韓国GM 計5千人削減 3千億円出資を政府へ要請
1、韓国GMは現行1万6千人を1万1千人体制に5千人削減(30%)。群山2千人+3千人削減。
2、韓国政府もしくは産業銀行が28億ドル出資すれば向こう10年間50万台体制維持。この間1100人新規雇用も。
ロイター通信は2日、韓国GMが韓国内の職員全体の30%に相当する5000人を削減し、生産量は維持するという計画を韓国政府に提出したと報じた。
ロイター通信はこの日、独自入手した文書を通じて、GMが韓国の職員を約1万6000人から1万1000人に減らす方針だと伝えた。
また、韓国GMが経営改善策の一つとして提示した28億ドル(約3000億円)規模の新規投資提案に同意すれば、今後10年間は年平均50万台水準で生産を維持するだろうと予想した。
ロイターは「群山工場には2000人が勤務しているため、他の工場も(人員削減の)影響を受けるとみられる」とし「この文書は人員削減がいつになるかは具体的に言及しなかった」と伝えた。
文在寅大統領が、数千人の職場を見つけるために税金3兆0,242億ウォン(28億ドル/1,080ウォン)をGMに出資すれば、国民の反発に直面する可能性があるという見方も示した。
また、文書で韓国GMは、今後10年間に1100人の新規雇用を創出し、韓国生産ラインで2020年と2022年に米国市場への輸出用とする新SUVモデル2車種と小型自動車エンジンを生産するという計画も提示したと伝えた。
しかし、韓国GMと政府はこれを否認している。
韓国GM側は「5000人も、文書も全く知らない。完全な誤報だと判断している」と述べた。
5000人削減は、現実的な数値でないとも付け加えた。韓国産業通商資源部も「記事の内容について口頭や文書で政府に公式に伝えられたものはない」と報道を否認した。
以上、
下記表のとおり、現行の工場稼働率からすれば、群山工場の閉鎖のほか3千人規模のリストラは避けられないと見られる。
しかし、韓国GM労組および政府は、韓国GMが過去5年間(2012~16年)の累積赤字は1兆9,787億ウォン(約1,978億円/0.1円換算)に対し、76%に相当する1兆5,067億ウォンはGM本社に流れたと主張している。
これまでの本社還流内訳は、
1、親会社のGMが韓国GMに貸付金にともなう利子が4,955億ウォン、
2、GMがヨーロッパ・ロシアから撤収してかかった費用負担分が5,085億ウォン、
3、研究開発費・購買費用の分担金が3,730億ウォン、本社業務支援費が1,297億ウォンだという。また、2017年も6千億ウォン~1兆ウォンの赤字が推定されるという。
韓国政府と労組がこうした見方をし、GMに対して問題提起している以上、28億ドルの出資についてはほぼ絶望的と見られる(出資しても親会社が貸付金の返済金に充当し吸い取るとの見方)。
1、GMは、28億ドルの出資を韓国政府から引き出せなかった場合、どうするのか。
2、群山の2千人どころか+3千人の追加リストラの受け入れは、左派文政権を支持する韓国GM労組(自動車全労組)が受け入れることも、ほぼ絶望的。
韓国自動車労組は病的にすぐストを打つことから、さらに韓国GMの生産が大混乱に陥り、最悪の事態に陥る可能性もある。
双龍自動車(インド・マヒンドラ系)が、GM車生産継続を前提にGMの韓国事業を引き継ぐ可能性もあるが、GMが技術流出も含めそうした売却に踏み切るとは到底思われないが・・・。
韓国GM工場
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工場
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従業員
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稼働率
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生産車
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群山工場
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2,000
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20%
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クルーズ
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オーランド
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昌原工場
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1,700
|
70%
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スパーク
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ダマス・ラボ
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富平第1工場
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10,000
|
100%
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アベオ
|
トラックス
|
富平第2工場
|
50%
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マリブ
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キャブティバ
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韓国GM販売台数推移
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総販売台数
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うち国内販売台数
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台数
|
前年比
|
台数
|
前年比
|
2017年
|
524,547
|
-12.2%
|
132,377
|
-26.6%
|
2016年
|
597,165
|
-4.0%
|
180,275
|
13.8%
|
2015年
|
621,872
|
-1.4%
|
158,404
|
2.6%
|
2014年
|
630,532
|
-19.2%
|
154,381
|
2.2%
|
2013年
|
780,518
|
-2.5%
|
151,040
|
3.7%
|