東証1部上場の日本海洋掘削(株)(東京)/会社更生法申請 負債額は900億円
日本海洋掘削(株)(東京都中央区日本橋堀留町2-4-3、設立昭和43年4月23日、資本金75億7200万円、市川祐一郎社長)と連結子会社のJapan Drilling(Netherlands)B.V.(オランダ)の2社は6月22日、申請処理を丸山貴之弁護士(弁護士法人大江橋法律事務所東京事務所:電話03-5224-5566)ほかに一任して、東京地方裁判所へ会社更生法の適用申請をした。監督委員兼調査委員には、片山英二弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所:電話03-3273-2600)が選任されている。
負債額は日本海洋掘削が約904億円、Japan Drilling社が約321億円。
日本海洋掘削(株)は昭和43年4月設立された石油・天然ガスの海洋掘削会社。所有する海洋掘削リグ船により、国内外で掘削サービスを提供していた。
平成21年12月に東証1部に上場、26年3月期には連結売上高401億円を計上していた。しかし、2014年の原油価格暴落により石油会社の投資意欲が急激に減退、所有掘削リグ7基「HAKURYU-5」、「HAKURYU-11」、「HAKURYU-12」、「SAGADRIL-1」、「SAGADRIL-2」、「HAKURYU-10」「NAGA 1」の稼動が悪化、特に海上型であり生産コストも高く、その影響を大きく受け、平成30年3月期まで3期連続で営業損失、経常損失、当期損失を計上していた。
同社は今後、平成31年1月に完成予定で建造中の「HAKURYU-15」につき、将来の損失リスクが高いとして、建造プロジェクト損失引当金繰入額約▲171億円を特別損失で計上、さらに、リース運用中のジャッキアップ型リグ「HAKURYU-12」のリース契約損失引当金繰入額▲51億円を売上原価に算入したことにより、平成30年3月期の当期損失は▲454億円に拡大し、債務超過に転落していた。
現状、経営環境が悪く、自力更生が困難として今回の会社更生法の適用申請となった。
ほかの子会社の成り行きは不明。
同社は国の「海洋研究開発機構」が所有する探査船「ちきゅう」の運用を受託し、地球の内部構造の調査も手がけているが、今後とも受託を継続する予定。
連結/百万円
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16/3期
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17/3期
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18/3期
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会計方式
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日本方式
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売上高
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36,227
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15,376
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20,272
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営業利益
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-2,550
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-11,063
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-11,446
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経常利益
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-3,219
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-11,516
|
-12,055
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当期利益
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-7,017
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-23,053
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-45,459
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総資産
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109,589
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80,221
|
70,398
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自己資本
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52,565
|
29,048
|
-16,463
|
資本金
|
7,572
|
7,572
|
7,572
|
有利子負債
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42,893
|
36,010
|
31,601
|
自己資本率
|
48.0%
|
36.2%
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債務超過
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日本海洋掘削 主要株主
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平成29年9月30日現在
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株主名
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所有株
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割合
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石油資源開発
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5,575,674
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30.97
|
三菱マテリアル
|
3,609,036
|
20.05
|
国際石油開発帝石
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1,152,000
|
6.40
|
ジャパン マリンユナイテッド
|
560,000
|
3.11
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三井造船
|
364,800
|
2.02
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東芝三菱電機産業システム
|
280,000
|
1.55
|
第一実業
|
200,000
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1.11
|
三井物産
|
182,400
|
1.01
|
三菱瓦斯化学
|
180,000
|
1.00
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東京海上日動火災保険
|
153,500
|
0.85
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計
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12,257,410
|
68.09
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借入金/百万円
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借入先
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H29.3.31現在
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三菱東京UFJ銀行
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8746
|
三井住友銀行
|
5406
|
日本生命
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2,386
|