アイコン スーパーコンピュータ「Summit」新コロナ治療薬剤7つ選定

 

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米エネルギー省傘下のオークリッジ国立研究所は、IBMが製作したスーパーコンピュータ「サミット(Summit)」を用いて、臨床試験中または市販中の薬と8千種あまりの天然化合物を分析し、77種の薬を第1次選考候補として、さらにここから第2次選考候補としてトップ7を選び出したと発表した。
一般のコンピュータでは数ヶ月かかる仕事を2日で終えたという。サミットは1秒当たり20京回の演算能力を持つ。これは一般的なノートパソコンの100万倍以上。

この薬物シミュレーションには、1月に中国の研究陣がウェブサイトに掲載したウイルスのゲノム情報を用いた。この情報をもとに、新型コロナウイルス(COVID-19=SARS-CoV-2)が2008年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスと細胞浸透方式が同一であることを前提として、ウイルスが人間の細胞に浸透する道具である突起タンパク質に結合する可能性が高い薬物を選び出した。
これらの薬物が、実際に突起たんぱく質に結合すれば、ヒト細胞への感染を防ぐことができる。
しかし、今回の結果は治療法を発見したことを意味するわけではない。
スーパーコンピュータが発見した化合物は、これから動物実験とヒト細胞の実験を通じて薬効を試さなければならない。
研究所があるテネシー州のテネシー大学保健センターの科学者たちがこの実験を担う。
この実験を終えるだけでも数ヶ月かかることもある。

しかし、COVID-19が長期化する可能性が高いため、この実験が実際にCOVID-19治療薬の開発段階に至る可能性もある。
実際、スーパーコンピュータの計算結果の主な用途は、今後、治療薬の開発者らが化合物を開発する際の基本の枠組みを作ること。
コンピュータのシミュレーション結果を見れば、ウイルスを攻撃して殺すのに必要な特性が何なのかが分かる。これは開発者の苦労を大幅に減らすことができる。
オークリッジ研究所はシミュレーション結果をオンラインに無料公開している。

スーパーコンピュータが1次選考で選び出した化合物は、突起タンパク質と細胞受容体の相互作用に介入する候補物質が47種、突起タンパク質自体に作用する候補物質が30種。
このうち、
突起タンパク質の細胞受容体である「エース2」との結合力に優れたものとしては①ニトロフラントイン(nitrofurantoin)、②イソニアジドピルビン酸(isoniazid pyruvate)、③エリオジクチオール(eriodictyol)の3つが挙がった。
突起タンパク質の受容体認識領域に直接作用しうるものとしては、④セファランチン(Cepharanthine)、⑤エルゴロイド(Ergoloid)、⑥ヒペリシン(Hypericin)などが関心の対象に挙がった。

今回の分析を行ったオークリッジ研究所の研究陣は、事前出版オンライン論文集「ChemRxiv」にシミュレーションの過程と結果を紹介し、「2つのタイプのシミュレーションの結果をもとに我々が確認した化合物のうち、少なくとも7つはCOVID-19ウイルスと宿主細胞の相互作用抑制実験に使うのに適した初期化合物」と明らかにした。

研究陣は米テキサス大学オースティン校の研究陣が最近、科学ジャーナル『サイエンス』に発表したCOVID-19ウイルスの突起タンパク質立体構造を利用して、さらなるシミュレーションを行う計画だという。
以上、
COVID-19=SARS-Cov-2は2003年に流行を引き起こしたSARSウイルスと非常によく似ているが、新しい構造は2つのウイルス間の小さな、しかし潜在的に重要な違いを明らかにし、それがSARSやMERSと比べ物にならないくらいの感染力の強さとなっているという。

オークリッジ研究所の発表文
https://www.ornl.gov/news
学術誌「ChemRxiv」の分
https://chemrxiv.org/

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[ 2020年3月23日 ]

 

 

 

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