総量規制240万立米の見直し。長崎県の海砂行政に突きつけられた2つの問い〜
さて、またしても長崎県の海砂行政がきな臭くなってきた。
というのも、浪口志郎氏──通称「黙っちゃいない男」から、海砂採取業者と県行政へ向けて**正式な“通告”**が飛んだのだ。

しかも今回は、ただのお願いや陳情なんかじゃない。
「越境採取の実態を洗い出せ」
「需要の3倍も採るな」
という、ド直球の要求である。
■1:9月30日の文書、完全に無視される

浪口氏が9月30日付で「境界線付近の採取やめろ」「損害補填しろ」と求めた件。
これに対して、業者も組合も、県も──
返事ゼロ。沈黙。完全スルー。
これはもう“回答しないでください”と言わんばかりの態度だ。
だが当然、黙っているわけにはいかない。

■2:まず、越境採取という“タブー”の存在
今回の通知書の核心のひとつがこれだ。
佐賀県と長崎県の協定境界線。
そこを長崎県の業者が何度も越えて海砂を採ってきたという、なんとも大胆不敵な行為。
しかも、それが常態化していた可能性すらある。
ここまでくると、こう思われても仕方ない。

「長崎県当局と業者、グルじゃないの?」
疑いたくなる土台を自ら提供してしまっているのが現状だ。
浪口氏は「とにかく長崎県側の採取を止めろ」と求めたが、本来なら
• 違法な越境採取がどれだけの規模で行われていたのか
• なぜそれが長年改善されなかったのか
• 誰が見て見ぬふりをしたのか
ここをガッツリ調査し、原因を潰すべきだ。
■3:もっと問題なのは、長崎県が許した“採取量240万㎥”
通知書が突き刺しているもうひとつの核心がこれ。
本来、「県内の需要に近づける」という基本方針がある。
ところが県が出してきた数字は──
まさかの年間240万㎥。
いやいや、待ってくれ。
県内需要の実績は
• 平成31年度:90万㎥
• 令和2年度:87万㎥
つまり、需要はせいぜい100万㎥弱。
提言で出ていた数字(133~135万㎥)ですら実は盛られていた疑惑あり。
それなのに県は、なぜか
需要の約3倍近い240万㎥を認めている。
これ、どういう理屈よ?
他県を見ても
• 佐賀:100万㎥
• 山口:118万㎥
• 熊本:採取禁止
と、軒並み慎重。
唯一、福岡だけが400万㎥だが、あそこは人口も建築需要も桁が違うから比較にならない。
つまり長崎県の240万㎥は、
需要にも他県状況にも反している、超・異常値というわけだ。
■4:浪口氏の“2つの要求”、これは避けて通れない
今回、浪口氏があらためて突きつけた要求は2つ。
① 境界線付近での採取を即刻やめ、越境の実態を調べて再発防止策を出せ
“不法採取の歴史”をうやむやにしてはならない。
② 長崎県内の需要を再検証し、来年度からの採取量を“需要に見合う量”に改めよ
240万㎥はあまりにも不自然だ。根本から見直すべきである。
■5:期限は2週間。無視すれば法廷行き
通知書はこう締めている。
「2週間以内に返答を。沈黙なら行政訴訟・民事訴訟へ行きます」
これはもう、完全に覚悟を求める文面だ。
曖昧に逃げるのは不可能。
言い訳も、先送りも許されない。
長崎県の海砂行政は“説明責任の崖っぷち”にいる。
越境採取という爆弾。
需要の3倍という不可解な許可量。
それに対する沈黙。
──この3つが揃ってしまった以上、誰も「何も知りません」で済ませることはできない。
浪口氏の通知書は、行政と業者に対して
「正面から説明しろ。数字を誤魔化すな。県民に嘘をつくな」
というシンプルで重いメッセージなのだ。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





