アイコン 韓国の貿易と政治・経済および今後

 

 

韓国の2017年の輸出額は前年比15.8%増の5,738億6,500万ドルと過去最高を記録した。

輸入額は同17.7%増の4,780億9,400万ドル、貿易収支は957億7,200万ドルの黒字だった。(輸出の伸び率は世界ダントツの首位)

中でも半導体・ディスプレイ等の電子製品は中国向け輸出が前年比22.2%増え過去最高の1,043億9,000万ドルを記録した。

その原因は中国における電子産業。中国では急成長した国内勢のスマホ製造、世界で更新時期のPC、データセンター向けコンピュータ・サ-バー生産が活況を呈し、液晶、有機EL、半導体のほか付属する製造装置などが大量に輸出された。
半導体は品不足に陥り高価格に変貌、痺れを切らした中国当局はサムスン電子を呼び付け、値下げ要請、中国での生産を強要するほど。

しかし、もはや韓国の電子産業(サムスン電子・LG・SK)は雇用にほとんど役に立たないほど機械化・自動化されており、韓国の内需経済を直接的には潤すものではなくなってきている。

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<韓国から中国へ、そして製品化され米国へ>
韓国は貿易収支が増加し続けているものの、対米貿易黒字では米トランプも賢くなり、これまで韓国製品を貿易制裁してもサムスン電子などはベトナムやマレーシア工場から輸出してくることから、社名を上げ家庭用大型洗濯機とソーラーパネルに対して緊急輸入制限(セーフガード)を発動。 
結果、サムスン電子もLGもコスト高の米国に工場進出するしかなくなり、事前の動きを察知しサムスン電子は米工場を完成させ1月12日操業を開始、LGも今年中に米工場を建設する段取りとなっていた(こうした韓国勢の動きでも根性モンのトランプは1月23日セーフガードを発令したもの)。

<韓国製品のコストパフォーマンスはいつまで続けられるか>
韓国の自動車価格は、欧米日の車両を10とした場合、実勢価格は7~8、このコストパフォーマンスから欧米市場でシェア拡大を図ってきた。
(最近の販売減は、主力の現代自Gにおいて、中国ではTHAAD問題で不買にさらされ、米国ではリコール隠しが影響している)

ところが、文政権は、勤労者保護・内需拡大政策として賃金の大幅アップ・労働時間短縮を宣言している。すでに最低賃金を16.4%上昇させた。2020年までに時給10,000ウォン(1,000円)にする計画を公約している。
結果、賃金上昇・隅々に渡る生産コスト増を急激に招き、そのコストパフォーマンスは崩れ去ることになる。元々自動車労組は労働貴族と言われるほど高い賃金(トヨタの平均賃金より大幅に高い)であるが、サプライチェーンの協力企業は別、より安く供給させられてきた。その源の安さが急激な賃金上昇で提供できなくなる恐れが高い。
別に貿易黒字問題、為替問題も控えている。

<内需拡大・好調な建設業にも陰りが・・・>
韓国では、不動産バブルで好調だった建設業も家計負債増抑制策から規制強化に入り、地方から分譲マンションの販売不振がすでに生じており、先行き不透明感が強くなっている。
観光業界などサービス業界も中国観光客に浮かれ拡大し続けていたこともあり、昨年から雇用数は大幅に減り続けている。
巨大市場の中国に抱擁され成長遂げた韓国経済、直接・間接ベースとなっている米国市場。

失業問題をうまく綱渡りしなければ、文政権の支持基盤であるロウソク民心の牙は、文政権自身に向かうおそれもある。

<韓国企業も多くが東南アジアへ工場移転済み、さらに加速も>
文政権にツキがあるならば、世界経済が成長、特に欧州経済の回復ピッチを早めれば、中国経済も活況を呈し、韓国経済も中国に引き寄せられ輸出製造業中心に盛業となり内需も拡大する可能性はあるが・・・。
すでに韓国の主力企業は中国や東南アジアに製造工場を移しており、日本と同じように企業利益は空前の利益を出すものの、一向に内需の改善はみられない時代が到来する可能性が高い。

また、中国は加工貿易制限政策を拡大している。自国製品の部材部品は国内から調達しようとする政策で、韓国勢は打撃を受けている。
ただ、サムスン電子の半導体のような中国勢にまだ造れない先進製品は輸入せざるを得ない。さらに、アップル製品(組立を鴻海の深セン工場が担当)のように企業が海外の部材部品を指定するケースが多い。そのため国策より半導体や液晶・有機ELを生産する大規模工場を全国各地に造らせており、2018年ころから本格稼動に入ってくる。中国企業の製品より常に先進的な部材・部品しか輸出できなくなってくる。
サムスン電子にしても中国に半導体の大規模工場を有しているが、核心部品は韓国から輸出している。中国からしてみればそれもターゲットになる。

<2017年の中国の貿易>
中国の2017年の貿易総額は、米国の好景気と欧州経済の回復により前年比11.4%増の4兆1,044億ドル(約457兆円)、3年ぶりに前年実績を上回った。
輸出額は7.9%増の2兆2,634億ドル。輸入額は15.9%増の1兆8,409億ドル。貿易黒字額は4,225億ドル(約45兆円)。輸入は主に原油・LNGの輸入増および原油・LNG価格上昇によるもの。
中国は世界の工場として君臨しているが、労務費高騰により、すでに労働集約型の繊維やスポーツシューズなどは東南アジアへ生産拠点が移り落ちてきている。それでも付加価値の高い電子製品・情報通信製品は世界の工場をさらに加速させている。

<米国の韓国製品に対する輸入規制>
世界中で保護貿易が蔓延している。TPPを推進しているのは1国を除き農産国ばかりが現実。
2018年1月現在、米国の韓国製品に対する輸入規制は40件、うち30件は反ダンピング(不当廉売)、相殺関税は8件、緊急輸入制限(セーフガード)は2件。
輸入規制品目は、鉄鋼・金属が28件、電気・電子が5件、化学製品と繊維類がそれぞれ3件。韓国の輸出世界№1品目がほとんど。

40件は米国による輸入規制製品196件中で最大規制対象数の国となっている。
こうした中で対米貿易黒字から、さらにFTA(自由貿易協定)見直し交渉が進んでいる。
韓国からは特に自動車の輸出額が多い。現代自+起亜の現代グループは、2017年は売れず前年比▲10.4%減の127万台、米国での生産キャパは60万台(各30万台工場1ヶ所)、残りのほとんどが韓国から輸出されている。

米国から韓国からの自動車輸出を大幅に減らされた場合、大量リストラせざるを得なくなり、労働貴族の自動車労組により大労働争議に発展する。労組やロウソク民心を支持基盤とする文政権は窮地に陥ることも予想される。
現在、販売不振から赤字経営が続き大幅リストラか撤退かと問題になっている韓国GMでさえ従業員は1.6万人ながら、サプライチェーンには13万人もの従業員を抱え、それに家族がいる。

韓国GMは、韓国政府の支援と労働貴族の労組が大リストラを認めなければ、韓国から撤退する可能性をチラチラさせている。トランプさえ、韓国からGMが戻ってくると大喜びしているのが現実となっている。

韓国にとって、北朝鮮問題端を発した米中との外交問題、絡められた貿易問題、国内にあっては失業問題、内需不振と一番難しいときに文在寅氏は大統領の座にある。内需拡大、若年層の失業率低下など結果を出していかなければ、政治家ではなく反日をこれまで生きがいにしてきた康京和長官と鄭鉉栢長官を利用した反日政策だけでは、いつまでも民心を繋ぎ止められなくなる。

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[ 2018年3月 1日 ]

 

 

 

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