≪第5回≫長崎の海は有明商事、葵新建設のものか。

採取船は自己所有だけ? 海の底まで資本力勝負にするのか。
三つ目の問題は、採取船の登録条件である。
要領では、登録できる採取船を、砂利採取業者が所有する船舶に限定しているとされる。
つまり、傭船契約やリースによる船舶利用ではなく、自前で採取船を保有していなければ、事業参入のハードルを越えられないということである。
これもまた、実に分かりやすい。
大型の採取船を所有できる業者とは、相応の資本力を持つ既存の大規模事業者である。

一方、十分な技術力や管理能力があっても、船舶を傭船又はリースで確保しようとする事業者は、入口で排除されかねない。
要するに、「能力があるか」ではなく、「船を買えるほど大きいか」
が参入条件になっているのである。
以前の要綱では、使用船舶について傭船契約による申請登録も認められていた。
それが、新たな要領では自己所有船に限定されたというのであれば、制度は明らかに狭くなった。
もちろん、安全管理や責任の所在を明確にする必要はある。
しかし、それは傭船契約書、リース契約書、運航管理体制、保険、安全管理責任者、GPS管理、採取記録などによって確認できる話である。
現に、沖縄県には、使用船舶について傭船契約書やリース契約書の写しを添付書類として認める運用も存在するし、現に有明商事の金栄丸も葵新建設の葵丸も辺野古関係の工事に傭船参入している。

それにもかかわらず、長崎県で自己所有船だけを条件にする合理的根拠は何なのか。
安全のためなのか。環境保全のためなのか。災害防止のためなのか。それとも、既に船を持っている業者だけを残すためだけの利己中なのである。
県は、この違いを県民に納得の行くように説明しなければならない。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





