≪第6月回≫長崎の海は有明商事、葵新建設のものか。

条件を四つ並べれば、答えは一つしかない
ここまでを整理しよう。
海砂採取事業に参加するには、特定の砂利協会の会員であること、過去3年以内に県内で採取実績があること、壱岐の漁協長会等の同意を得ること、採取船を自己所有していること、こうした条件が重なっているとされる。
一つ一つだけを見れば、県はきっとこう説明するだろう。
「業界の健全性を確保するためです」「実績を確認するためです」「漁業者との調整のためです」「安全管理のためです」
だが、制度は一つ一つの言い訳ではなく、全体としてどのような結果を生んでいるのかで見なければならない。
この条件を全部満たせるのは誰か。

新規参入の事業者か。
若い地元企業か。
技術力を備えた新たな挑戦者か。
違う。
最初から協会に入り、すでに実績を持ち、漁協長会との関係を築き、自前の採取船まで保有している既存事業者だけである。
これでは競争は起きない。
新規参入も起きない。
価格や品質の検証も働きにくい。
業界内の力関係は固定される。
そして、一度固定された利権は、行政の要領という名の防波堤に守られて、何年でも生き残る。
長崎県は、海砂の採取量には限度を設けている。
だが、県民が知りたいのは、その限られた資源を、誰が、どのような根拠で、どのような条件の下で利用できるのかということである。
限られた資源だからこそ、公平でなければならない。
限られた資源だからこそ、透明でなければならない。
限られた資源だからこそ、身内だけで回すような仕組みであってはならない。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





