TerraDrone テラドローン 22人死火災や買収中止 1月決算大幅修正
今年12月9日午後発生したインドネシアの首都ジャカルタのオフィスビルの火災、22人の死亡が確認されている。ビルには日本のドローン関連企業「テラドローン」の現地拠点が入っており、犠牲者全員が従業員だと報じられている。
地元警察やメディアによると、1階にあったバッテリーの爆発が出火原因の可能性があるといい、死亡した人のうち15人が女性、7人が男性だという。「テラドローン」の現地子会社は東南アジアでドローンを使い測量などに従事していた。
これを受け、テラドローン社は2026年1月期の業績見通しを下方修正した。
12月9日に発生したインドネシア子会社の火災事故に伴い7億円の特別損失をはじめとして複数の損失計上が見込まれるという。
従来予想の▲3億92百万円の最終赤字が、最大で▲27億99百万円まで拡大すると発表した。
当社は現社長の德重徹氏が設立したドローンソリューション事業会社。
ドローンを利用した空撮や測量を国内外で展開しており、土木・鉱山等の測量や橋梁・ガス施設等の点検などで活用されている。インドネシアでは測量のほかヤシの病害虫の被害状況調査なども行っていた。
同社は国内外のドローン需要を取り込み、2025年1月期の売上高は44億35百万円まで伸長したが、3期連続赤字となっている。
25年期の赤字は、事業拡大に伴う人件費や上場準備費用等が負担となったとしている。今期決算については、ここに来て下方修正。
既存のドローン事業では、購入者に対する補助金の減少や製造委託先での生産遅れ、案件減少となった。
(最近ではクマ対策用に、クマ退治用スプレー噴射装置付きドローンを開発し、地方自治体などへ販売している)
こうしたなか12月9日、ジャカルタにある現地関係会社のビルで火災が発生。子会社の社員22名が死亡し、負傷者も15人に上った。
オフィスビル建物の1階にあった同社が保管していたバッテリーから出火した疑いがあるとされ、この火災を受けてインドネシアの国家警察は12月11日までに過失致死などの容疑で子会社のCEOを逮捕したと報じている。
この件について、報道では、当社は当局より事情聴取を受けていることは認めているが、逮捕については「事実関係の確認を進めている」とし、「当局の捜査に全面的に協力してまいる所存です」との発表に留めている。
今期業績への影響も大きく、売上高は従来予想の53億03百万円から42億84百万円~44億70百万円へ下方修正、営業赤字・経常赤字・最終赤字も拡大する見通しとなった。
最終損益については、●火災による補償・対応費用7億円や、●持分法適用会社である米国のAloft社の完全子会社化の手続き中止に伴う解約違約金1億60百万円、ここからさらに、
Aloft社の全株式の過半が第三者に移動した場合、投資有価証券評価損として最大5億円を特別損失に織り込んでいる。
また、●ソフトウェアの減損損失として最大▲3億20百万円を特損計上し、
最終損益は▲16億97百万円~▲27億99百万円の赤字を見込んでいる。
バッテリー問題、
ドローン用バッテリーのリチウムイオン二次電池、現在の科学では衝撃なども想定され熱暴走を回避することはできないレベル、GMのEVボルトの火災原因は、製造のLGや韓国の国立研究機関では原因究明できず、GMが解明するほど原因解明さえ難しい。
結果、火災原因は韓国の製造工場で一定ロットにごく僅かな不純物が混入し、その製造ロットだけが、駐車中、充電中、走行中に火災を発生させていたという。GMとLGは15万台余りを2000億円かけてリコールしている。
しかし、LG製だけではなくほかの自動車メーカーのLG以外のバッテリーメーカーでも火災が発生しており、不純物だけの問題ではなさそうだ。
車両用バッテリー火災では、日本企業所有の自動車運搬船2隻(ともに数千台運搬中)が、オランダ沖とポルトガルの諸島沖で火災を生じ1週間余り燃え続け全焼失している。
それほど、火災では激しく燃え、消火も放水ではなかなか消えない。
テラドローンがドローンの取り扱いのプロならば、社内用だろうが、ドローン用バッテリーをビル内に保管するのは危険極まりなく、リスク回避の取り扱いを初歩から学びなおす必要があるのではなかろうか。
韓国では自動車・飛行機からデータセンターまでリチウム電池火災が多発。
韓国では2025年9月26日、公共機関のデータセンターが火災、屋内の非常用電源装置(UPS)のリチウムイオン二次電池が全焼失、サーバーも一部焼損、一部公共機関の貴重なデータも喪失して大問題となっている。
こうした事例は以前にもあり、すでに対策として当局は建物外にUPS格納庫を設置、水槽設置、消火のため燃えているバッテリーラックのまま水槽に沈める消火対策も準備させている。しかし、当局は民間にはこうした指導をしているものの、公共機関は民間ではないため、指導も何もなかったとされている。
韓国では地下駐車場でも大規模火災も発生している。
2024年8月、仁川の大団地の地下駐車場でベンツEV「EQE」から出火、140台が被害を受けた。電源も喪失し、入居住民にも停電の影響が出た。
韓国では飛行機も燃えた。
2025年1月28日、エアプサン391便は金海空港でリチウムイオン電池のモバイルバッテリーが火元の火災で全焼失。香港行きの飛行待機中に火災が発生したため、負傷者は出たものの176人全員脱出して無事だった。
このようにリチウムイオン二次電池は、大小にかかわらず、何時燃えるかわからない危険物。特に事業用・産業用などは火災対策のため、建屋外の構築物に保管するのが最善策となっている。
同社の見解、
同社はインドネシア子会社の火災原因とみなされているバッテリーは、現地法人において自己利用に限って使用。同社およびインドネシア法人が顧客向けに販売・提供するバッテリーとは異なるものだったとしている。同社は、出火原因となったとされるバッテリーの品質について、製造したバッテリーメーカーと協議をしながら事実関係を確認中としている。
22人が死亡するという悲惨なイナンドネシア火災、自社使用用であろうとなかろうと、バッテリー保管は建屋外にすべきで、それを徹底していなかった同社の管理能力の問題ではないだろうか。現地法人だろうと同社がほぼ100%出資している法人である。
例えば、現行、リチウムイオン系バッテリーは、どこのメーカー製であろうと建屋外に保管しているのか、バッテリー保管についてはマニュアルで徹底しているのか、マニュアルについて新入社員にもその都度徹底して教育しているのか・・・。
同社の経営者は、経営はプロであろうが、現業についての・・・。
リチウムイオン電池の主流は、火災リスクが比較的低いとされるLFP系(高価なニッケルとコバルトを使用せず安価/性能向上)、韓国勢の3元系はリスクが高いとされている。しかし、LFP系も火災リスクがないわけではない。
SONYがパソコンやバッテリーから撤退したのも、ノートパソコンの蓄電池=リチウムイオン電池による火災、全世界でのリコール、こうした負担にリスクが高いことから撤退したものだった。
中国はEV大国、EVバイク含め、年間数万台の車両火災が生じているという。建屋への延焼なども当然ある。中国の主流バッテリーはLFP系でもある。
ただ、中国の場合、EV車両メーカー同様、バッテリーメーカーも一時竹の子にように乱立、最近は安全基準も厳しくなり、淘汰されてきたもののまだまだ多い。火災補償やリコール補償などできず経営破綻する中堅バッテリーメーカーもある。
火災リスクが大幅に少ない全固定電池は2027年ころには市場に登場する。
↓経営については上場などに伴う出資の資本が大きく、純資産が厚く問題はない。
スクロール→
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Terra Drone:決算推移 /百万円 |
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2024年11月29日東証グロースに上場 |
26/1期予想 |
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278A |
23/1. |
24/1. |
25/1. |
当初 |
12/15修正 |
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売上高 |
1,949 |
2,963 |
4,435 |
5,303 |
4,284~4,470 |
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営業利益 |
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-243 |
-627 |
-610 |
▲1488~▲1266 |
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経常利益 |
-855 |
-111 |
-606 |
-479 |
▲1267~▲1046 |
|
純利益 |
-1,111 |
-353 |
-474 |
-392 |
▲2799~▲1697 |
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総資産 |
6,125 |
7,132 |
8,930 |
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負債計 |
|
2,087 |
1,785 |
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純資産計 |
4,516 |
5,045 |
7,144 |
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資本金 |
|
99 |
1,348 |
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資本剰余金 |
|
5,731 |
6,979 |
|
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利益剰余金 |
|
-1,337 |
-1,812 |
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負債+純資 |
6,125 |
7,132 |
8,930 |
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純資産比率 |
73.7% |
70.7% |
80.0% |
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