追、「TRAIL」 基地局整備事業で70億円所得隠し 楽天モバイル案件
東京国税局は、楽天モバイルの携帯電話の基地局の整備に関する業務を請け負っていた都内の運送会社の「TRAIL」が、約70億円の所得隠しを指摘し、昨年3月期までの3年間で重加算税を含め約30億円の追徴課税の支払い命令を発していたことが判明した。
「TRAIL」は、千代田区の物流会社日本ロジステック(株)(民事再生手続き開始決定)を通じて、楽天モバイルの携帯電話の基地局の建設部材などを輸送する業務を請け負っていたが、下請業者に支払う外注費や配送費を水増しし、利益を少なく見せかけていた疑いがあるという。
楽天モバイルの基地局整備事業をめぐっては、楽天モバイルの従業員が日本ロジステック(株)と共謀して費用を水増し請求し、金銭を着服していたとして、昨年8月、懲戒解雇するとともに警察に刑事告訴している。楽天モバイルの不正請求による損害額は46億円を超えるという。事案は楽天モバイルの従業員らが日本ロジに持ちかけて着服していたとされる。
楽天にしても、とんでもない従業員を採用し、それも巨額案件をよくぞこうした不埒な従業員らに担当させたものだ。チェック機能も麻痺していたようだ。
奢れる経営者には落とし穴がいくつも生じてくる。
不正に得た資金は、「TRAIL」の社長が、解雇された楽天モバイルの従業員らと分け合っていたとみられるという。
「TRAIL」は今年1月13日、負債額約53億円を抱え事業停止、自己破産申請の準備中となっている。
運送会社(株)TRAILの売上高 |
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20/3月期 |
26億円 |
21/3月期 |
92億円 |
22/3月期 |
192億円 |
本社地:相模原市中央区相模原3-8-26 |
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本店登記:東京都港区芝公園2-11-11 |
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代表:濱中治 |
一方、日本ロジステック(株)(東京都千代田区神田須田町1-5-10/代表:黒川尚悟)は昨年9月1日、負債額約150億円を抱え、東京地裁より民事再生法の適用手続きの開始決定を受けている。
同社の銀行口座が楽天モバイル側から仮差し押さえられ、運転資金が引き出せないための民事再生申請となっていた(裁判所は民事再生手続きをよく認めたものだ)。
以上、
TRAILは自己破産しても債権者は、公租公課の弁済が優先権があり、1円も取れない可能性が高い。
詐取した資金は小口分散してフィリピンの刑務所でも送金したのだろうか。