アイコン 水没274台、膨らむ債権 地下駐車場破産に残る「災害リスク」の重さ


記録的な大雨で地下駐車場に止められていた車274台が水没した問題は、運営会社の破産後もなお、被害の全体像を確定できないまま手続きが続いている。

三重県四日市市中心部の地下駐車場「くすの木パーキング」を管理運営していたディア四日市の破産手続きで、12日、津地裁四日市支部で債権者集会が開かれた。破産管財人の塚越正光弁護士は、現時点で64の法人・個人から約8億1000万円の債権届けが出されていることを明らかにした。

このうち、車両被害に関する届け出は183台分で、約5億8500万円にのぼる。昨年9月12日の大雨で同駐車場が浸水し、計274台が水没した。地下施設を襲った災害が、運営会社の経営を直撃し、多数の車両所有者や保険会社、行政を巻き込む債権処理へと広がった形だ。

 

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ただ、今回の集会では破産債権として認めるかどうかの判断は留保された。損害賠償額が車両の時価に基づいているかを確認する必要があるほか、国が車の所有者との交渉で支払った金額を差し引く必要もあるという。届け出られた金額が、そのまま最終的な債権額として確定するわけではない。

同社は、くすの木パーキングの管理運営を担っていたが、浸水被害に伴う賠償や復旧負担が経営体力を大きく上回った。破産時点の負債総額は約2億5000万円とされていたが、車両被害に関する請求が加わったことで、手続き上の債権額は大きく膨らんでいる。

焦点は、誰がどこまで損害を負担するのかに移っている。車の所有者、保険会社、行政、破産会社の関係が複雑に絡み、債権認否には時間を要する見通しだ。被害車両の時価評価や補償との重複調整が進まなければ、配当の見通しも定まりにくい。

今回の問題は、豪雨災害が企業倒産に直結する時代のリスクを映している。地下駐車場や地下街などの都市インフラは、利便性の一方で浸水時の被害が大きくなりやすい。気候変動で短時間豪雨が頻発するなか、災害対策の不備は、施設運営そのものの存続を揺るがしかねない。

次回の債権者集会は10月2日に開かれる予定だ。車両被害の債権がどこまで認められるのか、保険金や公的な支払いとの調整がどう進むのか。地方都市の地下インフラをめぐる破産手続きは、災害時代の責任と備えのあり方を問いかけている。

 

 

[ 2026年6月15日 ]
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