アイコン 韓国GM 期限の4月20日どうなるのか 支援か破綻か撤退か

 

 

販売不振から窮地に陥っている韓国GM、GMは4月20日に韓国GMの法定管理申請の期限を設け、韓国政府および政府系の産業銀行に対して支援を申し入れているが、政府は結論を先送りさせ続けている。こうしたなか、労組による韓国GM社長室破壊事件などもあり、GMは韓国GMへの渡航禁止令を発布するなど、期限を控え緊迫した事態を迎えている。

<経緯>
元々、大宇自動車、2000年に大宇財閥が経営破たん、1972年から資本参加していたGMが2002年に買収してGMDAT(GM大宇オート&テクノロジー)に、2011年に韓国GMとし今日に至る。

<株主構成>
米GMの持株比率:77%
政府系産業銀行(KDB/政府系銀行):17%(正確には17.02%)
中国・上海汽車:6%

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<資産処分特別決議拒否権>
2002年に韓国GMが買収に当たり、政府系の産業銀行はGMに対して15年間の資産処分などに関する特別決議拒否権を有していた。
当特別決議拒否権は2017年10月に時効が成立した。

<リストラ計画>
韓国GMは、販売不振から生産台数が減少し続け、今年5月までに従業員2000人の群山工場の閉鎖を今年2月発表した。
現行16,000人の従業員を5,000人減員すると政府側に伝えた。
希望退職者募集に2600人応募した。
群山工場の閉鎖も含め労組と対立。
4月初めに支払う約束の昨年の成果給の半分の支払いを資金繰りのため支払いできないと労組側に通知し、社長室占拠事件を引き起こす。

<融資金の株式転換における資本構成問題>
GMは、
(1)韓国GMへの融資金27億ドルを返済しなくてもよくなる株式転換により財務体質強化を検討している(DES)。
(2)また、産業銀行に対して、昨年の成果給の支払金や今般計画しているリストラに伴う資金手当融資を要請。
(2,600人が応募/2,000人の群山工場閉鎖分も含む/全体で5,000人のリストラを表明)。
(5,000人リストラの場合、費用は約1000億円必要)

一方、政府系の産業銀行は、
(1)当面の運転資金の融資と引き換えに、期限が切れた資産処分などに関する特別決議拒否権の回復を要求。
(2)GMが27億ドルを株式転換した場合、産業銀行の持株比率が現行17%から1%まで減少することから、現行持株比率が変わらないようにする差等減資を要求している。
(GMは2点とも到底飲めないだろう)
産業銀行の韓国GMに対する融資額は不明。その融資金の一部を現在の持株比率と変わらないようにするため、比例して株式転換することは、国民開示事項により、困難と見ているようだ。

<問題点整理>
1、4月支払い予定の昨年の従業員の未払い成果報酬の半分支払い72億円を延期。
昨年の幹部の成果報酬の未払い5億円・・・管理職としてカットされる可能性あり

2、2,600人の希望退職者に対する退職金572億円・・・4月までに要支払

3、5,000人の削減計画(現行16,000人)、労組と対立

4、GM本体からの借入金は27億ドル(約2,900億円)・・・債務の株式化DES示唆
(1)3月末GM本社への返済金720億円再延期済み(昨年末返済予定分)
(2)2月末支払い予定分も再延期済み(昨年末返済予定分)
(3)別途、4/1~4/8までに支払予定のGM本社への返済分988億円を延期。

5、GMは、労組とのリストラ合意および産業銀行の融資支援がなければ4月20日に法定管理に移行する可能性を示唆している。

撤退ともなれば、従業員の直接の失業問題どころか、10万人以上とされる従業員を抱えるサプライチェーンの多くが連鎖倒産の危機に陥る問題を抱える。孫会社など換算すれば30万人に影響があるとされている。・・・最悪の事態を回避するため、韓国政府も苦慮。

6、今年も販売不振が続く、
韓国GMの生産車は3/4が海外販売され、韓国での販売は1/4にとどまっている。
世界販売車の製造はGM本社が決定している。売れ筋SUVの生産が韓国GMにないことも問題視されているが・・・。
販売では、韓国GMの生産車は、FTA締結により欧州販売も多く、2015年のGM本体の欧州撤退の影響や2017年のGM系独オペルの売却なども影響している。

7、GMとしては韓国GMに対する債権が大きく、破綻を避けたいところ。株主の上海汽車や韓国・双龍自動車を傘下に持つインドのマヒンドラあたりに売却する可能性は残る。ただ、韓国特有の労働問題が横たわる。
いくら治外法権国の韓国のGM労組が、いくら強くともGMに撤退されてはその存在価値そのものがなくなる。(米トランプは韓国からGMが帰ってくるぞぉと喜んでいた)

韓国GMの世界販売台数推移
世界販売台数
うち韓国での販売
 
販売台数
前年比
販売台数
前年比
2010年
1,000,000
 
1,000,000
 
2012年
800,639
 
145,702
 
2013年
780,518
-2.5%
151,040
3.7%
2014年
630,532
-19.2%
154,381
2.2%
2015年
621,872
-1.4%
158,404
2.6%
2016年
597,165
-4.0%
180,275
13.8%
2017年
524,547
-12.2%
132,377
-26.6%
18年1~3月
120,386
-15.9%
19,920
-47.1%
1月
42,401
-9.5%
7,844
-32.6%
2月
36,725
-19.0%
5,804
-48.3%
3月
41,260
-18.9%
6,272
-57.6%
 
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[ 2018年4月17日 ]

 

 

 

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