現代自動車は、目標をトヨタ超えに置いたことがそもそもの間違い。日本の各車は、トヨタは躯体が頑丈で大衆向き車両が得意、日産はスカラインＧＴに代表されるようにエンジンに、ホンダはＣＶＣＣエンジンを開発して燃費効率に特色を持たせ、若者向けに強いという特色があった。今は当然変遷してきているが、それぞれの特色を生かしたメーカーである。過去には、スズキが360ＣＣのフロンテクーペを伊ジウジァーロにデザイン依頼するなど面白い動きはあったが、結局は自社デザインとなっている。

現代自動車は、高性能GDIエンジン(GM+三菱主導で現代と共に開発)を手に入れたことに快進撃が始まった。2009年～2010年にかけてトヨタプリウスの急加速問題が米国で発生(結果、米当局の検査で問題なし、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い)し、その間に急激に米国で販売台数を伸ばした。

また、大票田の欧州とはFDAを締結、米国ともFTAを締結して関税が０か安くなったことから、元々コストパフォーマンスが高い(日本車・日系奢り２割は安い)現代・起亜車であり販売台数を伸ばした。
数年前より駆動系もよくなってきている。特にカーデザインは、BMWなどのデザイナー責任者たちを次から次にヘッドハンティングして、欧州仕様の洗練された、すっきりしたデザインで、トヨタのゴテゴテよりも優れているものも多い（プリウスデザインの失敗・・・米国）。

しかし、車の基本である安全については、３２項目のリコール隠しを内部告発されるほど、前向きではないこともアメリカでの販売不振の原因になっているようでならない。
当然、アメリカ市場自体が前年割れとなっており、販売競争も一段と厳しくなっている。インセンティブ（販売奨励金＝値引き）の拡充拡大は当たり前になっている市場で、韓国車の買い動機であるコスパもなくなってきているものと思われる。それに加え、中国での販売不振は、経営にも打撃を受け、過去行っていた米国での無謀なインセンティブ販売も限界が出ているものと見られる。
この間、米国の自動車評価誌では、現代・起亜車は高く評価され続けているが、現実売れなければ意味をなさない（昨年９月に内部告発がありながら、まだ解決も全部していないにもかかわらず、高い評価をつける米誌、お金でも動いているのではと疑うほど、高い評価を付けている）。
現代グループの現代と起亜はともにメガ販売へ動いているが、せめて、起亜はSUBARUのような独自の展開をしない限り、現代車と箱だけが違う、車両名だけが違うでは、いずれ、消費者離れを引き起こす可能性がある。