インドネシア ニッケル鉱石輸出禁止、バーレなど鉱山会社賛同
インドネシアの複数の大手鉱山会社は、政府が最近ニッケル鉱石輸出の全面禁止を前倒しで決定したことを歓迎している。
インドネシアは世界最大のニッケル鉱生産国。先月、来年1月1日からニッケル鉱の輸出を全面的に禁止すると発表した。当初の方針より2年前倒しする。発表を受け、供給不足や小規模企業の財務状況に対する懸念が広がった。
しかし11日アジアニッケル会議に集まった業界の大手企業からは、禁止措置はインドネシアのニッケル加工産業の発展を後押しすると肯定的な声が聞かれた。
バーレ・インドネシアのゼネラルマネジャー、スティーブン・ブラウン氏は「インドネシアは生産を拡大する絶好の機会とみている」と述べた。
インドネシアは、禁止措置の前倒しは急拡大するニッケル銑鉄(NPI)、ステンレス、電気自動車(EV)のニッケル製錬業界向けの鉱石確保が目的としている。
セルビー・アンド・カンパニーのマーク・セルビー社長は、「一歩下がって、これがインドネシアにとって成功する産業政策かどうか考えると、答えは明らかにイエスだと思う」と評価。
さらに「鉱石の輸出禁止により、インドネシアには数百億ドル規模の投資資金が流入し、おそらくどの発展途上国よりも鉱業投資が拡大している。鉱業資源は無限ではない」と述べた。
以上、
インドネシアの資源付加価値化は、古くは日本企業が仕掛けた木材輸出禁止に始まり、韓国(ポスコ)が仕掛けた鉄鉱石輸出禁止、その3段になろうかニッケル功績輸出禁止措置。
ポスコは溶鉱炉をインドネシアに設け、鉄鉱石に付加価値をつけ鋼材にし、国内需要と海外販売を担当している。
ニッケルも同じ動きだが、世界最大の鉱山会社バーレも賛同しており、精製工場でニッケルを製品化して輸出する。
施設建設には巨額投資が必要となり、ほかの鉱山会社からもニッケル鉱石を購入できるバーレに有利になる。
2017年実績 ニッケル生産国ランキング
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鉱石生産量
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鉱石精製加工国
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量千トン
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シェア
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量千トン
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シェア
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フィリピン
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366.0
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17.1%
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中国
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623.7
|
30.0%
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インドネシア
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345.0
|
16.1%
|
インドネシア
|
204.8
|
9.8%
|
ニューカレドニア
|
215.1
|
10.0%
|
日本
|
187.7
|
9.0%
|
ロシア
|
212.0
|
9.9%
|
ロシア
|
159.3
|
7.7%
|
カナダ
|
211.2
|
9.8%
|
カナダ
|
157.9
|
7.6%
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・石油天然ガス金属鉱物資源機構
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[ 2019年9月12日 ]