものを、欲張って有償にしようとして墓穴を掘りました。

国有地が学校法人や、公園などの公共施設に無償で土地を供与することはよくあることです。

それを欲張って相対の随意契約でやってしまいました。本来は競争入札ですべきなのです。

おまけにその交渉過程で、買い主の籠池氏が名刺詐欺師よろしく有力者の名刺や写真を持ち歩いては「オレはグレートだぜ。首相夫人はダチだし、有名議員がいる日本会議サマだぁ。さぁまけろや」とやったものですから、いっそうおかしな展開となりました。

籠池氏が文科省に相談していれば、無償貸与の道などひらけたものを、バカなことです。

籠池氏のハッタリに危機感を感じた財務局職員は、後々にこんな言い分はしっかりブロックしましたという証拠を残そうとして、ご丁寧に文書にまで残してしています。

これが文書に何人かの議員の名などと共に、首相夫人の名前が登場する理由です。

こんなことが罪になるのなら、騙ったほうは問題なく、騙られたから悪いということになってしまいます。

このような現場での経緯を知ってか知らずか、あろうことか上司が、「ございません。記録もありません」と言ってしまったのですから、財務局職員はパニくったのでしょうね。

かくして下僚たちは、雲の上の人の答弁内容と辻褄をあわせるべく、せっせと文書の上書きに励むことになります。

かつて私もある国家認証をとるために膨大な文書を作った経験がありますが、ひとつを改竄すると別の場所が狂い、そこを直してもどんどんおかしくなるということを知りました。

文書はひとつの体系ですから、改竄すれば必ずバレるのですよ。

今回の財務局の「書き替え」の数の多さに仰天するでしょうが、それは辻褄合わせによる玉突き現象で同じ文言を消したからなのです。

財務省はなまじ捜査権を持つマルサの親玉であるだけに、自分だけはごまかし通せると楽観していたのでしょうね。

この「書き換え」に財務省上層部が直接指示していたのか否かは、現時点では不明です。

佐川氏を擁護する気などいささかもありませんが、近畿財務局のお役人がトップのピンチを「忖度」した可能性のほうが高いと思います。

あればダイレクトに佐川氏は完全にアウトで、塀の向こう側で麦飯を食ってもらわねばなりません。

[ 2018年3月14日 ]
 

 

 

 

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